スピオルト 製品紹介特定使用成績調査(PMS)

試験概要

目的

COPD患者に対するスピオルト®の長期投与の安全性及び有効性を日常診療の使用実態下で確認する。

対象

COPD(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(LAMA及びLABAの併用)が必要であり、かつスピオルト®が初めて投与される患者1,335名(安全性解析対象症例:1,273名、有効性解析対象症例:1,255名)。(本調査に一度登録された患者、臨床試験に参加している患者及びスピオルト®添付文書の禁忌に該当する患者は除外)

調査デザイン

非介入観察調査(製造販売後特定使用成績調査)。調査予定期間は2016年8月~2018年11月。観察期間はスピオルト® 投与後52週間とし、観察期間中にスピオルト®の投与を中止した症例はその時点までの観察とした。最終服薬21日後までに発現した有害事象の有無は可能な限り確認した。

主要評価項目

副作用発現割合

副次評価項目

COPDアセスメントテスト(CAT)総スコア(12週間後)

その他の評価項目

52週間にわたる患者による全般的評価(PGR)及び医師による全般的評価(PGA)
52週間にわたる努力性肺活量(FVC)及び1秒量(FEV1)からのベースラインからの変化量
CAT総スコア(24週間後及び52週間後)

調査項目

  • 症例構成に関する調査項目:登録症例数、調査票回収症例数、安全性解析対象症例数、有効性解析対象症例数、解析除外症例数および除外理由、中止症例数、中止理由および患者背景※1
  • 安全性に関する調査項目:副作用、重篤な有害事象、重要な特定されたリスク(副作用)※2及び重要な潜在的リスク(副作用) ※3 、重点調査項目(有害事象)※4
  • 有効性に関する調査項目:CAT(総スコア及びドメイン別スコア)、PGR、PGA、FVC及びFEV1

解析計画

探索的な目的で算出するp値や95%信頼区間(CI)を含めすべての評価項目に対し記述的解析を行った。本調査は観察研究であるため、検証のための統計学的検定は実施しなかった。
副作用発現と患者背景要因の関連解析にはロジスティック回帰を用い、オッズ比とその95%CIを算出した。サブグループ解析として、特別な背景を有する患者の安全性(副作用発現割合)、有効性(PGA)の解析を実施した。
また、post‐hoc解析として、ベースラインの重症度別(軽症・中等症・重症・最重症)にCATスコア(総スコア及びドメイン別スコア)、FVCおよびFEV1のベースラインからの変化量についてサブグループ解析を行った。

  • ※1: 特別な背景を有する患者を、高齢者(65歳以上)、腎機能障害[MedDRA SMQの急性腎不全(狭域) 、慢性腎臓病(狭域)]を有する患者、肝機能障害[MedDRA SMQの肝障害(狭域) 、胆道系障害(狭域) 、機能性、炎症性および胆石が関連する胆道系障害(狭域) 、胆道系に関連する臨床検査、徴候および症状(狭域)]を有する患者とした。
  • ※2: 重要な特定されたリスクは、心不全、心房細動、期外収縮、イレウス、閉塞隅角緑内障、アナフィラキシーとし、重要な潜在的リスクは心障害(心筋虚血、不整脈) 、喘息に関連した挿管および死亡とした。
  • ※3:重要な潜在的リスクは心障害(心筋虚血、不整脈)、喘息に関連した挿管および死亡とした。
  • ※4:重点調査項目は、心血管系有害事象(心不全、不整脈、心房細動、期外収縮、心筋虚血等)、抗コリン作用に関連する有害事象(緑内障、霧視、腸閉塞、尿閉、前立腺障害等)、β2刺激作用に関連する有害事象(低カリウム血症、高血糖、乳酸アシドーシス、骨格筋障害、睡眠障害等)とした。

中村周平 他.Therapeutic Research 2020; 41(3): 195-221.
本論文の調査はベーリンガーインゲルハイム社の資金提供により実施された。著者らはベーリンガーインゲルハイム社社員及び統計解析に関与している。

症例構成

症例構成

患者背景とスピオルト®の投与状況

患者背景とスピオルト®の投与状況
患者背景とスピオルト®の投与状況

有害事象および副作用

有害事象および副作用の要約(52週間)(安全性解析対象症例)[主要評価項目]

有害事象および副作用の要約(52週間)(安全性解析対象症例)[主要評価項目]

  • ※1:投与中止に至った副作用については、論文中に記載がなかった。
  • ※2:内訳は狭心症、心不全、イレウス、突然死、認知症がそれぞれ1名であった。
  • ※3:突然死が1名に認められた。死因は不明であるがスピオルト®との因果関係が否定されなかったため副作用と分類された。

重篤な副作用と主な副作用の発現状況

重篤な副作用(52週間)(安全性解析対象症例)[主要評価項目]

重篤な副作用(52週間)(安全性解析対象症例)[主要評価項目]

※ 死因は不明であるが、スピオルト®との因果関係が否定されなかったため副作用とされた。

主な副作用(52週間)(安全性解析対象症例)[主要評価項目]

  • 副作用は3.93%(50名)に認められ、2名以上の患者で報告された副作用は、口渇0.55%(7名)、咳嗽0.39%(5名)、排尿困難、発声障害がそれぞれ0.31%(4名)、動悸、呼吸困難がそれぞれ0.24%(3名)、便秘、口の感覚鈍麻、上気道感染、咽喉刺激感がそれぞれ0.16%(2名)であった。

CAT総スコアはベースラインと比較し、投与4週後から改善し、52週後まで改善が持続しました

  • ※ベースラインからの平均変化量の95%CI上限が0を下回る場合に改善とみなした。

CAT総スコアのベースラインからの変化量(12週間後)
(有効性解析対象症例)[副次評価項目]

CAT総スコアのベースラインからの変化量(12週間後)

PC
作成年月:2020年3月