トラゼンタ 製品紹介:コンテンツ一覧対談「腎機能を考慮した糖尿病診療(Cooper先生×深水圭先生)」

Mark Cooper先生

Professor, Department of Diabetes,
Central Clinical School,
Monash University,
Melbourne, Australia

対 談

深水 圭先生

久留米大学医学部 内科学講座
腎臓内科部門 主任教授

2019年11月2日,帝国ホテルにて開催

腎機能を考慮した糖尿病診療

2型糖尿病における腎機能の低下は死亡や心血管疾患の主要危険因子であり,いかに腎機能の低下を防ぐかは良好な予後を得るための鍵となる。そこで本対談では,腎機能を考慮した2型糖尿病治療をテーマに掲げ,オーストラリアから糖尿病合併症診療の第一人者であるMark Cooper先生をお招きし,深水 圭先生(司会)とともに,糖尿病性腎臓病の増悪因子,腎機能低下の機序に基づくDPP-4阻害薬をはじめとする治療戦略,日常診療での薬剤選択のポイントなどについてお話しいただいた。

糸球体病変を伴うGFR低下は高血圧,動脈硬化症に起因する可能性がある

深水糖尿病における腎疾患・心血管疾患などの合併症に関する著名な研究者で,多くの国際的な賞を受賞されているCooper先生との対談を楽しみにしておりました。
 最近,日本の「エビデンスに基づく慢性腎臓病(CKD)診療ガイドライン2018」では,糖尿病性腎症(diabetic nephropathy)を糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease;DKD)という疾患概念で包括的に考えることを示しています。DKDという言葉自体は諸外国では1950年代から使われていたものです。糖尿病性腎症は厳密には腎生検で結節性病変などの特徴的な所見が確認された場合に診断されます。Cooper先生はDKD,糖尿病性腎症の疾患概念をどのようにとらえていますか。

Cooper確かに2型糖尿病患者の多くに典型的な糖尿病性腎症が合併していますが,約3分の1の症例ではアルブミン尿が認められない非典型例になります。腎生検上の糸球体病変は軽度であるにもかかわらず推算糸球体濾過量(eGFR)は低く,腎機能の低下は比較的緩徐に進行する患者が存在し,これらはおそらく高血圧,動脈硬化症を伴うDKDと考えられます。なお,1型糖尿病患者の多くでは典型的な糖尿病性腎症を認めます。

深水腎生検で典型的な糖尿病性腎症を見つけた場合,診断はDKD,糖尿病性腎症のどちらと考えますか。

Cooper糖尿病性腎症がDKDに包含されるという意味では両方と言えます。

PC
2020年4月作成