スピオルト 診療サポートガイドライン解説-COPDの治療:安定期の管理-

管理目標

  1. 症状およびQOL(quality of life:生活の質)の改善
  2. 運動耐容能と身体活動性の向上および維持
  3. 増悪の予防
  4. 疾患の進行抑制
  5. 全身併存症および肺合併症の予防と治療
  6. 生命予後の改善

禁煙

  • あらゆる機会に患者の喫煙状況をたずね、すべての喫煙者に禁煙指導を行うべきである。
  • 禁煙はCOPDの発症リスクを減少させ、進行を抑制する最も効果的で経済的な方法である。
  • 喫煙習慣の本質は、ニコチン依存という薬物依存症である。
  • 医師が3分間の短い禁煙アドバイスをするだけでも、禁煙率が上昇する。
  • 禁煙治療は、行動療法と薬物療法を組み合わせて行う。
  • 一定の条件を満たせば禁煙治療は保険適用の対象となる。

安定期の管理

安定期COPDの管理

安定期の管理

重症度はFEV1の低下だけではなく、症状の程度や増悪の頻度を加味し、重症度を総合的に判断したうえで治療法を選択する。

*:増悪を繰り返す症例には、長時間作用性気管支拡張薬に加えて吸入ステロイド薬や喀痰調整薬の追加を考慮する。

  • COPDの発症予防、さらに進行の抑制のためには、タバコ煙からの回避が最も重要である。
  • 安定期のCOPDの管理では、閉塞性障害の程度(1秒量:FEV1の低下)による病期の進行度だけではなく、症状の程度や増悪の頻度を加味した重症度を総合的に判断したうえで治療法を段階的に増強していく。
  • COPD患者の症状においては、労作時呼吸困難だけでなく喀痰や咳に対する治療・管理もQOL(quality of life:生活の質)の改善や増悪の予防のために重要である。
  • COPDの増悪は閉塞性障害の進行や死亡率の増加原因となることから、その予防が重要である。
  • 呼吸リハビリテーションや栄養管理などの非薬物療法は、薬物療法と同様にCOPDに対する重要な治療法である。
  • COPD患者は中高年の喫煙者であることが多いことから、その管理においては、全身併存症や肺合併症についての診断・管理も重要である。

安定期COPDの管理のアルゴリズム

安定期COPDの管理のアルゴリズム

LAMA:長時間作用性抗コリン薬、LABA:長時間作用性β2刺激薬、+:加えて行う治療

ワクチン

  • インフルエンザワクチンはCOPD の増悪による死亡率を50%低下させ、すべてのCOPD 患者に接種が勧められる。
  • 肺炎球菌ワクチンは高齢者の肺炎発症を減らし、65歳未満で対標準1秒量(%FEV1)が40%未満のCOPD患者の肺炎を減少させる。
  • インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用により、インフルエンザワクチン単独に比較してCOPDの感染性増悪の頻度が減少する。

『COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン 第4版』より改編