プラザキサ 製品紹介 RE-DUAL PCI試験 RE-DUAL PCI試験
~スペシャルインタビュー~ 井上 耕一 先生

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NVAF合併PCI施行患者さんの抗血栓療法はDOACを含む2剤併用抗血栓療法で管理する潮流に

井上 耕一 先生

特定医療法人渡辺医学会 桜橋渡辺病院
心臓・血管センター 内科部長
井上 耕一 先生

当院におけるNVAF合併PCI施行患者さんの抗血栓療法の現状

当院で診察する非弁膜症性心房細動(NVAF)を合併する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行患者さんは、高齢でさまざまな合併症を有する方が多く、脳卒中リスクと出血リスクがともに高い印象を受けます。
当院において、NVAFを合併するPCI施行患者さんの抗血栓療法は、NVAFと冠動脈疾患(CAD)のうち、初発イベントを担当した医師の裁量に基づいて実施しています。経口抗凝固薬に抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を加えた3剤併用抗血栓療法を行う際のDAPTは、3ヵ月もしくは6ヵ月間実施するケースが多く、その後は経口抗凝固薬にP2Y12阻害剤を加えた2剤併用抗血栓療法に切り替えるケースが少なくありません。

プラザキサを含む2剤併用抗血栓療法の安全性・有効性が示された

RE-DUAL PCI試験では、ステント留置を伴うPCIを施行したNVAF患者さんにおける抗血栓療法として、標準療法であるワルファリンにDAPTを加えた3剤併用抗血栓療法に対して、プラザキサにP2Y12阻害剤を加えた2剤併用抗血栓療法の安全性・有効性が比較検討されました。
本試験の特徴として、プラザキサ群ではNVAF患者さんにおける脳卒中予防効果が認められている2用量(110mg×2回/日、150mg×2回/日)が用いられていたため、得られたエビデンスを実臨床に応用しやすい点が挙げられます。また、出血リスクがワルファリン群に比べてプラザキサ両用量群で有意に低下しただけでなく、頭蓋内出血のような致命的になり得る重大な出血の絶対リスクが低下していることも注目すべき点です。そして、死亡または血栓イベントおよびPCI/冠動脈バイパス術(CABG)による予定外の再血行再建術の複合イベントの発症リスクにおいて、プラザキサ群全体(110mg群・150mg群統合)のワルファリン群に対する非劣性が示されたことも高く評価できるポイントだと考えています。

PCI施行1年後以降の抗血栓療法の最適化が今後の課題

RE-DUAL PCI試験により、プラザキサを含む2剤併用抗血栓療法はNVAF合併PCI施行患者さんにおける抗血栓療法として有効性を担保しつつ、出血性合併症のリスクを有意に低下させました。本結果を契機に、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)にP2Y12阻害剤を加えた2剤併用抗血栓療法は、NVAF合併PCI施行患者さんにおける抗血栓療法の重要な治療選択肢の一つとして、ますます注目されていくのではないでしょうか。また、NVAFを合併するPCI施行患者さんでは、抗血栓薬を長期的に併用することで出血リスクの高い状態が続くことになるため、プラザキサのように抗凝固作用を中和できる薬剤を含む抗血栓療法は良い選択肢だと思います。一方で、NVAFを合併するPCI施行患者さんに対する抗血栓療法には、未だ課題があると感じています。PCI施行1年後以降の抗血栓療法について、欧州心臓病学会(ESC)ガイドライン2017 focused updateでは抗凝固薬単独療法が推奨されており、当院でも出血リスクの高い患者さんでは抗凝固薬単独療法に切り替えることもあります。しかし、PCI施行1年後以降の最適な抗血栓療法については十分なデータが得られていないのが現状であるため、今後さらなるエビデンスが集積されていくことを期待しています。

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