ジオトリフの副作用・安全性について

ジオトリフ(一般名:アファチニブマレイン酸塩)の使用後に発現しやすい副作用の種類や発現時期、マネジメント方法について紹介します。副作用の早期発見、早期対応を通じた患者さんのQOL向上に、ぜひお役立てください。

1.安全性に関する緊急のお知らせ

現在のところ,ジオトリフ錠に対する緊急な安全性のお知らせはございません。

2.ジオトリフの副作用(2016年9月改訂添付文書より抜粋)

化学療法未治療のEGFR遺伝子変異を有する非小細胞 肺癌患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験において、安全性評価対象229例(日本人54例を含む)中228例(99.6%)に副作用が認められ、主な副作用は、下痢218例(95.2%)、発疹141例(61.6%)、爪囲炎130例(56.8%)等であった。(承認時)
化学療法既治療の非小細胞肺癌患者を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験の第Ⅱ相部分において、安全性評価対象62例中全例(100.0%)に副作用が認められ、主な副作用は、下痢62例(100.0%)、発疹52例(83.9%)、爪囲炎42例(67.7%)、口内炎40例(64.5%)等であった。(承認時)

(1)重大な副作用

  1. 1)間質性肺疾患(3.1%):間質性肺疾患(間質性肺炎、肺浸潤、肺臓炎、急性呼吸窮迫症候群、アレルギー性胞隔炎等)があらわれることがあり、死亡に至った症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。
  2. 2)重度の下痢(27.3%):重度の下痢があらわれることがある。また、重度の下痢に伴って脱水症状をきたし、急性腎不全に至った症例も報告されているので、患者の状態を十分に観察し、止瀉薬(ロペラミド等)の投与、補液等の適切な処置を行うとともに、本剤の休薬・減量又は投与中止を考慮すること。
  3. 3)重度の皮膚障害(22.7%):重度の発疹、ざ瘡等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬・減量等の適切な処置を行うこと。なお、必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること。
  4. 4)肝不全(頻度不明注5))、肝機能障害(6.3%):ALT(GPT)、AST(GOT)、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあり、肝不全により死亡に至った症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の休薬・減量又は投与中止など、適切な処置を行うこと。
  5. 5)心障害(0.8%):左室駆出率低下があらわれ、心不全等の重篤な心障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
  6. 6)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(頻度不明注5)):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑等の重篤な水疱性・剥脱性の皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
  7. 7)消化管潰瘍、消化管出血(頻度不明注5)):消化管潰瘍、消化管出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、内視鏡、腹部X線、CT等の必要な検査を行い、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
  8. 8)急性膵炎(頻度不明注5)):急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ値の上昇等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用

  10%以上、又は頻度不明 1%以上、10%未満 1%未満
皮膚及び皮下組織障害注6) 全身性発疹・斑状丘疹性及び紅斑性皮疹(88.3%)、爪囲炎(74.2%)、皮膚乾燥(38.3%)、ざ瘡(19.5%)、そう痒症(10.9%) 爪の障害、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚剥脱、皮膚亀裂、ざ瘡様皮膚炎、ひび・あかぎれ、過角化、嵌入爪、色素沈着障害、皮膚色素過剰、皮膚潰瘍、脱毛症、多毛症 膿痂疹、脂漏性皮膚炎、紅斑、後天性魚鱗癬
筋骨格系及び結合組織障害   筋痙縮 背部痛、筋力低下、肋骨痛、肩痛、筋肉痛、シェーグレン症候群、開口障害
神経系障害 味覚異常(16.4%) 頭痛、感覚鈍麻 振戦、末梢性感覚ニューロパチー
眼障害注7) 結膜炎(14.8%) 角膜炎、眼乾燥、眼脂、白内障、眼瞼炎、睫毛乱生 硝子体剥離、結膜出血、角膜びらん、後天性涙腺炎、眼痛、眼瞼障害、虹彩毛様体炎、網膜変性、霧視
耳及び迷路障害     耳鳴
精神障害   不眠症 不安、激越
胃腸障害 下痢(98.4%)、口内炎(71.1%)、悪心(28.9%)、口唇炎(26.6%)、嘔吐(20.3%) 舌炎、歯肉炎、口唇症、口内乾燥、胃炎、腹部膨満、上腹部痛、腹痛、消化不良、肛門周囲痛、肛門の炎症、痔核 口唇乾燥、口唇腫脹、食道炎、腹部不快感、心窩部不快感、腸炎、小腸炎、大腸炎、肛門周囲炎、便秘
生殖系及び乳房障害     萎縮性外陰腟炎
代謝及び栄養障害 食欲減退(46.9%) 脱水、低カリウム血症、高尿酸血症 低ナトリウム血症
心臓障害     上室性期外収縮
血管障害   高血圧 低血圧、ほてり、血栓症
呼吸器、胸郭及び縦隔障害 鼻出血(23.4%)、鼻の炎症(14.1%) 発声障害、鼻漏、しゃっくり、口腔咽頭不快感 鼻閉、鼻乾燥、口腔咽頭痛、湿性咳嗽
腎及び尿路障害 腎機能障害注5) 蛋白尿、尿中血陽性 排尿困難、血尿
感染症及び寄生虫症   膀胱炎、蜂巣炎、毛包炎、感染症(皮膚、尿路、鼻、咽頭、気管支、耳、爪)、真菌感染症(皮膚、足部) ウイルス感染、帯状疱疹、鼓膜炎、敗血症
血液及びリンパ系障害   白血球減少症、リンパ球減少症、好中球減少症、好酸球増加症、貧血 鉄欠乏性貧血
一般・全身障害及び投与部位の状態 疲労(25.0%)、粘膜の炎症(20.3%) 発熱、倦怠感、浮腫、末梢性浮腫、粘膜乾燥、粘膜障害 胸部不快感、悪寒、顔面浮腫、炎症
臨床検査 体重減少(25.8%)、肝機能検査値異常(AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等)(11.7%) 血中クレアチニン増加、総蛋白減少、尿中白血球陽性、CK(CPK)上昇、血中ビリルビン増加、血中乳酸脱水素酵素増加、血中尿素増加、血中アルブミン減少 アミラーゼ増加、トロポニンT増加、血中アルカリホスファターゼ増加、CK(CPK)-MB上昇、心電図T波逆転
傷害、中毒及び処置合併     挫傷、創し開
  • 非小細胞肺癌患者を対象とする臨床試験において日本人患者に認められた発現頻度に基づいて記載した。
  • 注5)海外臨床試験にて報告された副作用あるいは国内自発報告であるため頻度不明
  • 注6)必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること。
  • 注7)眼に異常があらわれた場合には、直ちに眼科的検査を行うなど適切な処置を行うこと。

3.ジオトリフの副作用発現時期

副作用の種類や発現しやすい時期に備えて、早期発見、早期対応と副作用の重症化をぜひ予防ください。

最初にあらわれやすい時期の目安

4.副作用発現件数一覧(集計期間:承認時~2018年12月31日)

集計期間に弊社安全性情報データベースに登録した副作用(本剤との関連性が否定されていない事象)報告件数の一覧を掲載しております。掲載データは更新時点の情報をご提供することとしているため,評価が終了していない症例を含んでおります。各症例の調査終了後に掲載内容に変更が生じることがございますことをご了承ください。

5.重篤な副作用一覧(集計期間:承認時~2018年12月31日)

集計期間中に弊社安全性情報データベースに登録した副作用報告のうち,報告者及び企業の判定に基づいた重篤な副作用の一覧を掲載しております。掲載データは更新時点の情報をご提供することとしているため,評価が終了していない症例を含んでおります。各症例の調査終了後に掲載内容に変更が生じることがございますことをご了承ください。

6.ジオトリフの副作用マネジメント

肺がん患者さんのQOL向上のための下痢、口内炎、皮膚障害、爪囲炎といった副作用マネジメント方法を、ぜひお役立てください。

ジオトリフの副作用マネジメント方法を見る