プラザキサ 診療サポート 薬剤師インタビュー:アドヒアランス向上の取り組み 電子薬歴管理システムを用いた
服薬アドヒアランスの向上への取り組み

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菅 敏光 先生

鳥取県立中央病院 心臓内科 部長
菅 敏光 先生

徳吉 雄三 先生

徳吉薬局 取締役
徳吉 雄三 先生

(発言順)

直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)の登場により、心房細動患者さんに対する脳梗塞予防として抗凝固療法は広く普及してきました。しかし、脳梗塞を防ぐためには生涯にわたり抗凝固療法を継続する必要があり、服薬アドヒアランスの向上が課題となっています。そこで今回、電子薬歴管理システムを用いた服薬アドヒアランス向上に関する取り組みについて、多くの心房細動患者さんを診ている鳥取県立中央病院心臓内科の菅敏光先生と、同じ医療圏であり同県立中央病院の患者さんが多く訪れる徳吉薬局の薬剤師、徳吉雄三先生にお話しをうかがいました。

抗凝固療法における服薬アドヒアランスの重要性

Q1. 抗凝固療法における服薬アドヒアランスの重要性についてお話しいただけますか。

菅先生
心房細動患者さんは左心房内に血栓が生じやすく、加齢に伴い血栓発生リスクが高まります。そのため、脳梗塞予防として生涯にわたって抗凝固薬を服用する必要があり、抗凝固療法における服薬アドヒアランスの維持は非常に重要です。特にDOACはワルファリンに比べて、効果の発現および消失が早く、オンとオフの切り替えが迅速にできるメリットもありますが飲み忘れに注意が必要です。また、近年は心房細動に対するカテーテルアブレーション治療の普及が進んでいますが、アブレーション周術期における重篤な合併症の一つである血栓塞栓症を予防するためにも、抗凝固薬の服薬アドヒアランスを良好に保つことは非常に重要です。

Q2. 服薬アドヒアランス不良になる要因として、どのようなことが考えられますか。

徳吉先生
入院中は医療機関で適切に服薬管理がなされていますが、退院後は患者さんの自己管理になるため、服薬アドヒアランスが低下しやすくなります。副作用に対する不安から服薬アドヒアランス不良につながることもありますし、「ちょっとくらい薬を飲まなくても脳梗塞が起こることはないだろう」といったリスクに対する認識不足なども服薬アドヒアランス不良の要因として考えられます。

服薬アドヒアランス向上における「かかりつけ薬剤師」の役割

Q3. 平成30年度診療報酬改定において、薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料、服薬情報等提供料など、対物業務から対人業務を推進する方向に改定が行われました。こうした状況の下、抗凝固療法における服薬アドヒアランス向上についても、かかりつけ薬剤師の役割はますます重要になると思われますが、先生方はどのようにお考えですか。

徳吉先生
かかりつけ薬剤師の役割には、「服薬情報の一元的・継続的把握」「医療機関等との連携」などがあげられます。たとえば、抗凝固療法に関して患者さんにお伝えしたいことを、1回の説明で全てご理解いただくことは難しいと感じています。そのため、継続的に患者さんと接していくなかで、患者さんの生活の様子や服薬状況などを聞き取り、フォローすることが大切だと考えています。
菅先生
現在、院外処方せんには病名を記載する欄がありません。そのため処方せんからだけでは薬剤師の先生にはどんな適応症で薬が処方されているのかがわかりません。そのような状況下で、患者さんとのコミュニケーションを通して病状の把握に努め、適切な服薬指導を行い、さらに残薬についても確認するなど、薬剤師の先生が果たす役割は非常に大きいと感じています。また、そこで得られた細かな情報を医師に伝えていただければ、次にその患者さんを診察する際に役立つと思います。

電子薬歴管理システムを用いた服薬アドヒアランス向上のための取り組み

Q4. 電子薬歴管理システムを用いた服薬アドヒアランス向上のための取り組みについて、その成果も含めてご紹介いただけますか。

徳吉先生
我々の薬局では、電子薬歴管理システム*を用いて、個々の患者さんのこれまでの薬歴をコンピューター上で効率的に管理しています(写真1)。この薬歴システムを活用して、薬剤の適正使用の推進や薬の脱落予防につながる適切な情報提供や服薬指導を行っています。プラザキサ新規処方の患者さんでは、「(お名前)さんにプラザキサが初めて処方されました」「初回は、正しい病態・服薬意義について指導してください。併せて、服薬初期に起こりやすい消化器症状・出血の副作用対策について指導しましょう」というメッセージとともに、新患初回の重点指導項目や患者さん向けの指導せんが表示されます(図1)。この指導せんは、その場で印刷して患者さんに説明することや、お渡しすることも可能です(図2)。従来は薬剤師によって指導内容にばらつきがありましたが、この取り組みによって、来局回数に応じた適切な指導を体系的に行うことができるようになりました。このような患者指導を行うことで、気軽に電話してくれる患者さんが増え、それにより、副作用の予防や自己判断による服薬中止の回避などに、大きく貢献していると実感しています。
また、電子薬歴管理システムは薬剤師だけでなく医師からも大きな注目を集めています。実際、講演会などで電子薬歴管理システムを用いたアドヒアランス向上に関する取り組みについてお話しすると、出席された医師の先生方からさまざまな質問が寄せられます。医師と薬剤師の関係性の構築はまだまだ十分とはいえませんが、これらの薬局の取り組みが周知されることによって、薬剤師が担う役割や、医師と薬剤師との積極的な連携の重要性について、理解が深まったと感じています。

*薬局情報共有システム薬歴アプリ:DrugstarPrime東日本メディコム株式会社

写真1
電子薬歴管理システム 電子薬歴管理システム

Q5. 医師の立場から見た、薬剤師の先生方の取り組みについてのご意見をお聞かせください。

菅先生
診察時に心房細動や脳梗塞リスク、抗凝固薬の必要性などについて、一通り患者さんに説明し、「処方された薬剤は必ず服用してください」とお伝えしていますが、患者さんが適切に服薬を継続しているかどうかはフォローできていないこともあります。薬剤師の先生方からも、薬剤の副作用や効果、飲み忘れのリスクや飲み忘れ時の対応などについて、患者さんにご説明するこのような取り組みは、服薬アドヒアランスの向上にも寄与していると思います。

今後の展望

Q6. 今後の課題や期待について、ご意見をお聞かせください。

徳吉先生
患者さんが医療機関で処方せんを受け取った後は、どこの薬局に行くのかはわかりません。弊社は、どの店舗に患者さんが処方せんを提示しても体系的な服薬指導ができるように、指導の質を担保することを目指しています。次の課題は、地域全体の薬局において、薬剤師による患者への説明や指導の質が均てん化されることであり、さまざまな薬局でこのような電子薬歴管理システムを活用した情報提供や服薬指導が可能になることを期待しています。
菅先生
薬局において患者さんに十分な服薬指導を行っていただくためにも、今後は診療情報を薬剤師の先生方と医師がいかに情報共有していくのかが課題だと思っています。また、講演会などを通じた心房細動や抗凝固療法に関する啓発活動は、これまでは主に医師が対象でしたが、今後は薬剤師に対しても同様に実施することで地域全体の医師・薬剤師のレベルが向上することを期待しています。そのことが、チーム医療の充実にもつながると考えています。

Column

セミナーの様子

電子薬歴メーカーでは、自社の電子薬歴管理システムのユーザー薬局だけでなく幅広く募集した薬局を対象に、定期的にセミナーを実施しています。2018年3月24日に実施されたセミナーでは、以下のテーマならびに講師でした。

第一部:2018年調剤報酬改定のポイント
~選ばれる薬局になるために~
講師:株式会社医療経営研究所 取締役 佐藤健太

第二部:保険薬局の生き残り戦略
~アドヒアランス向上にかかわる情報提供を軸とした増患対策~
講師:株式会社サンクスネット 専務取締役 桐林東一郎

セミナーでは、インタビュー内で紹介されている電子薬歴管理システムを活用したアドヒアランス向上の取り組みなどが紹介されました。

(本セミナーは、東日本メディコム株式会社が開催したセミナーの一例です。)

なお、徳吉薬局の取り組みは、下記の3社5種類の電子薬歴管理システムにて実施可能です。

  • 東日本メディコム株式会社:電子薬歴DrugstarPrime、DrugstarCereb2EX、DrugstarCerebEX
  • ハイブリッジ株式会社:電子薬歴Hi-story
  • 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社:Melphin/DUO
PC
2018年5月作成

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プラザキサの服薬指導情報-アドヒアランス向上プロフラム

プラザキサを服用される患者さんとそのご家族へ