オフェブ 診療サポート医療費助成制度

ケース1 55歳男性、重症度Ⅱ度

・年収:約500万円
・健康保険:勤務先の健康保険
・自己負担割合:3割
・オフェブ150mg×2回/日を28日間処方され、医療費助成制度を活用しない場合の医療費の自己負担額は月約11万円(再診料や検査費は別途)

Q

医療費助成制度を活用し、
治療開始10ヵ月以降に高額かつ長期の申請を行い認定されると、
月々の自己負担額はいくらになるでしょうか?

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A

今回のケースでは月1万円となります。

IPF患者さんが受けられる主な医療費助成制度には、高額療養費制度、難病医療費助成制度があります(図1)。
IPF治療では、これらの制度を活用することで、治療中の経済的負担を減らせる可能性があります。

IPFは難病に指定されている「特発性間質性肺炎」のひとつです。特発性間質性肺炎の患者さんが、難病医療費助成制度を活用した医療費助成を受けるための認定基準を満たすには、まず特発性間質性肺炎として確実な診断を受けていることが前提条件です。
厚生労働省特定疾患認定基準に当てはまる特発性間質性肺炎は、図2に記載の項目を満たす必要があります。

自己負担額は、IPFの重症度によって異なります。IPFの重症度は、厚生労働省特定疾患認定基準による重症度分類判定表(図3)に従い判定します。

今回は、ケース1のように重症度Ⅱ度で、IPFと診断されオフェブ150mg×2回/日を28日間処方された場合を検討します。
この患者さんが医療費助成制度を活用しない場合の医療費は、月約11万円(再診料や検査費は別途)となります。

では、医療費助成制度を活用すると、自己負担額はいくらになるのでしょうか。
難病医療費助成の認定は、定められた①診断基準、②重症度基準に基づいて審査されます。原則として、上記の2つの基準の両方を満たした場合に認定されます。しかし、診断基準は満たすものの、重症度基準を満たさない(軽症)という場合もあります。指定難病の場合、軽症の患者さんでも高額な医療の継続が必要な方は、難病医療費助成の対象となり、このような患者さんの医療費の負担軽減を図る制度が「軽症高額」です。
また、高額な医療が長期的に継続する患者さんに対しては、階層区分が「一般所得」および「上位所得」の場合、自己負担額がさらに軽減されるように設定されています(高額かつ長期)。対象となるのは、指定難病についての月ごとの医療費総額が5万円(医療保険の2割負担の場合、自己負担額1万円)を超える月が12ヵ月の間に6回以上ある患者さんです。なお、高額かつ長期の適用を受けるには認定申請が必要です(図4)。

この患者さんは、治療開始から3ヵ月は、高額療養費制度が適用され、月約8万円までおさえることができます。さらに、4ヵ月目に難病医療費助成制度を申請し、軽症高額に認定されると、4~9ヵ月は月2万円になります。10ヵ月以降は、高額かつ長期の申請を行い、認定されると、月1万円まで自己負担額をおさえることができます。今回のケース1はこちらに該当します(図4)。

医療費助成制度の申請フローについて

図5は、医療費助成制度を活用するための申請フローです。

難病医療費助成制度を申請するために必要な書類には、図6のようなものがあります。
医師が記入する書類は、臨床調査個人票(診断書)です。診断書の記入は難病指定医が行います。
診断書は、Ⅰ~Ⅳ度のすべての患者さんに必要です。Ⅰ~Ⅱ度の患者さんのみ、領収書や診療報酬明細書などの、申請前12ヵ月間にIPFによる医療費総額が33,330円を超える月が3ヵ月以上あることを証明できる書類が必要です。

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社の『IPF(特発性肺線維症)の治療を受けている患者さんとそのご家族の方々向け総合情報サイト(IPF.jp)』では、オフェブを服用する患者さんが、難病医療費助成制度、高額療養費制度を活用した際の医療費自己負担額をシミュレーションできる計算ツールを公開しています(図7)。
「重症度」、「年齢」、「所得(標準報酬月額/市区町村民税)」の各項目を選択し、一番下にある「計算する」ボタンを押すと、オフェブ服用時の検査費、薬剤費等を含む医療費自己負担額(目安)が算出されますので、ぜひご活用ください。
https://ipf.jp/ofev/grant/tool/

コラム Ⅱ度の患者さんが、70歳以上で年収が200万円の場合は?

毎月受診し、受診ごとにオフェブ150mg×2回/日を28日間処方された場合、治療開始から3ヵ月は、高額療養費制度を活用すると自己負担額を月18,000円におさえることができます。さらに、4ヵ月目に難病医療費助成制度を申請し、軽症高額に認定されると、4~9ヵ月は月10,000円になります。10ヵ月以降は、高額かつ長期の申請を行い、認定されると、月5,000円までおさえることができます(図8)。

IPFでは、軽症の患者さんでも高額な医療の継続が必要な方は、難病医療費助成の対象になります。一人でも多く患者さんに高額な医療費や療養費が治療のバリアーにならないようにするため、医療費助成制度について正しく理解することが求められます。

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2019年9月作成

図1 難病医療費助成制度とは?高額療養費制度とは?

図2 厚生労働省特定疾患認定基準:特発性間質性肺炎

図3 IPF重症度分類

図4 自己負担額

図5 医療費助成制度の申請フロー

図6 申請書類

図7 医療費自己負担額シミュレーション計算ツール

図8 Ⅱ度の患者さんが70歳以上で年収が200万円の場合