プラザキサ 診療サポート薬剤師レポート
ザ・プロフェッショナル ~私の服薬指導術~

第10回 アドヒアランス向上のために
抗凝固薬を処方されている患者データを薬剤部で掘り下げ、適正使用を検討

薬剤師の先生の取り組みをご紹介いたします。

患者説明用のリーフレット「おくすりの説明書-心房細動の患者さまへ」を使った服薬指導と今後の取り組み

Q6.患者への指導について気を付けている点をお教えいただけますか。

鷹羽:
患者はどうしても医師の前ではわかったと言ってしまうようですね。薬剤師に対してのほうが質問しやすいということを私たちは実感していますので、努めて患者さんからの疑問や不安を受け止めるようにしています。
木村:

なぜこの薬を飲まなければならないのかということと、飲まないとどのようになるかということをきちんと説明することで、アドヒアランス向上につなげたいと思っています。医師から説明を受けた後で薬剤師が患者に「このお薬はどんな薬ですか」と確認しても、覚えていない方は多くおられます。

おくすりの説明書
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そのような患者にも繰り返し思い出していただけるように、患者説明用のリーフレット「おくすりの説明書-心房細動の患者さまへ」を作成しました。それにはクレアチニン(CRE)やクレアチニンクリアランス(CCr)値の記入欄を設け、薬剤師が確認しています。また、飲み忘れた場合の対処や万一出血した場合の対応も掲載しました。NOACは飲み続けることが大切ですので、止めたら危ないということを「2日でも飲み忘れが続くと、脳梗塞になる可能性が高くなります」とはっきり示しました。この「おくすりの説明書」では「詰まりやすくなる要因」と「出血しやすくなる要因」として点数を記入しますので、それぞれのスコアにあわせてお話ししています。

鷹羽:
患者に「出血傾向が強い薬」と説明してしまうと、怖い薬と思ってしまう方がいるので注意が必要です。基本はメリットを強調することですね。多くの患者は抗凝固薬以外に様々な薬を服用していますが、抗凝固薬を飲み忘れるのと、その他の薬を飲み忘れるというのではまったくリスクが異なるということを理解していただくようにしています。

Q7.今後、薬剤師としてどのようにアドヒアランスを向上させていきたいですか。

木村:
基本的ですが、「おくすりの説明書」を活用して患者指導を丁寧に行っていきたいと思っています。時間はかかりますが、患者の理解のスピードにあわせて文字を追いながら説明をしていき、理解が止まったところで一緒に読み直しをしていくことで、患者さんの理解が深まります。
鷹羽:
次に、医師との連携をさらに深め、患者さんへの適切な服薬指導につなげたいと考えています。この点は薬剤部が治験センターの中心になっていることが良い結果に結びついています。なにしろ治験センターの業務は医師との連携なしには進みませんからね。
木村:
そうですね。治験センターの業務を通して、日ごろから医師とのやりとりすることが多く、情報共有がとてもスムーズなので助かっています。また、今後、増えてくる院外処方に対して、退院された後にも指導に力を入れていく必要がありますので、外来でも適切な治療が継続できるように、調剤薬局の薬剤師とも十分な情報交換を行い患者のアドヒアランスを向上させることが必要です。患者の詳細データを把握することができる私たち病院薬剤師が外来患者へのチーム医療に参画し、地域の薬薬連携に積極的に取り組み、患者指導に「おくすりの説明書」を活用していただけるように働きかけていきたいですね。