プラザキサ 診療サポート 薬剤師インタビュー:
アドヒアランス向上の取り組み

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地域を守る医療の実現に向けての薬薬プロジェクト「ひたちなか健康ITネットワーク」

薬剤師の先生の取り組みをご紹介いたします。

Q4.勉強会について詳しく教えていただけますか。

関:
勉強会には、市内の保険薬局の9割以上が参加していますので、お互い顔の見える関係ができてきました。勉強会では検査の目的や検査値の読み方、異常値が出た場合の対応、処方に対するチェックポイント、症例検討などを行っています。特に今まで地域の保険薬局では対応しきれなかったがん領域についても力を入れており、レジメンの公開もしています。

検査データを基に自信を持って行うことができる服薬指導

Q5.「ひたちなか健康ITネットワーク」が服薬指導に役立っている点をお教えください。

関:

たとえば抗凝固薬のプラザキサを服用されている患者さんでは、腎機能を把握できるクレアチニンクリアランス(CCr)の値が服薬に際してもっとも注意を払わなければならない点です。ご承知のようにCCr 30mL/min未満の患者さんには高度な腎障害がありプラザキサは禁忌となりますし、またCCr 30mL/min―50mL/minの場合にも血中濃度の変動による危険性がありますから慎重投与が必要です。この「ひたちなか健康ITネットワーク」では、CCrを含めて病院で行った検査データを見ることができますから、保険薬局の先生方が自信を持って患者さんの服薬指導ができるということが大きな利点ではないでしょうか。

病院薬局ではさまざまなデータを基に併用禁忌薬が処方されていないかなどのチェックが行われていますが、このひたちなか健康ITネットを利用する事で病院薬剤師と同じように保険薬局でチェックが可能です。病院では退院指導時に、「ひたちなか健康ITネットワーク」を紹介し、退院後も良いアドヒアランスを持続できるように患者さんに対し指導しています。退院後は、保険薬局の先生方にバトンタッチして、検査データやそのほかのデータを見て、患者指導をしていただけるということになります。今後は退院後の外来診療患者さんに関わるときに入院中の治療や診断情報を的確に伝達出来るように、薬剤師の退院サマリーをこのシステムに加えることができるか、その内容を含め検討中です。

「ひたちなか健康ITネットワーク」により一歩進んだ治療にかかわる保険薬局

Q6.今後の展望についてお教えください。

関:

検査データを読むことが定着しますと、その推移を読んでもう一歩進んだ治療に地域の保険薬局の先生方が関わっていけるわけです。抗がん剤については地域の保険薬局の先生方からモニタリングレポートが上がってくるようになりました。残薬確認にもこれらが役立っていて、レポートに書かれている事柄が診療の折に反映されることになります。

また「ひたちなか健康ITネットワーク」に参加している保険薬局と院外処方疑義紹介のプロトコールを2014年11月に契約しています。形式的な疑義照会は事後報告で簡単にできるようになりました。このプロトコールはひたちなか総合病院が薬剤師会にアンケートをとり、協働して作成したもので、例えば「後発医薬品から後発医薬品への変更は疑義照会なし」、「処方日数10%以内の日数短縮は事後報告」など、実情に合った内容です。院外処方せん発行率97%、疑義照会4.9%ですから、疑義照会プロトコール作成は薬物治療のクオリティ向上のみならず、実務の効率化にもつながります。実際、2014年11月から導入した結果、月に約700件以上あった後発品の報告が約50件に激減しました。

形式的疑義照会を効率化し、新たに作り出された時間を使って、検査データを読んで患者さんへの対応に使っていくことができたらと考えています。そして薬薬連携だけにとどまらず、インターネットを使ったシステムを地域の医療・福祉関係者との情報共有に拡大していくことが課題ですね。

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