プラザキサ 製品紹介 RE-DUAL PCI試験 RE-DUAL PCI試験
~スペシャルインタビュー~ 萩原 誠久 先生

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RE-DUAL PCI試験においてプラザキサを含む2剤併用抗血栓療法ではISTH基準やTIMI基準による大出血リスクが低下

萩原 誠久 先生

東京女子医科大学
循環器内科学 教授 講座主任
萩原 誠久 先生

標準療法である3剤併用抗血栓療法では出血リスクが課題

リスクを伴う非弁膜症性心房細動(NVAF)患者さんでは脳卒中を予防するために抗凝固療法が必須です。一方、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行患者さんではステント血栓症の予防を目的に抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を行う必要があるため、NVAFを合併するPCI施行患者さんでは、抗凝固薬であるワルファリンにDAPTを加えた3剤併用抗血栓療法が標準療法とされてきました。しかし、これまでの臨床試験の結果から、ワルファリンを含む3剤併用抗血栓療法では出血リスクが高まることが懸念されていました。実際、当院においてもNVAFなどの合併症を有するPCI施行患者さんを対象にワルファリンを含む3剤併用抗血栓療法の安全性・有効性を検討した結果、出血発現率が40%と高率であることを報告しています。抗血栓療法中の出血イベントは予後不良であることが多く、NVAFを合併するPCI施行患者さんの抗血栓療法の最適化は重要な課題になっており、近年では直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)を含む2剤併用抗血栓療法が検討されるようになりました。

プラザキサを含む2剤併用抗血栓療法で出血リスクが低下し、血栓リスクは非劣性

欧州心臓病学会(ESC)2017で報告されたRE-DUAL PCI試験では、ステント留置を伴うPCI施行患者さんを対象に、プラザキサにP2Y12阻害剤を加えた2剤併用抗血栓療法と、ワルファリンにDAPTを加えた3剤併用抗血栓療法の安全性・有効性が比較検討されました。なお、プラザキサ群では、RE-LY試験で脳卒中予防効果が証明されている臨床用量(110mg×2回/日、150mg×2回/日)が用いられていました。その結果、主要評価項目である国際血栓止血学会(ISTH)基準による大出血もしくは臨床的に問題となる出血の発現リスクは、ワルファリン群に比べてプラザキサ両用量群で有意に低下しました。さらに、ISTH基準に比べ、より重篤な出血基準であるTIMI基準による大出血の発現リスクにおいても、ワルファリン群に比べてプラザキサ両用量群で有意に低下したことは特筆すべき点です。
一方、主な副次評価項目である有効性に関しては、プラザキサ両用量群を統合したプラザキサ群全体とワルファリン群での解析が計画されていました。結果として、血栓イベントを含む複合イベントの発症リスクについてプラザキサ群全体のワルファリン群に対する非劣性が証明されました。

NVAF合併PCI施行患者さんにおける抗血栓療法の選択肢が拡がった

RE-DUAL PCI試験により、NVAF合併PCI施行患者さんにおけるプラザキサを含む2剤併用抗血栓療法は、ワルファリンを含む3剤併用抗血栓療法に対して血栓リスクを高めることなく、出血リスクを低下させることが示されました。また、ESCガイドライン2017 focused updateにおいても、出血リスクの増大が懸念される患者さんにおける抗血栓療法の一つとして、経口抗凝固薬にクロピドグレルを加えた2剤併用抗血栓療法が推奨されています。今後、NVAFを有しステント留置を伴うPCIを施行する患者さんでは、出血リスクを考慮して、DOACにP2Y12阻害剤を加えた2剤併用抗血栓療法が重要な選択肢になっていくのではないでしょうか。ただし、DOACを含む2剤併用抗血栓療法であっても、抗血栓薬を長期的に併用することになるため、治療中は出血リスクに留意する必要があります。したがって、プラザキサに対するプリズバインドのように万が一の出血に備えて、抗凝固作用を迅速・持続的に中和できる薬剤の存在は、医師と患者さんの安心感につながり、適切な抗血栓療法を行う上で大きな意義があると考えられます。RE-DUAL PCI試験の結果を踏まえ、より安全な抗血栓療法が広まっていくことを期待します。

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