ジオトリフの試験データ

ジオトリフ(一般名:アファチニブマレイン酸塩)の有効性・安全性の根拠となる試験データをご紹介します。患者さんの個々のニーズに合った治療法決定のために、ぜひお役立てください。

1.LUX-lung7について

試験デザイン

目的:
EGFR遺伝子変異陽性の一次治療におけるジオトリフとゲフィチニブの有効性および安全性を比較すること
対象:
EGFR-TKIを含む化学療法未治療でEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌患者319例
方法:
対象をジオトリフ®群(40mg/日を連日経口投与)あるいはゲフィチニブ群(250mg/日を連日経口投与)にランダムに割付け、有効性および安全性を比較した
評価項目:
主要評価項目…PFS、TTF、OS
副次評価項目…奏効率、奏効までの期間、奏効期間、DCR、病勢コントロール期間、腫瘍縮小効果、健康関連の生活の質
解析計画:
事前に計画されたサブグループ解析として、EGFR遺伝子変異タイプ、脳転移、ECOG PS、性別、年齢、人種、喫煙歴による層別解析を実施した
安全性:
副作用発現率はジオトリフ®群97.5%(156/160例)、ゲフィチニブ群96.2%(153/159例)、Grade 3以上の副作用はジオトリフ®群31.3%(50/160例)、ゲフィチニブ群19.5%(31/159例)であった。
結果:
対照薬群と比べ、アファチニブ群は以下を改善しました。
- PFS(ハザード比=0.73、95%信頼区間0.57~0.95、p=0.0165、中央値11.0ヵ月[アファチニブ群]vs 10.9ヵ月[対照薬群])
- 治療成功期間(ハザード比=0.73、95%信頼区間0.58~0.92、p=0.0073、中央値13.7ヵ月[アファチニブ群]vs 11.5ヵ月[対照薬群])
- 客観的奏効率(ORR)(70% vs 56%、p=0.0083)
  • 14) Park K, et al. Lancet Oncol 2016:17(5):577-89
    ※本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された

LUX-Lung7の試験内容・結果について詳しく見る

2.LUX-Lung 3および6の統合解析について

試験デザイン

目的:
2つの非盲検ランダム化第Ⅲ相試験を基に、EGFR遺伝子変異陽性肺腺癌患者に対するジオトリフ®のOS延長効果を試験ごと、および統合解析(事後解析)として検討する。
対象:
LUX-Lung 3または6に参加した、化学療法未治療かつEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌患者709例
方法:
両試験におけるジオトリフ®群(40mg/日を連日経口投与)と化学療法群(PEM+CDDPまたはGEM+CDDP)の有効性および安全性について、統合解析を実施した。
評価項目:
OS
解析計画:
試験ごとのOSについて、事前に規定したサブグループ解析として、性別、年齢、EGFR遺伝子変異別などで検討し、さらに正確な値を評価するため、2つの試験の患者データを統合してOSの探索的な事後解析を実施した。
副作用:
主なGrade 3/4の副作用として、LUX-Lung 3のジオトリフ®群では発疹/ざ瘡16%、下痢14%、爪囲炎11%、PEM+CDDP群では好中球減少症18%、疲労13%、白血球減少症8%が認められた。
LUX-Lung 6のジオトリフ®群では発疹/ざ瘡15%、下痢5%、口内炎/粘膜炎5%、GEM+CDDP群では好中球減少症27%、嘔吐19%、白血球減少症15%が認められた。
  • 4) Yang JC, et al. Lancet Oncol 2015:16(2):141-151
    ※本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された

LUX-Lung 3および6の統合解析の試験内容・結果について詳しく見る

3.LUX-Lung6について

試験デザイン

目的:
EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者の一次治療におけるジオトリフ®とGEM+CDDP併用化学療法の有効性および安全性を比較すること
対象:
EGFR-TKIを含む化学療法未治療でEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者364例
方法:
対象をジオトリフ®群(40mg/日を連日経口投与)またはGEM+CDDP群(GEM 1,000 mg/m2[day1,8]、CDDP 75mg/m2[day1]を3週毎投与、最大6コース)にランダムに割付け、有効性および安全性を比較した
評価項目:
主要評価項目…独立判定委員会の評価によるPFS
副次評価項目…OS、ORR、DCR、奏効期間、健康関連QoLなど
解析計画:
事前に計画されたサブグループ解析として、年齢、性別、EGFR遺伝子変異型、ECOG PS、喫煙歴による層別解析を実施した
安全性:
副作用発現率はジオトリフ®群98.7%(236/239例)、PEM+CDDP群99.1%(112/113例)、Grade 3以上の副作用はジオトリフ®群36.0%(86/239例)、PEM+CDDP群60.2%(68/113例)であった
  • 2)Wu YL, et al. Lancet Oncol 2014:15(2):213-22
    ※本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された

4.LUX-Lung3について

試験デザイン

目的:
EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者の一次治療におけるジオトリフ®とPEM+CDDP併用化学療法の有効性および安全性を比較すること
対象:
EGFR-TKIを含む化学療法未治療でEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者345例
方法:
対象をジオトリフ®群(40mg/日を連日経口投与)またはPEM+CDDP群(PEM 500 mg/m2[day1]、CDDP 75mg/m2[day1]を3週毎投与、最大6コース)にランダムに割付け、有効性および安全性を比較した
評価項目:
主要評価項目…独立判定委員会の評価によるPFS
副次評価項目…OS、ORR、DCR、奏効期間、健康関連QoLなど
解析計画:
事前に計画されたサブグループ解析として、性別、年齢、ECOG PS、EGFR遺伝子変異型、喫煙歴、人種、日本人による層別解析を実施した
安全性:
副作用発現率はジオトリフ®群99.6%(228/229例)、PEM+CDDP群95.5%(106/111例)であった。Grade 3以上で発現率10%以上の副作用として、ジオトリフ®群では、発疹/ざ瘡(16.2%)、下痢(14.4%)、爪の異常(11.8%)、PEM+CDDP群では、好中球減少症(18.0%)、疲労(12.6%)が認められた。
  • 1)Sequist LV, et al. J Clin Oncol 2013:31(27):3327-3334
  • ※本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された
  • 3) ジオトリフ® (アファチニブ)製品概要、2014.

5-1.EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者におけるジオトリフとオシメルチニブのシークエンス治療観察研究:GioTag update研究について

研究デザイン:
国際多施設共同後ろ向き観察研究(日本を含む10ヵ国の患者が対象)
目的:
EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者で、ジオトリフによる一次治療後にT790M変異を獲得し、オシメルチニブを投与した患者204例における、ジオトリフとオシメルチニブシークエンス治療のリアルワールドでの治療期間を評価した。
対象・
方法:
  • EGFR遺伝子変異陽性(Del 19/L858R)の進行非小細胞肺癌(NSCLC)
  • 18歳以上
  • 一次治療としてジオトリフを投与後、T790M変異を獲得し、二次治療としてオシメルチニブをデータエントリー日より10ヶ月以上前に投与
  • 対象患者数:204例(参加施設の診療録:38% 米国のCardinal Healthから提供された電子医療情報:62%)
  • 2018年の5月時点のデータに基づいて解析
評価項目:
[主要評価項目]患者ジオトリフ初回投与からオシメルチニブの最終投与または死亡までの期間: Time on treatment
[副次評価項目]オシメルチニブによる治療後の耐性獲得メカニズムのタイプと割合
解析計画:
  • 既報よりジオトリフのPFSは13~14ヵ月、オシメルチニブのPFSは10~13ヵ月と仮定し、治療期間中央値はおよそ24ヵ月と想定した
  • 10ヵ月以下の治療期間中央値の90%CIを80%の可能性で観察するための必要患者数は171例で、10%の打ち切りを想定し、サンプルサイズ190例とした
  • 治療期間と全生存期間(OS)はKaplan-Meier法を用い、治療継続中の患者については、データ収集日を打ち切りとした
  • ベースラインの症状、人口学的分析、ジオトリフ・オシメルチニブの投与量変更については、記述的分析を行った
  • 患者背景別のサブグループ解析を行った
安全性:
論文に記載なし
本研究の限界:
  • 一次治療(ジオトリフ)投与後に死亡した患者や、二次治療(オシメルチニブ)が不適格または望まない患者は除外された
  • データ収集期間(2017年12月28日~2018年5月31日)とジオトリフが承認・保険償還されたタイミング(研究参加国では2013年~2014年)の関係で、本研究ではオシメルチニブが10か月以上前に投与開始されていることから、ジオトリフの長期投与患者は研究対象とならなかった
  • 比較群が無いことにより、結果の解釈に限界がある

5-2.EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者におけるジオトリフとオシメルチニブのシークエンス治療観察研究 GioTag update研究(中間解析)について

研究デザイン:
国際多施設共同後ろ向き観察研究(日本を含む10ヵ国の患者が対象)
目的:
GioTag研究について、全生存期間(OS)および治療成功期間(TTF)を新たに解析した。
対象・
方法:
  • 対象患者数203例(GioTag研究の対象患者のうちデータ不整合のある1例を除外)
  • 参加施設の診療録:77名(38%) 米国のCardinal Healthから提供された電子医療情報:126例(62%)
  • 2019年の4月時点で新たに解析
評価項目:
[主要評価項目]ジオトリフ初回投与からオシメルチニブの最終投与または死亡までの期間:治療成功期間 (Time to treatment failure:TTF)
[探索的評価項目] 全生存期間(OS)
解析計画:
  • 中間解析では、米国の電子医療情報が利用可能な94例から最新のデータが提供された
  • TTFとOSはKaplan-Meier法を用い、治療継続中の患者については、TTFはデータ収集日を打ち切りとした
  • 事前に規定されたジオトリフの開始用量40mgの患者集団における部分集団解析も実施した
安全性:
論文に記載なし
本研究の限界:
  • 一次治療(ジオトリフ)投与後に死亡した患者や、二次治療(オシメルチニブ)が不適格または治療を望まない患者は除外された
  • データ収集期間(2017年12月28日~2018年5月31日)とジオトリフが承認・保険償還されたタイミング(研究参加国では2013年~2014年)の関係で、本研究ではオシメルチニブが10か月以上前に投与開始されていることから、ジオトリフの長期投与患者は研究対象とならなかった
  • 比較群が無いことにより、結果の解釈に限界がある

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