プラザキサ 診療サポート薬剤師レポート
ザ・プロフェッショナル ~私の服薬指導術~

第9回 アドヒアランス向上のために
薬薬連携の取り組みで適正使用を進め、服薬アドヒアランスの向上を目指す

薬剤師の先生の取り組みをご紹介いたします。

病院薬剤科と調剤薬局が培ってきた自然な協力関係

Q1. 北海道循環器病院の特徴と受診患者さんの背景を教えてください。

北海道循環器病院 薬剤科 科長 今田 深雪先生
北海道循環器病院
薬剤科 科長
今田 深雪先生
今田:
当院は循環器専門病院ですが、札幌市内をはじめ北海道全域から多くの患者さんが来院されています。当院では、開院当初から病院長の方針で医師の病棟回診に薬剤師、管理栄養士も同行し、チームとしての活動に係わっておりました。このように、医師がコメディカルの専門性を高く評価する土壌があって、「薬の専門家」として薬剤師にも期待が寄せられております。薬剤師は病棟業務や医薬品情報活動を通して薬物療法を支援しておりますが、とりわけプラザキサ採用後は、医師・薬剤師で何度も勉強会を行って、適正使用に努めております。現在、プラザキサを服用中の患者さんは250名を超え、毎月4~5名が新たに服用を開始しています。

Q2. プラザキサの適正使用のためにどのような取り組みをされていますか。

小財:

当院では2011年7月にプラザキサを採用し、その翌月には重篤な出血性副作用に関する安全性速報が発出されました。しかし、報告症例の中には禁忌である高度腎機能障害の患者が多く含まれていましたので、薬剤師の積極的な介入により重篤な副作用は回避できると考えました。

そこで、当院では、採用当初から薬剤師がプラザキサの新規開始時の用法用量の確認やクレアチニンクリアランスによる腎機能の評価を行っていましたが、市販後調査の結果を踏まえ、各種検査データや併用薬の使用状況などのモニタリングも開始することにしたのです。また、医師には、プラザキサでの過度の抗凝固作用を判断する目安となるaPTT値の定期的な測定も依頼しました。使用状況調査から得られた情報は、カンファレンスや電子カルテなどを通じて担当医師に迅速にフィードバックしました。その結果、採用から6カ月間で使用開始した約50名は推奨用量で投与されており、禁忌症例への投与もありませんでした。また、aPTT値の測定率は約9割に達していることから、本剤投与中は出血リスクの管理のためには適切なタイミングでaPTT値の確認が必要であることを医師に認識してもらえたと考えます。このような薬剤師の努力がプラザキサの適正使用の推進と重篤な出血性副作用の発生予防に貢献したものと考えております。

北海道循環器病院 薬剤科 主任 小財 弘己先生
北海道循環器病院
薬剤科 主任
小財 弘己先生

プラザキサの適正使用推進のための取り組み

Q3. さくら薬局札幌山鼻南店で、プラザキサの服薬指導の際に注意していることを教えていただけますか。

さくら薬局 札幌山鼻南店 薬局長 永井 崇司先生
さくら薬局 札幌山鼻南店
薬局長
永井 崇司先生
永井:

残薬をていねいに確認するように心がけています。薬剤師が毎回しつこいくらい質問するので、残薬をすべて持参する方やお薬手帳に自分でメモしてくる患者さんも増えていますね。

また患者さんの何気ない話にも耳を傾けるようにしていて、それがきっかけで服薬アドヒアランスの改善につながったこともあります。ある患者さんとの会話の中で「朝、薬を飲めない」という話を耳にしました。朝は出勤準備で忙しく飲み忘れが多かったそうなのです。そこで、とにかく職場にプラザキサをもっていくことを心がけ、出勤後になるべく早く服用するようにアドバイスしたところ飲み忘れを減らすことができました。