プラザキサ 製品紹介 Reverse in Anticoagulation Therapy
~スペシャルインタビュー~

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中和剤の登場で抗凝固療法に伴う大出血への対応が可能になる

萩原 誠久 先生

東京女子医科大学 循環器内科学
教授 講座主任
萩原 誠久 先生

DOACの登場により抗凝固療法がさらに浸透してきた

抗凝固療法は、非弁膜症性心房細動(NVAF)患者さんにおける心原性脳塞栓症予防に有効な治療法です。ただし、いずれの経口抗凝固薬も出血リスクを伴いますので、経口抗凝固薬には有効性と安全性のバランスが求められます。直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)は、大規模臨床試験において、従来の経口抗凝固薬と比べて安全性が同等以上であることが示されており、脳卒中のリスクがあるにもかかわらず、出血リスクの懸念から抗凝固療法に踏み切れなかった患者さんにとって有用な選択肢の一つになり得ると考えています。また、DOACは安全性に加えて、利便性も高く、プライマリケアの医師にとっても比較的導入しやすい薬剤であることから、脳梗塞リスク評価に基づいて適切な抗凝固療法が実施される患者さんは増え、心原性脳塞栓症予防の裾野は広がり続けていると感じています。さらに、現在は4つのDOACが承認されていますので、患者さんの状態などに応じて使い分けることで、より多くのNVAF患者さんに適切な抗凝固療法を行うことができるようになりました。

中和剤は大出血時における新たな対処方法の一つとして期待できる

DOACの安全性は大規模臨床試験によって証明されていますが、服用中、まれに大出血を発現することがあります。プリズバインドは、現在わが国で承認されている唯一のDOACに対する特異的中和剤であり、ダビガトランの抗凝固作用を迅速かつ完全に中和することが示されています。したがって、プラザキサ服用患者さんであれば、大出血時の対応として、輸血に加えてプリズバインドの投与も選択肢の一つとして考慮することができます。また、高齢の患者さんは出血性合併症のリスクが高く、特に頭蓋内出血発現時は緊急処置が必要になりますので、中和剤の存在は、このような頭蓋内出血の対応時にも有用と考えます。さらに、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に抗血栓療法を行っているNVAF患者さんで出血を経験すると、医師が出血を恐れるあまり抗凝固療法を中止してしまうケースも考えられます。しかし、NVAF患者さんでは血栓塞栓症を予防する上で抗凝固療法は不可欠となります。このようにPCI施行後の抗血栓療法としてDOACを継続する際も、万が一の大出血などを考慮すると、中和剤の存在意義は大きいと思います。

中和剤があればアブレーション周術期の積極的な抗凝固療法が可能に

カテーテルアブレーション治療(アブレーション)周術期の抗凝固療法としてもDOACの導入が広がりつつありますが、心タンポナーデや穿刺部位の出血などが起こった際の対応もDOACの課題の一つといえます。現在、アブレーション周術期にDOACを用いる場合、術前日の夕方または当日の朝に休薬し、アブレーションを施行するプロトコルが一般的です。この方法であれば、術中のDOACの血中濃度をトラフ付近まで低下させることで出血リスクを軽減できますが、一方で血栓塞栓症の発症リスクは高まってしまいます。しかし、中和剤があれば出血時に速やかに対応できますので、アブレーション周術期においても、休薬することなくDOACを投与する方法なども考えられます。プラザキサは、中和剤としてプリズバインドがありますので、アブレーション周術期の抗凝固療法としても大変有用であると考えます。今後は、アブレーション周術期におけるDOAC継続投与の有効性と安全性を十分検証したプロトコルの確立が望まれます。

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