ミカルディス 論文・ニュース高血圧論文 Pick Up

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2017年11月更新

透析装置以外で測定した収縮期血圧は線形に心血管イベントリスクと関連、透析装置で測定した場合より適切な指標となり得る

Blood Pressure and Risk of Cardiovascular Events in Patients on Chronic Hemodialysis: The CRIC Study (Chronic Renal Insufficiency Cohort).

Bansal N, McCulloch CE, Lin F, Alper A, Anderson AH, Cuevas M, Go AS, Kallem R, Kusek JW, Lora CM, Lustigova E, Ojo A, Rahman M, Robinson-Cohen C, Townsend RR, Wright J, Xie D, Hsu CY; CRIC Study Investigators.
Hypertension. 2017 Aug;70(2):435-443.

血液透析患者383例をプロスペクティブに追跡し、収縮期血圧(SBP)と心血管イベントリスクの関連性を検討。SBPを透析装置で測定した場合、関連性はU字型を示し、SBP 150~170mmHgでリスクが最も低かった。一方、SBPを透析装置以外で測定した場合、関連性は線形で、SBP≧128mmHg群の心血管イベントリスクはSBP≦112mmHg群に比べて2倍高かった。

85歳以上の高齢者では降圧薬の服薬アドヒアランスが高い群で心血管イベントのリスクが低い

Protective effects of antihypertensive treatment in patients aged 85 years or older.

Corrao G, Rea F, Monzio Compagnoni M, Merlino L, Mancia G.
J Hypertens. 2017 Jul;35(7):1432-1441.

イタリアのロンバルディ州の全住民データベースを用いて、2007~2009年に降圧治療を開始した85歳以上の高齢者のうち、2012年までに脳卒中・心筋梗塞・心不全による死亡・退院が記録された疾患例とマッチングされた対照例(疾患例1例に対し5例)を選び、解析対象とした。対象を服薬アドヒアランス良好群と不良群に分けて転帰を比較検討したところ、良好群では不良群に比べて死亡リスクが47%、複合心血管イベントリスクは34%低かった。

妊娠第一期、第二期には家庭血圧135/85mmHg未満でも高血圧の可能性がある

Provisional criteria for the diagnosis of hypertension in pregnancy using home blood pressure measurements.

Mikami Y, Takai Y, Era S, Ono Y, Saitoh M, Baba K, Suzuki H, Seki H.
Hypertens Res. 2017 Jul;40(7):679-684.

家庭血圧による高血圧の診断基準は135/85mmHg以上だが、妊娠高血圧を管理するための家庭血圧の基準はない。そこで、妊娠女性100例を対象に毎日2回の家庭血圧測定、受診時の診察室血圧測定を行い、両者の相関を検討。その結果、診察室血圧140/90mmHgに相当する家庭血圧値は、妊娠第一期では120.8/83.5 mm Hg、妊娠第二期では126.0/85.2 mm Hg、妊娠第三期では136.3/89.3 mm Hgであることが示された。

Na高含有薬剤の服用により心血管イベントリスクは高まる可能性がある

Cardiovascular risk associated with high sodium-containing drugs: A systematic review.

Perrin G, Korb-Savoldelli V, Karras A, Danchin N, Durieux P, Sabatier B.
PLoS One. 2017 Jul 6;12(7):e0180634. doi: 10.1371/journal.pone.0180634. eCollection 2017.

MEDLINEなどの医学文献データベースを用いて、高Na含有製剤の服用と心血管イベントリスクについて検討。解析した8論文中の4つにおいて、高Na含有製剤の短期投与による血圧変動が報告され、Na摂取量1,656mg/日による血圧上昇を指摘する論文もあった。また2論文では、合併症(特に糖尿病、高血圧)を保有する患者において、長期投与薬剤のNa含有が1,500mg/日を上回る場合は、医原性の心血管イベントリスクとなると指摘した。

2017年10月更新

高齢高血圧患者の重篤な転倒外傷にはフレイルが関連、血圧や降圧薬クラス数は関連せず

Blood Pressure, Antihypertensive Polypharmacy, Frailty, and Risk for Serious Fall Injuries Among Older Treated Adults With Hypertension.

Bromfield SG, Ngameni CA, Colantonio LD, Bowling CB, Shimbo D, Reynolds K, Safford MM, Banach M, Toth PP, Muntner P.
Hypertension. 2017 Aug;70(2):259-266.

65歳以上、降圧薬服用中の高齢高血圧患者5,236例を中央値6.4年間追跡し、重篤な転倒外傷のリスク因子を検討。その結果、観察開始時のフレイルの指標[BMI低値(18.5kg/m2未満)、認知機能障害、うつ症状(CES-D 4点以上)、自己申告による疲労感、運動能低下、転倒歴]の保有項目数が多いほど、また、2項目以上当てはまると重篤な転倒外傷リスクは上昇したが、観察開始時の血圧や服用している降圧薬のクラス数は重篤な転倒外傷との関連性を示さなかった。

有酸素運動は非管理下で行っても血圧は低下したが、握力運動では血圧は低下しない

Aerobic versus isometric handgrip exercise in hypertension: a randomized controlled trial.

Pagonas N, Vlatsas S, Bauer F, Seibert FS, Zidek W, Babel N, Schlattmann P, Westhoff TH.
J Hypertens. 2017 Nov;35(11):2199-2206.

高血圧患者75例を対象に12週間の握力運動または有酸素運動が血圧に及ぼす影響を検討。握力運動は週に5回、握力計を用いて最大握力の30%を2分間維持する運動を片腕2回ずつ行った。また、最大握力の5%で同様の握力運動を行う群を対照群とした。有酸素運動は30分間の運動を週に3~5回行った。
その結果、有酸素運動群では24時間収縮期血圧、診察室血圧ならびに血管抵抗が低下したが、握力運動群や対照群では血圧の低下が認められなかった。また、PWVには各群で変化は認められなかった。

尿中Na/K比は、早朝に高く昼間に低い日内変動性を示す

Diurnal variation of urinary sodium-to-potassium ratio in free-living Japanese individuals.

Iwahori T, Ueshima H, Torii S, Saito Y, Kondo K, Tanaka-Mizuno S, Arima H, Miura K.
Hypertens Res. 2017 Jul;40(7):658-664.

Na/K比の高値は、血圧上昇や心血管疾患リスクに関連する。日本人の正常血圧または高血圧患者122例から日常生活中に採取した尿13,277検体のNa/K比を測定し、日内変動を検討した。尿中Na/K比は早朝に高く(4.1~5.0)、昼間に低く(3.3~3.8)、夜間に向けて高まる(4.0~4.4)ことが示された。このNa/K比の日内変動は高血圧や降圧薬使用の有無、年齢、性別にかかわらず一貫して認められた。

拡張期血圧変動性は起立性調節障害の重症度と関連する

Association of blood pressure variability with orthostatic intolerance symptoms.

Sunwoo JS, Yang TW, Kim DY, Lim JA, Kim TJ, Byun JI, Moon J, Lee ST, Jung KH, Park KI, Jung KY, Kim M, Lee SK, Chu K.
PLoS One. 2017 Jun 7;12(6):e0179132. doi: 10.1371/journal.pone.0179132. eCollection 2017.

起立性調節障害患者103例を対象に、血圧変動性が起立性調節障害に及ぼす影響を検討。起立性調節障害は自己記入式の質問票を用いて評価し、血圧変動性は自由行動下血圧モニタリングを用いて得た血圧値の標準偏差および変動係数を指標とした。標準偏差より変動係数が起立性調節障害との関連が強かった。多変量解析の結果、拡張期血圧変動性と喫煙が、起立性調節障害の重症度スコアと有意に関連することが示された。

2017年9月更新

服用する降圧薬の種類の多さは服薬アドヒアランス不良のリスク因子

Risk Factors for Nonadherence to Antihypertensive Treatment.

Gupta P, Patel P, Štrauch B, Lai FY, Akbarov A, Marešová V, White CMJ, Petrák O, Gulsin GS, Patel V, Rosa J, Cole R, Zelinka T, Holaj R, Kinnell A, Smith PR, Thompson JR, Squire I, Widimský J Jr, Samani NJ, Williams B, Tomaszewski M.
Hypertension. 2017 Jun;69(6):1113-1120.

英国とチェコの高血圧患者1,348例を対象に、尿中および血中の薬剤濃度から服薬アドヒアランスを推定し、患者背景や治療法との関連性を検討。その結果、降圧薬の服薬アドヒアランス不良率は英国41.6%、チェコ31.5%で、両集団ともに若年者、女性で高かった。また、降圧薬の種類が増加するほど服薬アドヒアランス不良率は上昇した。5つのクラスの降圧薬の中では、利尿薬の服薬アドヒアランス不良率が最も高かった。

2型糖尿病患者の収縮期血圧受診間変動性は大血管障害と早期死亡の予測因子

Prognostic Value of Variability in Systolic Blood Pressure Related to Vascular Events and Premature Death in Type 2 Diabetes Mellitus: The ADVANCE-ON Study.

Ohkuma T, Woodward M, Jun M, Muntner P, Hata J, Colagiuri S, Harrap S, Mancia G, Poulter N, Williams B, Rothwell P, Chalmers J; ADVANCE Collaborative Group.
Hypertension. 2017 Aug;70(2):461-468.

2型糖尿病患者を対象としたADVANCE試験とその追跡研究ADVANCE-ON試験のデータから、最初の24ヵ月間に大血管障害、腎イベント、全死亡の発生がなかった9,114例を対象に、同期間の収縮期血圧受診間変動性(標準偏差)と転帰との関連性を検討(追跡期間中央値: 7.6年)。その結果、収縮期血圧受診間変動性の最も大きい十分位群では最も小さい十分位群に比べて大血管障害、全死亡リスクが有意に高いことが示された。

収縮期血圧の受診間変動性は平均値とは独立した心血管疾患のリスク因子

Visit-to-visit SBP variability and cardiovascular disease in a multiethnic primary care setting: 10-year retrospective cohort study.

Chia YC, Ching SM, Lim HM.
J Hypertens. 2017 May;35 Suppl 1:S50-S56. doi: 10.1097/HJH.0000000000001333.

マレーシアの高血圧患者807例の10年以上にわたる医療記録を基に、3ヵ月毎に測定した収縮期血圧の受診間変動性と心血管疾患との関連性を検討。10年間の収縮期血圧の受診間変動性は14.7 ± 3.5mmHg、平均値は142 ± 8 mmHgで、対象の13%が心血管疾患を発症した。解析の結果、収縮期血圧の受診間変動性は心血管疾患の独立した予測因子であり、収縮期血圧の平均値が低値であっても受診間変動性が大きい場合、心血管疾患リスクは上昇することが示された。

治療抵抗性高血圧の日本人患者は米国人患者と比べてモーニングサージ等を含む血圧日内変動性が大きい

Differences in Dynamic Diurnal Blood Pressure Variability Between Japanese and American Treatment-Resistant Hypertensive Populations.

Kario K, Bhatt DL, Brar S, Bakris GL.
Circ J. 2017 Aug 25;81(9):1337-1345.

治療抵抗性高血圧の日本人患者(41例)、米国の白人患者(384例)、アフリカ系米国人患者(140例)を対象に24時間血圧変動性の特徴を比較検討。その結果、日本人患者では白人患者、アフリカ系米国人患者に比べて、早朝収縮期血圧ピーク値(183mmHg、169mmHg、169mmHg)、早朝収縮期血圧上昇度(37.9mmHg、28.6mmHg、24.2mmHg)、夜間収縮期血圧上昇度(24.9 mmHg、8.3mmHg、7.7mmHg)のいずれも有意に大きいことが示された。

2017年8月更新

PM2.5への長期曝露は高血圧のリスク因子

Long-Term Effects of Ambient PM2.5 on Hypertension and Blood Pressure and Attributable Risk Among Older Chinese Adults.

Lin H, Guo Y, Zheng Y, Di Q, Liu T, Xiao J, Li X, Zeng W, Cummings-Vaughn LA, Howard SW, Vaughn MG, Qian ZM, Ma W, Wu F.
Hypertension. 2017 May;69(5):806-812.

50歳以上の中国人一般住民12,665名を対象にPM2.5への曝露量と高血圧との関連性を検討。各地域のPM2.5曝露量は衛星データから推定した。その結果、大気中のPM2.5が10 μg/m3増加する毎に高血圧の頻度は14%ずつ上昇した。また、PM2.5と高血圧の関連性は過体重例や肥満例では強まり、果物摂取量が多いと弱まることも示された。

高血圧患者の左右腕の収縮期血圧には違いがあり、受診間で変動する

Between-visit reproducibility of inter-arm systolic blood pressure differences in treated hypertensive patients: the coconet study.

Kim JY, Kim EJ, Namgung J, Cho BR, Nam CW, Kim YK, Park JB.
Hypertens Res. 2017 May;40(5):483-486.

近年、左右腕の収縮期血圧の違い(sIAD)は心血管死のリスク因子であることが分かってきた。本研究では高血圧患者1,875例を対象に、受診間のsIADの再現性を評価。sIAD高値(10mmHg以上)の症例の割合はベースライン時7.6%、3ヵ月後7.1%と同程度であったが、同一患者におけるsIADの再現性は乏しく、sIADは受診間で変動することが示された。

厳格な降圧によって左室肥大が抑制される(SPRINT試験サブ解析)

Effect of Intensive Blood Pressure Lowering on Left Ventricular Hypertrophy in Patients with Hypertension: The Systolic Blood Pressure Intervention (SPRINT) Trial.

Soliman EZ, Ambrosius WT, Cushman WC, Zhang ZM, Bates JT, Neyra JA, Carson TY, Tamariz L, Ghazi L, Cho ME, Shapiro BP, He J, Fine LJ, Lewis CE; SPRINT Research Study Group.
Circulation. 2017 Aug 1;136(5):440-450.

SPRINT試験のサブ解析。糖尿病を合併していない高血圧患者8,164例を対象に、厳格な降圧が左室肥大リスクに及ぼす影響を検討。その結果、厳格降圧群(降圧目標120mmHg未満)は標準降圧群(降圧目標140mmHg未満)に比べて、左室肥大のない患者群では左室肥大の新規発症が抑制され、左室肥大のある患者群では左室肥大が退縮することが示された。

家庭血圧値は高齢者の認知機能低下の予測因子として優れる

"Do it-yourself": Home blood pressure as a predictor of traditional and everyday cognition in older adults.

Yeung SE, Loken Thornton W.
PLoS One. 2017 May 17;12(5):e0177424. doi: 10.1371/journal.pone.0177424. eCollection 2017.

本研究では、カナダの多民族地域における60歳以上の住民133名を対象に、家庭血圧値が認知機能に及ぼす影響を検討。家庭収縮期血圧および脈圧が高値の患者は処理速度、実行機能、日常で遭遇する問題に対する解決能力(日常認知機能)が低下しており、家庭拡張期血圧が低値の患者では日常認知機能が低下していた。なお、診察室血圧が関連したのは日常認知機能のみであった。

2017年7月更新

脳卒中一次予防の至適収縮期血圧は120~130mmHg

Optimal Systolic Blood Pressure Levels for Primary Prevention of Stroke in General Hypertensive Adults: Findings From the CSPPT (China Stroke Primary Prevention Trial).

Fan F, Yuan Z, Qin X, Li J, Zhang Y, Li Y, Yu T, Ji M, Ge J, Zheng M, Yang X, Bao H, Cheng X, Gu D, Zhao D, Wang J, Sun N, Chen Y, Wang H, Wang X, Parati G, Hou F, Xu X, Wang X, Zhao G, Huo Y.
Hypertension. 2017 Apr;69(4):697-704.

中国の心血管疾患、糖尿病、腎機能障害のない成人高血圧患者17,720例を中央値4.5年追跡し、収縮期血圧と脳卒中発症リスクの関連を検討。その結果、収縮期血圧と初発の脳卒中発症リスクにはU字カーブの関係が認められた。収縮期血圧120~130mmHgの群と比較して、130~135mmHg、135~140mmHgの群だけでなく、120mmHg未満の群においても脳卒中発症リスクは高かった。脳卒中一次予防の至適収縮期血圧は120~130mmHgであることが示された。

未治療の白衣高血圧は長期の心血管疾患、死亡リスクが高い

White-coat hypertension is a risk factor for cardiovascular diseases and total mortality.

Huang Y, Huang W, Mai W, Cai X, An D, Liu Z, Huang H, Zeng J, Hu Y, Xu D.
J Hypertens. 2017 Apr;35(4):677-688.

コホート研究46件50,437例のデータを基に、白衣高血圧患者の心血管疾患、死亡リスクを降圧治療の有無別に検討。正常血圧者を対照に比較した結果、降圧治療が行われている白衣高血圧患者ではリスクの上昇が認められなかったが、未治療の白衣高血圧患者では心血管疾患リスクが38%、死亡リスクが20%上昇した。

中年期の血管リスク因子は脳のアミロイド沈着と関連する

Association Between Midlife Vascular Risk Factors and Estimated Brain Amyloid Deposition.

Gottesman RF, Schneider AL, Zhou Y, Coresh J, Green E, Gupta N, Knopman DS, Mintz A, Rahmim A, Sharrett AR, Wagenknecht LE, Wong DF, Mosley TH.
JAMA. 2017 Apr 11;317(14):1443-1450.

中年期(1987~1989年)に血管リスク因子を評価した認知症のない346名(平均年齢: 76歳)を対象に、血管リスク因子とPETで評価した脳アミロイド沈着との関連性を検討した前向きコホート研究。中年期に血管リスク因子(BMI≧30、喫煙、高血圧、糖尿病、総コレステロール≧200mg/dL)を2つ以上持つ群ではリスク因子を持たない群と比べてアミロイド沈着量との関連が示されたが、高年期に血管リスク因子を2つ以上持つ群では同様の関連を示さなかった。

SPRINT試験の厳格降圧治療を全米で実施すると年間10万例の死亡を抑制できると推測される

Potential Deaths Averted and Serious Adverse Events Incurred From Adoption of the SPRINT (Systolic Blood Pressure Intervention Trial) Intensive Blood Pressure Regimen in the United States: Projections From NHANES (National Health and Nutrition Examination Survey).

Bress AP, Kramer H, Khatib R, Beddhu S, Cheung AK, Hess R, Bansal VK, Cao G, Yee J, Moran AE, Durazo-Arvizu R, Muntner P, Cooper RS.
Circulation. 2017 Apr 25;135(17):1617-1628.

SPRINT試験における厳格降圧治療の潜在的ベネフィットとリスクを定量化し、全米で高血圧患者を対象に同試験の厳格降圧治療を実施した場合の死亡数の減少、有害事象の発現について検討。その結果、厳格降圧により年間107,500例の死亡を予防できると推定される一方、有害事象も低血圧56,100例、失神34,400例、電解質異常43,400例、急性腎障害88,700例に上ると推定された。

2017年6月更新

腹囲-身長比は高血圧発症を予測する最良の身体計測マーカーである

Waist-to-height ratio is the best anthropometric predictor of hypertension: A population-based study with women from a state of northeast of Brazil.

Caminha TC, Ferreira HS, Costa NS, Nakano RP, Carvalho RE, Xavier AF Jr, Assunção ML.
Medicine (Baltimore). 2017 Jan;96(2):e5874.

メタボリックシンドロームは高血圧のリスクとして重要であるが、現状の診断は腹囲周囲の長さを体型の指標としている。本論文では高血圧発症を予測する最良の身体計測マーカーについて横断的研究をおこなった。ブラジル北東部の20~49歳の女性3,143名を対象に、BMI、腹囲、腹囲-腰囲比、腹囲-身長比、体脂肪率、円錐指数(※)をマーカーとして、それぞれの精度と最適なカットオフ値を検討した結果、腹囲-身長比のカットオフ値を0.54としたときが最も精度が高かった(AUC=0.72、感度67%、特異度66%)。

治療抵抗性高血圧患者の服薬アドヒアランスは著しく不良

Impact of Medication Adherence on the Effect of Renal Denervation: The SYMPATHY Trial.

de Jager RL, de Beus E, Beeftink MM, Sanders MF, Vonken EJ, Voskuil M, van Maarseveen EM, Bots ML, Blankestijn PJ; SYMPATHY Investigators.
Hypertension. 2017 Apr;69(4):678-684.

オランダの治療抵抗性高血圧患者139例を対象に、腎デナベーションと通常療法の昼間収縮期血圧低下効果を検討。降圧薬の服薬アドヒアランスは血中薬剤濃度を測定して客観的に評価したが、両群ともに著しく不良で、処方されていた約4剤のうち血液中から検出されたのは約2剤だった。両群の降圧効果に違いは認められなかったが、服薬アドヒアランスが安定している患者では腎デナベーション群で良好な傾向が認められた。

出産経験のある女性が将来的に高血圧となる妊娠因子を多変量モデルにより同定

Association of Pregnancy Complications and Characteristics With Future Risk of Elevated Blood Pressure: The Västerbotten Intervention Program.

Parikh NI, Norberg M, Ingelsson E, Cnattingius S, Vasan RS, Domellöf M, Jansson JH, Edstedt Bonamy AK.
Hypertension. 2017 Mar;69(3):475-483.

出産経験があり、妊娠高血圧症を発症しなかったスウェーデン人女性15,896名を対象に、妊娠に関係する因子と40歳時の血圧との関連を多変量モデルにより解析した。なお、対象のうち、40歳時に高血圧を発症していたのは9.6%だった。解析の結果、初産年齢が低い、子癇前症、妊娠期間32週未満、胎内発育不良、が40歳時の高血圧に関連する独立因子として同定された。

日本人の白衣高血圧患者では診察室血圧と家庭血圧の差が著しい

Blood pressure differences between office and home settings among Japanese normotensive subjects and hypertensive patients.

Mori H, Ukai H, Yamamoto H, Yuasa S, Suzuki Y, Chin K, Katsumata T, Umemura S.
Hypertens Res. 2017 Mar;40(3):277-283.

日本人の高血圧タイプ別に、診察室血圧と家庭血圧の差(診察室血圧-家庭血圧)を比較。高血圧学会ガイドラインで示されている収縮期血圧の診察室血圧と家庭血圧の差5 mmHgは持続性高血圧患者で再現された。しかし、正常血圧者、管理良好高血圧患者で、収縮期/拡張期が-1.1/-1.7 mmHg、-0.42/-2.2 mmHgと差は小さく、仮面、白衣高血圧患者では-15.3/-9.3 mmHg、23.7/8.2 mmHgと差は5 mmHgを超え、特に白衣高血圧患者で差は著しかった。

2017年5月更新

食塩摂取量と心血管疾患、死亡リスクの関連性に高血圧が及ぼす影響

Associations of urinary sodium excretion with cardiovascular events in individuals with and without hypertension: a pooled analysis of data from four studies.

Mente A, O'Donnell M, Rangarajan S, Dagenais G, Lear S, McQueen M, Diaz R, Avezum A, Lopez-Jaramillo P, Lanas F, Li W, Lu Y, Yi S, Rensheng L, Iqbal R, Mony P, Yusuf R, Yusoff K, Szuba A, Oguz A, Rosengren A, Bahonar A, Yusufali A, Schutte AE, Chifamba J, Mann JF, Anand SS, Teo K, Yusuf S; PURE, EPIDREAM and ONTARGET/TRANSCEND Investigators.
Lancet. 2016 Jul 30;388(10043):465-75.

前向き研究4件133,118例(高血圧患者63,559例を含む)のデータをプール解析し、尿中ナトリウム排泄量で評価した食塩摂取量と心血管疾患、死亡リスクの関連性を検討(追跡期間中央値: 4.2年)。高血圧患者では食塩摂取量が多いと心血管疾患、死亡リスクが高かったが、血圧正常者では関連性が認められなかった。

75歳以上の高齢者における厳格な降圧療法のベネフィット

Intensive vs Standard Blood Pressure Control and Cardiovascular Disease Outcomes in Adults Aged ≥75 Years: A Randomized Clinical Trial.

Williamson JD, Supiano MA, Applegate WB, Berlowitz DR, Campbell RC, Chertow GM, Fine LJ, Haley WE, Hawfield AT, Ix JH, Kitzman DW, Kostis JB, Krousel-Wood MA, Launer LJ, Oparil S, Rodriguez CJ, Roumie CL, Shorr RI, Sink KM, Wadley VG, Whelton PK, Whittle J, Woolard NF, Wright JT Jr, Pajewski NM; SPRINT Research Group.
JAMA. 2016 Jun 28;315(24):2673-82

標準的な降圧療法に対する厳格な降圧療法の心血管イベント抑制効果を検討したSPRINT試験の高齢者サブグループ解析(追跡期間中央値: 3.14年)。75歳以上の高齢高血圧患者2,636例(平均年齢79.9歳)においても厳格な降圧療法群では標準的な降圧療法群に比べて心血管イベントの発症リスクは34%、全死亡リスクは33%低下し、重篤な有害事象の発現率に群間差はなかった。

受診間血圧変動性が大きいと転帰不良

Association of Systolic Blood Pressure Variability With Mortality, Coronary Heart Disease, Stroke, and Renal Disease.

Gosmanova EO, Mikkelsen MK, Molnar MZ, Lu JL, Yessayan LT, Kalantar-Zadeh K, Kovesdy CP.
J Am Coll Cardiol. 2016 Sep 27;68(13):1375-86.

高血圧の有無を問わず、推算糸球体濾過量が正常の米国退役軍人で、外来収縮期血圧(SBP)デ ータが8回以上得られた2,865,157例を対象に、SBP受診間変動性(SBPV)が転帰に及ぼす影響を検討。対象を全SBPデータの標準偏差から四分位群に分けたところ、SBPVが大きいほど全死亡、冠動脈疾患、脳卒中、末期腎不全の発生リスクが高かった。

心血管イベントリスクを予測する家庭血圧変動性の閾値

Outcome-Driven Thresholds for Increased Home Blood Pressure Variability.

Juhanoja EP, Niiranen TJ, Johansson JK, Puukka PJ, Thijs L, Asayama K, Langén VL, Hozawa A, Aparicio LS, Ohkubo T, Tsuji I, Imai Y, Stergiou GS, Jula AM, Staessen JA; International Database on Home Blood Pressure in Relation to Cardiovascular Outcome (IDHOCO) Investigators.
Hypertension. 2017 Apr;69(4):599-607.

地域住民6,238例(平均年齢60歳)の家庭血圧を3~7日間測定し、心血管イベント発生を予測する家庭血圧日間変動性の閾値を検討。心血管死、心血管イベント発生率は家庭血圧日間変動性(標準偏差)の増加に伴って上昇し、変動性の最も大きい十分位群では特に高く、リスク上昇の閾値(変動係数)は収縮期血圧が11.0、拡張期血圧が12.8であった。

降圧療法と脳卒中二次予防の関連を検討したメタ解析

Blood Pressure Reduction and Secondary Stroke Prevention: A Systematic Review and Metaregression Analysis of Randomized Clinical Trials.

Katsanos AH, Filippatou A, Manios E, Deftereos S, Parissis J, Frogoudaki A, Vrettou AR, Ikonomidis I, Pikilidou M, Kargiotis O, Voumvourakis K, Alexandrov AW, Alexandrov AV, Tsivgoulis G.
Hypertension. 2017 Jan;69(1):171-179.

脳卒中患者を対象に降圧療法と脳卒中二次予防の関連をプラセボと比較検討したランダム化試験のメタ解析。降圧薬群ではプラセボ群に比べて脳卒中再発リスクが27%、脳卒中による死亡・障害リスクが29%、心血管死のリスクが15%低下した。収縮期血圧が低いほど脳卒中再発、心筋梗塞、全死亡、心血管死のリスクが低く、拡張期血圧が低いほど脳卒中再発、全死亡リスクが低かった。

高血圧のタイプと24時間血圧変動パターン

Short-term variability and nocturnal decline in ambulatory blood pressure in normotension, white-coat hypertension, masked hypertension and sustained hypertension: a population-based study of older individuals in Spain.

Gijón-Conde T, Graciani A, López-García E, Guallar-Castillón P, García-Esquinas E, Rodríguez-Artalejo F, Banegas JR.
Hypertens Res. 2017 Jun;40(6):613-619.

スペインの地域住民1,047例(年齢60歳以上)を対象に、24時間家庭血圧変動パターンを高血圧のタイプ別に検討。白衣高血圧は21.7%、仮面高血圧は7.0%、持続性高血圧は21.4%、正常血圧は49.9%を占めた。正常血圧群に比べて白衣高血圧群では24時間家庭血圧変動性が大きく、夜間血圧の低下量は最も大きかった。一方、仮面高血圧群では夜間血圧低下量が最も小さかった。

一般集団における塩分チェックシートの有用性

Comparison of a salt check sheet with 24-h urinary salt excretion measurement in local residents.

Yasutake K, Miyoshi E, Kajiyama T, Umeki Y, Misumi Y, Horita N, Murata Y, Ohe K, Enjoji M, Tsuchihashi T.
Hypertens Res. 2016 Dec;39(12):879-885.

日本の地域住民140例(平均年齢±SD: 52.7±19.6歳)を対象に、塩分チェックシート総スコアと24時間尿中食塩排泄量の関連性を検討。対象を塩分チェックシート総スコア(範囲0~22)から3群に層別したところ、24時間尿中食塩排泄量は低スコア群7.6g、中スコア群8.4g、高スコア群9.6gとなり、塩分チェックシート総スコアと有意な関連性が認められた。この結果は、塩分チェックシートが一般集団においても食塩摂取量の推定に有用であることを示唆するものである。