プラザキサ 製品紹介 Reverse in Anticoagulation Therapy
~スペシャルインタビュー~

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中和剤の存在がDOACの薬剤選択を行う際の一助になる可能性

奥村 謙 先生

済生会熊本病院 心臓血管センター
不整脈先端治療部門 最高技術顧問
奥村 謙 先生

DOACの登場により抗凝固療法の導入率が上昇した

わが国ではじめての直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)であるプラザキサが登場して以降、抗凝固療法は大きなパラダイムシフトを迎えました。従来の経口抗凝固薬では、使用方法の煩雑さや出血リスクへの懸念から抗凝固療法の導入が躊躇されるケースがありました。また、北欧では抗凝固療法の専門外来において、専任の薬剤師や医療従事者による丁寧な服薬指導が行われ、適切な用量が選択されていますが、わが国では抗凝固療法に対する患者さんへの指導が必ずしも十分でない場合があり、経口抗凝固薬に対する服薬アドヒアランス不良、またunder‐useやunder‐doseといった問題が生じていました。これらの問題を一気に改善させたのがDOACです。DOACでは、定期的なモニタリングや食事制限を必要とせず、大規模臨床試験において頭蓋内出血リスクが低いことが示されています。そのため、基本的に医師は患者さんに対して、用法・用量を遵守して服用すること、出血リスクは低いものの可能性がゼロではないことなどを説明するだけで良く、服薬指導は簡潔になりました。こうした背景から、抗凝固療法の導入率はDOACの登場により確実に上昇しています。

中和剤の存在は患者さんの安心感につながる

抗凝固療法中に発現する出血性合併症の中でも、特に頭蓋内出血には注意が必要です。DOACでは、頭蓋内出血リスクが低く血腫が増大しにくいことが報告されていますが、抗凝固薬である以上、常に出血リスクを伴っており、万が一、頭蓋内出血が発現した場合には血腫が増大するケースもあります。そのため、DOACを服用している患者さんが頭蓋内出血や消化管出血などを発現した際の対処法の一つとして、特異的中和剤の開発が望まれていました。一方、DOACによる抗凝固療法を行う際にも服薬アドヒアランスの向上は重要になりますが、出血リスクに不安を感じた患者さんに用法・用量を守ってもらえない可能性も考えられます。こうした状況の中、ダビガトランの抗凝固作用を迅速に、完全に、そして持続的に中和する特異的中和剤であるプリズバインドが承認されました。緊急時の迅速な対応を可能にする中和剤の存在は、出血リスクに不安を抱く患者さんに安心感を与え、服薬アドヒアランスの向上にもつながるのではないかと期待しています。今後、中和剤の有無が医師のみならず患者さんにとっても薬剤選択を行う際の一助になるのではないでしょうか。

血圧管理は抗凝固療法による出血リスクに影響する

これまでに従来の経口抗凝固薬による頭蓋内出血リスクが、適切な血圧管理によって低減されることが報告されており、抗凝固療法中の血圧管理は非常に重要であることが示されています。また、抗凝固療法を導入する際に高血圧であった患者さんでも、DOAC服用中に血圧が正常値に低下すれば、CHADS2スコアやHAS-BLEDスコアの“H(hypertension)”のリスクは低減され、脳卒中リスクだけでなく出血リスクも低減されます。そのため、DOAC服用中の出血リスクに不安を感じる患者さんに対しては、「適切な血圧管理を行うことで出血リスクは減らすことができ、万が一、出血した場合にもプラザキサのように中和剤があるDOACであれば迅速な対応が期待できる」と説明することで、治療に対するモチベーションをより高められるのではないかと思っています。

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