スピオルト 診療サポートCOPDガイドラインポイント解説

COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン 第5版

COPDの管理目標

  • Ⅰ.現状の改善

    1. ① 症状およびQOLの改善
    2. ② 運動耐容能と身体活動性の向上および維持
  • Ⅱ.将来のリスクの低減

    1. ③ 増悪の予防
    2. ④ 全身併存症および肺合併症の予防・診断・治療

この管理目標の達成は、COPDの疾患の進行抑制生命予後の改善にもつながる

①症状について

  • COPDに多い症状は、労作時の呼吸困難(息切れ)、慢性の咳と痰である。

②身体活動性について

  • 身体活動には日常におけるすべての身体の動きが含まれる。
  • 身体活動性が高いことは生命予後が良好であることをはじめ、多数の臨床的メリットと関連している。
  • 身体活動性を高めるには、行動変容を促す動機づけや強化の要素が必要である。

③増悪について

  • 特 徴

    1. 1) 息切れの増加、咳や喀痰の増加、胸部不快感・違和感の出現などがみられる
    2. 2) 増悪を繰り返すことは、患者のQOL低下、呼吸機能低下、生命予後悪化と関連する
    3. 3) 原因は呼吸器感染症と大気汚染が多い(約30%は原因不明)
  • 重症度判定

    • ≪軽 症≫
      SABAのみで対応可能
    • ≪中等症≫
      SABAに加え抗菌薬あるいは全身性ステロイド投与が必要
    • ≪重 症≫
      救急外来受診あるいは入院を必要とする
  • 薬物療法

    1. ①抗菌薬
      痰の膿性化があれば抗菌薬の投与が推奨される
    2. ②気管支拡張薬
      SABAの反復投与、十分でなければSAMAの併用
    3. ③ステロイド薬
      短期間の全身性ステロイド投与

安定期COPDの重症度に応じた管理

安定期COPDの重症度に応じた管理

  • COPDの重症度はFEV1の低下程度(病期)のみならず運動耐容能や身体活動性の障害程度、さらに息切れの強度や増悪の頻度と重症度を加算し総合的に判断する。
  • 通常、COPDが重症化するにしたがいFEV1・運動耐容能・身体活動性が低下し、息切れの増加、増悪の頻回化を認めるがFEV1と他の因子の程度に乖離がみられる場合は、心疾患などの併存症の存在に注意を要する。
  • 治療は、薬物療法と非薬物療法を行う。薬物療法では、単剤で不十分な場合は、LAMA、LABA 併用(LAMA/LABA 配合薬の使用も可)とする。
  • 喘息病態の合併が考えられる場合はICSを併用するが、LABA/ICS配合薬も可。
  • SABA:短時間作用性β2刺激薬、SAMA:短時間作用性抗コリン薬、LABA:長時間作用性β2刺激薬、LAMA:長時間作用性抗コリン薬、ICS:吸入ステロイド薬

薬物療法のポイント !

  • 薬物療法の中心は気管支拡張薬であり、閉塞性換気障害の程度・症状・増悪などから判断した重症度に応じて段階的に使用する。
気管支拡張薬
  • LAMA/LABA配合薬はLAMA、LABAの単剤治療に比べ、閉塞性障害や肺過膨張の改善効果が大きく(エビデンスA)、息切れなどの症状も改善する(エビデンスA)
  • LAMA、LABAともに増悪抑制効果があり、LAMA/LABA併用がさらに効果が大きい。
  • 単剤で不十分な場合は、LAMA、LABA併用(LAMA/LABA配合薬の使用も可)とする。
吸入ステロイド薬
  • 喘息病態の合併が考えられる場合はICSを併用するが、LABA/ICS配合薬も可。
  • COPD患者の15~20%にACOが見込まれ、その場合はICSを併用する。

(日本呼吸器学会COPDガイドライン第5版作成委員会(編). COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第5版. 東京:メディカルレビュー社;2018より引用)