プラザキサ 製品紹介 不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)を踏まえた今後の心房細動アブレーション周術期抗凝固療法
~スペシャルインタビュー~ 清水 渉 先生

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心房細動カテーテルアブレーション周術期の抗凝固療法に中和剤のあるプラザキサは有用な選択肢

清水 渉 先生

日本医科大学大学院医学研究科
循環器内科学分野 大学院教授
清水 渉 先生

当院における心房細動カテーテルアブレーション治療

当院でカテーテルアブレーション治療(以下、アブレーション)を施行する心房細動患者さんは60歳代前半で、CHADS2スコアが1〜2点と低い方が多く、クレアチニンクリアランスは平均70mL/minと腎機能はある程度は保たれている方が大部分を占めています。また、高血圧を合併している患者さんが多く、それがCHADS2スコアにも反映されています。患者さんがアブレーションに期待することは、息切れの改善、服薬中止などさまざまですが、私は症候性の心房細動の場合は症状の改善を第一に考えています。ただし、初診時は無症候性であっても、その後、持続性心房細動となり、それが長期に続くと心不全を発症するケースもあることから、一定の頻度で心房細動の症状が認められる患者さんの場合は、比較的若年のうちにアブレーションを行うことが望ましいと考えます。また、アブレーション周術期に注意が必要な合併症として、心タンポナーデ、脳梗塞などがあげられます。特に脳梗塞は重篤な後遺症が残るケースも少なくないことから、適切な抗凝固療法を行い、きちんと予防することが重要です。

アブレーション周術期の抗凝固療法には豊富なエビデンスと中和剤のあるプラザキサを選択

RE-CIRCUIT試験では、アブレーション周術期のワルファリン継続投与に比べて、プラザキサ継続投与で出血リスクが減少し、血栓塞栓症リスクは同程度であることが示されました1)。また、ABRIDGE-J試験では、アブレーション周術期に短期休薬(1〜2回休薬)を伴うプラザキサ投与の安全性と有効性が示されました2)。こうしたエビデンスに加えて、プラザキサには特異的中和剤であるプリズバインドがあります。このような背景から、当院ではアブレーション施行予定の心房細動患者さんでプラザキサ以外の抗凝固薬が投与されている場合、プラザキサの投与が可能であれば、アブレーション施行前にプラザキサに変更しています()。プラザキサへの変更にあたっては、プラザキサには中和剤があり、万一、アブレーション施行中に出血性合併症が生じた場合でも速やかに対応することが可能であることを患者さんにきちんと説明しています。この中和剤の存在は、医師だけでなく患者さんにとっても安心感につながっています。また、アブレーション施行当日朝のプラザキサの投与については、施行時間によって継続あるいは休薬を決定しています。そして、アブレーション施行後、退院時にも中和剤があることを再度伝え、プラザキサの内服を一定期間継続していただくようにしています。

ガイドラインに則ったアブレーション周術期管理の重要性と今後の展望

心房細動に対するアブレーションは、出血や血栓塞栓症のリスクを伴うため、周術期に適切な抗凝固療法を行うことが求められます。このたび8年ぶりに改訂された「不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)」では、心房細動アブレーション周術期の抗凝固療法について、「ワルファリンもしくはダビガトランによる抗凝固療法が行われている患者では、休薬なしで心房細動アブレーションを施行することが推奨される(クラスⅠ、レベルA)」と記載されています3)
アブレーションの有効性および安全性に関するエビデンスの集積とともに、わが国のアブレーション施行数は年々増加しており、2016年には7万件を超えました。今後さらに増加することが予想されますが、実臨床では、こうしたガイドラインの内容を踏まえて適切な治療を選択していくことが重要だと思います。

図 当院におけるアブレーション周術期の抗凝固療法プロトコール
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文献

  • 1)Calkins H, et al. N Engl J Med 2017; 376: 1627-1636.
  • 2)Nogami A, et al. JAMA Netw Open 2019; 2: e191994.
  • 3)日本循環器学会/日本不整脈心電学会合同ガイドライン:不整脈非薬物治療ガイドライン(2018 年改訂版).

http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2018_kurita_nogami.pdf (2019年5月閲覧)

1)、2)はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施しました。

PC
2019年5月作成

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図 当院におけるアブレーション周術期の抗凝固療法プロトコール