プラザキサ 製品紹介 Reverse in Anticoagulation Therapy
~スペシャルインタビュー~

<< インタビュー一覧へ戻る

他科連携を推進し、中和剤を適正に使用する体制を整えることが重要

奥山 裕司 先生

独立行政法人国立病院機構 大阪南医療センター
循環器疾患センター 部長
奥山 裕司 先生

DOACで重要なのは患者さんに応じて適切な用量を選択すること

プラザキサをはじめとした直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)のメリットは、細かな用量調節をせずに、有効性と安全性が期待できることだと思います。ただし、患者さんに応じて適切な用量を選択することが前提です。私はよくDOACを既製服に例えてお話しします。DOACは大変良質な既製服であることに間違いはありませんが、既製服ですから患者さんそれぞれに合うサイズを選択する必要があります。プラザキサであれば、150mg×2回/日はLサイズ、110mg×2回/日はMサイズの服と考え、どちらのサイズが患者さんに合うのかを見極めます。そのためには、年齢や腎機能など、個々の患者さんの背景をしっかりと評価することが重要で、病状によっては第一選択として他の抗凝固薬を選ぶこともあります。

DOACは服薬指導の強化がより重要となる

DOACの登場により、抗凝固療法の適応となる患者さんの裾野は広がりましたが、その一方で、服薬アドヒアランス不良の患者さんが増えることが危惧されます。経口抗凝固薬は予防薬であり、患者さんがその効果を実感することはできません。中でもDOACは有効性の指標となる凝固マーカーが確立されておらず、患者さんの服薬に対するモチベーションを維持する取り組みがより重要になってきています。そのための方策として重要なのが、患者さんとのコミュニケーションです。私は、患者さんが来院された際は、その都度、「この薬をきちんと飲んでいれば、将来的に心原性脳塞栓症の発症をかなり予防できますよ」と、励ましの言葉を伝えています。また、DOACへの変更を希望される患者さんの中には、従来の経口抗凝固薬の用法・用量をきちんと遵守しなかったことによりコントロール不良に至った患者さんも散見されます。このような患者さんでは、DOACに変更したとしても服薬アドヒアランスが維持できない場合が多く、DOACの効果を享受することは困難といえます。したがって、DOACを処方する際は、患者さんと医師との間でコミュニケーションを密にとり、きめ細やかな服薬指導を継続して行うことが重要です。

DOACの中和剤を活かすには複数の診療科との連携がカギ

現在、DOACの有用性は広く知られるようになってきましたが、DOAC服用中に出血を起こした際の対処方法は未だ確立されていません。私自身、DOAC服用中に重篤な出血性合併症を起こした患者さんを経験したことはありませんが、抗凝固療法の浸透に伴い、DOACの抗凝固作用を速やかに中和する薬剤の必要性が増してきたと感じています。こうした中、ダビガトランの抗凝固作用を迅速に中和するプリズバインドが登場したことは、大きな意義があると考えます。たとえば、近年盛んに施行されるようになったカテーテルアブレーション治療(アブレーション)では、周術期の抗凝固療法としてDOACを継続投与する施設も増えてきましたので、出血リスクを考慮すると、中和剤があるDOACを選択することはアブレーション施行時の安心材料の一つになると思います。プラザキサ服用患者さんであれば、万が一、侵襲的処置中に止血困難な出血を発現した場合でも、プリズバインドにより速やかに対応できると考えられます。ただし、実臨床において中和剤が使用されるケースは一様ではなく、救命救急科をはじめ複数の診療科が連携する場面が多くなると予想されます。したがって、DOAC服用中の出血に適切に対処するために、各施設でプロトコルを確立し、十分な体制を整える必要があると考えています。

<< インタビュー一覧へ戻る