プラザキサ 製品紹介 Reverse in Anticoagulation Therapy
~スペシャルインタビュー~

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中和剤のあるDOACを処方することはカテーテルアブレーション施行時の安心感につながる

山根 禎一 先生

東京慈恵会医科大学
循環器内科 教授
山根 禎一 先生

DOACの登場により抗凝固療法の敷居が低くなった

非弁膜症性心房細動(NVAF)を診断する循環器内科は、心原性脳塞栓症の予防を目的に経口抗凝固薬を処方する機会が最も多い診療科です。直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)が登場するまで、従来の経口抗凝固薬では、プロトロンビン時間国際標準化比(PT-INR)のモニタリングによる細かな用量調節を必要とするなど、使用方法が煩雑でした。それに対してDOACでは、適切な用量を選択し適正に使用すれば、定期的なモニタリングを必要とせずに有効性と安全性が期待できます。その結果、抗凝固療法の敷居は低くなり、プライマリケアでもDOACが積極的に使用されるようになったと感じています。実際、カテーテルアブレーション治療(アブレーション)を目的に当院を受診される患者さんも、すでにDOACを服用しているケースが増えました。また、心原性脳塞栓症の発症抑制効果と出血リスクのバランスから、これまで抗凝固療法が推奨されてこなかったCHADS2スコア1点以下の患者さんにも、心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)において使用が推奨されたDOACもあり、脳卒中リスクの低いNVAF患者さんに対しても適切な抗凝固療法が実現できるようになったと思います。

中和剤のあるDOACは、周術期管理に有用

万が一、緊急処置を要する出血性合併症が発現した場合に、DOACの抗凝固作用を速やかに中和する薬剤があれば出血性合併症に対応しやすくなることが期待されます。特に、循環器内科の医師として抗凝固療法中の出血が最も懸念されるのは、アブレーション施行時の心タンポナーデです。そうした状況の中、わが国で初となるDOACの中和剤として、ダビガトランの抗凝固作用を特異的に中和するプリズバインドが承認されました。中和剤というバックアップの存在は、アブレーションを施行する医師と患者さん、双方の安心感につながると思います。また、プリズバインドはプラザキサ以外の抗凝固薬には影響を及ぼさないことが示されています。そのため、患者さんの臨床的な安定や十分な止血達成が確認できれば、プリズバインドの投与直後からヘパリンなどプラザキサ以外の抗凝固療法の実施が可能であることは特筆すべき点であり、周術期管理において非常に有用だと考えられます。

患者さんとご家族が、服用中の経口抗凝固薬を把握していることが出血時における適切な処置のカギになる

経口抗凝固薬の多くは循環器内科で処方されますが、実際に経口抗凝固薬服用中の患者さんが重篤な出血性合併症を発現した場合には、神経内科や脳神経外科に搬送されることになります。その際、処置を実施する医師は、患者さんがどの経口抗凝固薬を服用しているかを把握することで、適切な止血や処置を迅速に行うことができます。そのため、患者さんやご家族がDOACを服用していること、どのDOACを服用しているのかを把握し、処置時に医師に伝えてもらうことが重要になります。当院でDOACを服用している患者さんは40~60歳代と比較的若い方が多いので、ご自身が服用している薬剤を把握しています。しかし、全国的にみるとNVAF患者さんはもう少し高齢で、服用している薬剤を把握できていないことも多いと思いますので、処方するわれわれが、患者さんに服用しているDOACの名前を覚えていただけるよう努力していくべきだと考えています。また、万が一、重篤な出血性合併症が発現した場合、プリズバインドのような中和剤があれば迅速な止血が可能になりますので、循環器内科の医師が中和剤のあるDOACを選択することには意義があると考えられます。

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