プラザキサ 製品紹介 RE-DUAL PCI試験 RE-DUAL PCI試験
~スペシャルインタビュー~ 静田 聡 先生

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NVAF合併PCI施行患者さんの抗血栓療法は出血リスクを考慮してDOACを含む2剤併用抗血栓療法に

静田 聡 先生

京都大学大学院医学研究科
循環器内科学 講師
静田 聡 先生

当院におけるDOACを含む2剤併用抗血栓療法

非弁膜症性心房細動(NVAF)を合併する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行患者さんに対する抗血栓療法としては、ワルファリンに抗血小板薬2剤併用抗血栓療法(DAPT)を加えた3剤併用抗血栓療法が標準療法とされてきました。しかし、これまでの臨床試験の結果により、ワルファリンを含む3剤併用抗血栓療法では出血リスクが増大することが指摘され、NVAF合併PCI施行患者さんにおける抗血栓療法の最適化が望まれるようになりました。2013年にはNVAF合併PCI施行患者さんに対して、ワルファリンにDAPTを加えた3剤併用抗血栓療法とワルファリンにクロピドグレルを加えた2剤併用抗血栓療法を比較したWOEST試験が報告され、2剤併用抗血栓療法では血栓リスクが上昇することなく、出血リスクが大幅に低下することが示されました。
こうした背景を踏まえ、当院ではNVAF合併PCI施行患者さんに対して、ワルファリンを含む3剤併用療抗血栓療法は基本的に実施しておらず、経口抗凝固薬にP2Y12阻害剤を加えた2剤併用抗血栓療法を行っていますが、ステント血栓症などの血栓塞栓症が増加した印象はありません。

プラザキサを含む2剤併用抗血栓療法で出血リスクが低下

RE-DUAL PCI試験では、ステント留置を伴うPCIを施行したNVAF患者さんにおいて、従来からの標準療法であるワルファリンにDAPTを加えた3剤併用抗血栓療法に対して、プラザキサにP2Y12阻害剤を加えた2剤併用抗血栓療法の安全性・有効性が比較検討されました。ワルファリン群のアスピリン併用期間は、ベアメタルステント留置例では1ヵ月、薬剤溶出ステント(DES)留置例では3ヵ月と定められており、対象のうち8割以上はDES留置例でした。
国際血栓止血学会(ISTH)基準による大出血もしくは臨床的に問題となる出血の累積発現率は、PCI施行3ヵ月後までの間にワルファリン群に比べてプラザキサ両用量群ともに大きく低下し、最終的に相対リスクがワルファリン群と比べてプラザキサ110mg群で48%、150mg群で28%有意に低下しました。本結果は、RE-LY試験により示されたプラザキサのエビデンスを支持する内容であると考えています。血栓リスクについては、解析計画に基づいて、プラザキサ両用量群を統合したプラザキサ群全体とワルファリン群における死亡または血栓イベントおよびPCI/冠動脈バイパス術(CABG)による予定外の再血行再建術の複合イベントの発症率が比較され、ワルファリン群に対するプラザキサ群全体の非劣性が示されました。

DOACにP2Y12阻害剤を加えた2剤併用抗血栓療法の今後の展望

RE-DUAL PCI試験においてNVAFを合併するPCI施行患者さんの抗血栓療法として、プラザキサにP2Y12阻害剤を加えた2剤併用抗血栓療法の安全性・有効性が証明されたことを契機に、今後さらに直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)を含む2剤併用抗血栓療法が普及していくことが予想されます。その際に注意すべき点として、DOACの用量は、患者さんごとに出血リスクと血栓リスクを考慮して適切に選択する必要があり、安易に減量をしないことが重要です。また、欧州心臓病学会(ESC)ガイドラインでは、PCI施行1年後以降の抗血栓療法については抗凝固薬による単独療法が推奨されていますが、未だ明確なエビデンスが存在しない領域であり、現在われわれはエビデンス構築のための臨床研究であるOAC-ALONE研究を実施しているところです。

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