プリズバインド 製品紹介臨床試験 RE-VERSE AD試験

試験概要・結果

国際共同第Ⅲ相症例集積試験

引用文献:Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施しました。

試験概要

【デザイン】

非盲検、非対照、多施設共同、症例集積試験

【対象】

プラザキサによる治療中の以下の患者503例

  • 緊急手術患者群:緊急を要する手術または侵襲的処置を必要とする患者202例
  • 出血患者群:生命を脅かす出血または止血困難な出血を発現している患者301例
【方法】

プリズバインド(イダルシズマブとして2.5g)を15分以内の間隔で2回(計5g)、静脈内投与した。

試験デザイン

試験デザイン

【登録基準】
  • プラザキサ服用
  • 18歳以上(日本では同意取得時20歳以上)
  • 緊急手術患者群(出血は発現していないかもしれないが、出血以外の状態・疾患のために緊急の手術またはその他の侵襲的処置を要し、プラザキサの治療による抗凝固作用の残存が望ましくない患者):十分な止血機能(凝固能)が求められる緊急(8時間以内に施行)手術/侵襲的処置を必要とする病態
  • 出血患者群(生命を脅かす出血または止血困難な出血を発現し、緊急の内科的治療または外科的処置を必要とする患者):治験担当医師により中和剤が必要と判断された、顕在性出血

有効性

【主要評価項目】
希釈トロンビン時間(dTT)またはエカリン凝固時間(ECT)に基づいて評価するダビガトランの抗凝固作用に対する最大の中和効果※1
最大の中和効果は、下記の計算式に基づいて算出し、その値が100%以上の場合を、抗凝固作用に対する完全な中和100%と定義した。

最大の中和効果の算出

最大の中和効果の算出

【副次評価項目】
  • 活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)およびトロンビン時間(TT)に基づくダビガトランの抗凝固作用に対する最大の中和効果※1
  • プリズバインド1本目投与完了から2本目投与完了4時間後までの間の非結合型総ダビガトラン血漿中濃度※2の最低値
  • 出血患者群におけるプリズバインド1本目の投与開始から2本目の投与完了24時間後までの間で、止血確認に要した時間   など
【その他の評価項目】
  • 緊急手術患者群における止血機能
  • 抗血栓療法の再開   など

安全性

副作用、臨床検査値異常、出血・血栓性イベント、臨床的転帰(死亡)、抗薬物抗体   など

  • ※1:プリズバインド1本目投与完了から2本目の投与完了(2本目を投与しなかった場合は1本目の投与完了)4時間後までのいずれかの測定時点で各患者に認められた最大の中和効果について、中央検査機関で測定した血液凝固マーカーの値に基づいて評価した。
  • ※2:非結合型総ダビガトラン血漿中濃度は、イダルシズマブおよび血漿蛋白のいずれにも結合していない濃度のこと。非結合型総ダビガトランはトロンビンに結合することが可能であるため、非結合型総ダビガトラン血漿中濃度はダビガトランの薬理活性を表すものと考えられる。

患者背景

各群の患者背景は次の通りであった。

患者背景

患者背景

緊急手術患者群における手術および侵襲的処置の理由

緊急手術患者群における手術および侵襲的処置の理由は次の通りであった。

緊急手術患者群:手術・処置の内訳

緊急手術患者群:手術・処置の内訳

出血患者群における出血の種類および部位

出血患者群における出血の種類および部位は次の通りであった。

出血患者群:出血の内訳

出血患者群:出血の内訳

有効性

dTTに基づくダビガトランの抗凝固作用に対する最大の中和効果:主要評価項目
プリズバインド投与後4時間以内におけるdTTに基づく最大の中和効果は100%であった(95%CI:100-100%)。
プリズバインド投与前後のdTTの時間推移は次の通りであった。

プリズバインド投与前後のdTTの時間推移

プリズバインド投与前後のdTTの時間推移

主要評価項目は、dTTに基づいて評価したダビガトランの抗凝固作用に対する最大の中和効果である。プリズバインド1本目投与完了から2本目の投与完了4時間後までのいずれかの測定時点で各患者に認められた最大の中和効果について、中央検査機関で測定した血液凝固マーカーの値に基づいて評価した。プリズバインド投与前後のdTTの時間推移は治療上有益な情報であるため記載した。

出血患者群における止血確認に要した時間:副次評価項目
出血患者群のうち、頭蓋内出血以外の出血患者の止血確認までに要した時間の中央値は、プリズバインド投与後2.5時間であった。

出血患者群:24時間以内の止血(出血の停止)

出血患者群:24時間以内の止血(出血の停止)

緊急手術患者群における周術期の止血機能:その他の評価項目
緊急手術患者群のうち、手術中に正常な止血機能が得られた患者は93.4%、軽度の止血機能障害と判断された患者は5.1%、中等度の止血機能障害と判断された患者は1.5%であった。また、プリズバインド投与後から手術までの時間の中央値は1.6時間であった。

緊急手術患者群:周術期の止血機能

緊急手術患者群:周術期の止血機能

抗血栓療法の再開:その他の評価項目
プリズバインド投与後の抗血栓療法の再開は次の通りであった。

プリズバインド投与後の抗血栓療法の再開

プリズバインド投与後の抗血栓療法の再開

安全性

プリズバインド投与後の血栓性イベント
プリズバインド投与30日後の血栓性イベントは、緊急手術患者群4.6%、出血患者群5.0%に認められた。プリズバインド投与90日後の血栓性イベントは、緊急手術患者群7.4%、出血患者群6.3%に認められた。

プリズバインド投与後の血栓性イベント

プリズバインド投与後の血栓性イベント

死亡率
プリズバインド投与後5日以内の死亡率は、緊急手術患者群7.9%(16例)、出血患者群6.3%(19例)であった。
プリズバインド投与30日後および90日後の死亡率は次の通りであった。

死亡率

死亡率

抗薬物抗体
プリズバインド投与後に抗イダルシズマブ抗体が検出された患者割合は5.6%(501例中28例)であった。

有害事象

プリズバインド投与後5日以内に発現した重篤な有害事象は全体で23.3%(117例)、緊急手術群25.2%(51例)、出血患者群21.9%(66例)に認められた。

引用文献:Pollack CV, et al. N Engl J Med 2017, Epub
本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施しました。