今回の改訂における主な方針は、「本邦のガイドラインとしてCOPD治療の考え方を明示すること」や「LAMA/LABA配合薬などの新薬の位置づけを明確にすること」などでした。今回の改訂では、これらの方針を踏まえて主にご覧の点が改訂されました。

 本日は、この中から「薬物療法」の改訂ポイントとその背景について解説します。

薬物療法のポイント

 今回の第5版ガイドラインでは、薬物療法に関して、ICSの位置づけの変更および第4版発刊以降に発売されたLAMA/LABA 配合薬の追加により、安定期COPDの管理の図が大きく変わりました。

 COPDの薬物療法の中心はLAMAをはじめとする気管支拡張薬であり、ICSは喘息病態合併の場合に併用する、と位置づけられています。

薬物療法の改訂背景‐ICSの位置づけ‐

 ICSは、第4版では増悪を繰り返す症例に対して推奨すると位置づけられていました。

 今回、喘息病態合併の場合に併用すると改定された背景には、LABA/ICSとLAMA/LABAを比較検討した複数の臨床試験において、増悪の抑制はもとより、呼吸機能の改善、SGRQ総スコアの改善、肺炎リスクの軽減の観点においても、LAMA/LABAの方が優れているとの結論が得られたことがあります。

 また、LAMA、LABA、ICS のトリプルセラピーからICS を中止した例と継続した例を比較した結果、中等度から重度の増悪リスクに差がなかったことが報告されています。

 これらのエビデンスをもとに、GOLD 2017 REPORTでは、COPD治療においてICSは、息切れなどの症状が強く増悪を起こしやすいGOLD Dの患者で、LAMA/LABAによる治療を行っても増悪しやすい患者の場合にのみその併用が推奨されると記載されています。

 日本呼吸器学会のガイドライン第5版においても、COPDの15~20%に見込まれる喘息病態の合併、いわゆるACOの場合に、ICSを推奨すると変更しました。

薬物療法の改訂背景‐LAMA/LABA配合薬の位置づけ‐

 そして、薬物療法の中心と位置づけられている気管支拡張薬に関しては、「チオトロピウムの増悪抑制効果はLABA よりも有意に強い」と報告されていることなどから、安定期COPDの管理においてはLAMAが中心的な役割を果たす薬剤として位置づけられています。

 さらに、今回新たな薬剤としてLAMA/LABA 配合薬が追加されました。

 LAMA/LABA 配合薬について、ガイドラインでは、"LAMA、LABA の単剤治療に比べ、閉塞性換気障害や肺過膨張の改善効果が大きく、息切れなどの症状も改善する"と解説しています。

 また、増悪抑制効果に関しては、"LAMA 単剤に対するLAMA/LABA 配合薬の優位性を検討した報告によれば、LAMA/LABA 配合薬はLAMAに比べ有意に増悪を抑制した"と解説しています。

 単剤で不十分な場合、LAMA、LABAの併用あるいはLAMA/LABA 配合薬の使用が推奨されています。

 本日は薬物療法の改定の背景をご紹介しました。
 COPDの管理においては、気管支拡張薬を中心とした薬物療法と呼吸リハビリテーションなどの非薬物療法を組み合わせた治療が大切です。
 最新のエビデンスを踏まえた今回の改定ガイドラインによりCOPD診療がさらに発展していくことを期待しています。

スピオルト®ワンポイントメッセージ

 『COPD 診断と治療のためのガイドライン 第5版』では、LAMA/LABA配合薬は、LABA、LAMA単剤よりも肺過膨張や息切れの改善効果、増悪に対する予防効果が大きいとされました。

 実際に、LAMA/LABA配合薬であるスピオルト®は、LAMA単剤のスピリーバ®と比較して残気量の有意な減少、息切れの有意な改善が報告されています1)2)

1)Beeh KM, et al. Pulm Pharmacol Ther 2015; 32: 53-59.
2)Buhl R, et al. Eur Respir J 2015; 45(4): 969-979.

 さらに、日本人も数多く参加したDYNAGITO試験では、増悪抑制効果も検証されています。中等度~重度のCOPD増悪の年間発現率は、スピリーバ®群0.97回/人・年に対し、スピオルト®群0.90回/人・年でした。さらに、全身性ステロイド薬を必要とする増悪の年間発現率は、スピリーバ®群に比べ、スピオルト®群で低下が認められています。

中等度~重度のCOPD増悪の年間発現率

全身性ステロイド薬を必要とする増悪の年間発現率

 COPD患者さんの治療に、ぜひスピオルト®をお役立て下さい。

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