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戸崎 貴博 先生

監修:戸崎 貴博 先生 
医療法人TDE 糖尿病・内分泌内科クリニックTOSAKI 院長

戸崎 貴博 先生

 糖尿病治療においては、日々の生活習慣の改善が非常に重要です。そんな中、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で各自治体から外出自粛要請が出されている状況です。名古屋にある当院の外来では、3月に入った頃より「ジムが休みなので運動していない」、あるいは「出歩くのが怖いので散歩をしていない」などとおっしゃる患者さんが増えてきました。先生方の外来でも、血糖管理に支障を来たしかねない患者さんの対応に苦慮する場面が増えてきているのではないでしょうか。
 ここでは、そのような患者さんに対して当院が行っている具体的なアドバイスを紹介します。

血糖コントロールの重要性をしっかりご理解いただく
 当院ではまず「血糖値が高いと白血球が走る速さが下がり、ウイルスを食べる力も落ちてしまいます」とお伝えしています。コントロール不良の糖尿病は、免疫系、特に好中球機能に影響を及ぼすことが知られており、一過性の血糖値の変化であっても好中球機能に影響がみられることが示唆されています1)
ただ、血糖コントロールが良好になると好中球の殺菌能が改善する可能性も報告されていますので2)、まずは血糖管理の重要性を患者さんにしっかりご理解いただくようにします。
十分な睡眠を推奨する
 睡眠不足は糖尿病が悪化することが報告されているので3)、十分な睡眠が必要であると考えられますが、免疫力を上げるためにも「1日7時間の睡眠」を推奨しております。米国で行われた研究では、1日7時間以上の睡眠をとる人は、7時間未満の人よりも風邪にかかるリスクが約4倍低かったことが報告されています4)
適度な運動を推奨する
 適度な運動により血糖コントロールが改善しますし、新陳代謝が活発となり免疫力を上げることが報告されています5)。また、運動によって血糖値が下がることで、上述した感染予防の効果も期待できるため「毎日30分の散歩」を推奨しております。「新型コロナウィルスに感染しないようにするために散歩中に他の人と2m以内に近づいて話したり、何かに触ったりしないように」と説明しています。ただ、過剰な運動は逆に免疫力を弱めることも報告されていますので6)、翌日に疲労を残さない程度の適度な運動を心がけるようお伝えします。

 依然として緊迫した状態が続く中、先生方も日々対応に追われていることと思います。しばらくこのような状況が続くことが予想されますが、このコンテンツが先生方のご診療の一助となりましたら幸いです。

糖尿病患者さんへの日々のアドバイス

「ジムが休みなので運動していません」
「出歩くのが怖いので散歩をしていません」

このような患者さんには…

血糖コントロールの重要性
「血糖値が高いと白血球が走る速さが下がり、ウイルスを食べる力も落ちてしまいます」
十分な睡眠
「1日7時間の睡眠をとりましょう」
適度な運動
「毎日30分の散歩をしましょう」
References
1)Jafar N, et al. Am J Med Sci. 2016;351:201-11.
2)Sato N, et al. Diabetes. 1997;46:133-7.
3)Depner CM, et al. Curr Biol. 2019;29:957-967.e4.
4)Prather AA, et al. Sleep. 2015;38:1353-9.
5)Klentrou P, et al. Eur J Appl Physiol. 2002;87:153-8.
6)Nieman DC. Med Sci Sports Exerc. 1994;26:128-39.
PC

2020年4月作成