プラザキサ 診療サポート薬剤師レポート
ザ・プロフェッショナル ~私の服薬指導術~

第8回 アドヒアランス向上のために
アンケート調査やiPadを活用した服薬継続支援

薬剤師の先生の取り組みをご紹介いたします。

患者アンケート調査から見えてきた課題と対策

Q1.三重ハートセンターではプラザキサの服用状況や薬剤管理について患者アンケートを実施されたそうですが、そこから見えた課題や対策について教えてください。

三重ハートセンター薬局 薬剤師 梶間 勇樹 先生
三重ハートセンター薬局
薬剤師
梶間 勇樹先生
梶間:

プラザキサ服用中の患者さんが実際に経験していることをリアルタイムで聞き取り、服薬の効果やアドヒアランス改善につなげる情報を得るため、薬局が中心となって2013年に合計44名の方にアンケートを実施しました。
その結果、特に服薬時刻や服用時の水分量、薬剤の管理方法などで患者さんの実態がよくわかり、アドヒアランス向上の対策をとることができました。アンケート結果の概略は以下のようなものでした。

服用時刻

服用時刻は朝食時と夕食時が基本でしたが、中には朝夕の間隔が15時間以上あり、薬効の消失が心配されるケースがありました(2名)。プラザキサの半減期は健常者で10.7(110 mg)~11.8(150 mg)時間なので、あまり間隔があくと薬の効果が低下する可能性があることを患者さんに伝えて注意喚起をしています。

服用時の水分量

「コップ半分~1杯以上」の水でプラザキサを服用している方が25名と多かったのですが、「コップ半分以下」という回答も18名あり、100 ccも飲んでいないという方もおられました。これには理由があって、当院は循環器専門病院なので心不全の患者さんも多く、心臓の負担軽減のため水分摂取を控えている方もいるのです。そのため水分制限のある方には「コップ半分以上」を目安にしています。

薬剤の管理方法

ほとんどの方は「飲む直前に開封」していましたが、3名があらかじめヒートシートから出して保管していました。併用薬のある患者さんは飲み忘れを防ぐ長年の習慣で1週間分の薬を仕切箱に分けて保管していたそうです。プラザキサは「飲む直前」に開封することを新規処方時には必ず説明しているのですが、どうしても忘れてしまう方もいるので折をみて定期的に確認する大切さを再確認できました。

iPadを活用した服薬指導

Q2.服薬指導でiPadを活用されているそうですが、具体的な使用方法を教えていただけますか。

三重ハートセンター薬局 薬局長 高井 靖 先生
三重ハートセンター薬局
薬局長
高井 靖先生

高井:

不整脈という心臓の病気と脳梗塞という脳の病気がなぜつながるのかよくわからない、という患者さんがいます。その疑問はもっともだと思うのですが、心房細動と脳梗塞との関係がわからないと納得してプラザキサを飲んでいただくことができません。

心房細動TOOL
画像をクリックすると心房細動TOOLのページにジャンプできます

そこで数年前に三重ハートセンターでiPadを導入した際、薬局での活用方法として、患者さんが目で見て理解しやすいように心房細動の説明ツールをお見せしながら服薬指導をする取り組みを始めたのです。

梶間:

心臓が全身に血液を送るポンプであり、心房細動によって左心房内の血流がよどみ血栓が形成されやすくなることや、心臓から流れ出た血栓が脳の血管を詰まらせると突然脳梗塞を発症することなどを説明アニメを使って説明しています。インターネットで病気をよく勉強している患者さんもいますが、あまり病気になじみのない方には心房細動ツールの説明アニメは有用だと思います。
当院ではカテーテルアブレーションの実施件数が毎月10例ほどあり、多くの患者さんは手術後の一定期間プラザキサを服用されます。心房細動の説明アニメは、入院患者さんにベッドサイドで服薬の大切さや薬の働きを説明する時にも便利です。

現在の説明アニメは画面右横のツマミを手動でスライドさせて場面を切り替える形式ですが、血栓が形成される様子や脳にとばされた血栓が血管をふさぐシーンなどがもう少しリアルに、自動のアニメで表示されるとさらにわかりやすいかもしれませんね。

心房細動TOOLの説明アニメ