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第1回 患者さんとの『治療同盟』を確立するための初診テクニック

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新シリーズ「糖尿病患者さんの行動変容をもたらすには?」では、糖尿病患者さんの意識や行動を変え、前向きに治療に取り組んでもらうためのポイントや指導方法をご紹介します。今回は、奈良県立医科大学 糖尿病学講座 教授の石井 均先生に、「患者さんとの『治療同盟』を確立するための初診テクニック」を解説いただきます。 食事指導に役立つ「家族も満足!糖尿病レシピ」も掲載していますので、ぜひご覧ください。

糖尿病治療における医師の役割とは?

石井 均先生 石井 均先生

強制的ではなく、患者さんが主体的に行動するようになるサポートを

糖尿病治療は慢性疾患の中でも、患者さん自身が主体的に治療に参加しなければならない要素の強い疾患です。つまり、患者さん自身が自分の行動パターンを変えていく必要があるということです。しかし、糖尿病と診断された患者さんのなかには、「お医者さんがなんとかしてくれるだろう」といった、どこか他人事のような、主体性のない方がいるのも実情です。これは、糖尿病は合併症が生じていない段階では、自覚症状があまりないことが一因でしょう。

このような患者さんが治療に主体的にならないと、糖尿病治療は成功しません。なぜなら、糖尿病治療は長期にわたるものであり、強制的に患者さんの行動を変えたとしても、結局は長続きしないからです。したがって、糖尿病治療における医師の役割とは、強制的ではなく、患者さんが主体的に行動するようになるサポートをすることだと考えています。

患者さんの主体性を高める『治療同盟』

石井 均先生 石井 均先生

大切なのは、患者さんが医療者に言いたくないことに受容的な態度で接すること

患者さんの主体性を高めるには、『治療同盟』を確立することが重要です。治療同盟とは、患者さんと医療者が、やるべきことをお互いに分担して、治療に共同的に取り組む関係のことを意味します。糖尿病治療では、この関係が構築されていないと困難に直面することになります。そのひとつが患者さんの虚偽申告です。
例えば、実際は血糖値が300mg/dLなのに100mg/dLと申告したり、キャラメルが好物で実は10個食べたのを、それをいったら怒られると思って食べていないと申告したり。医療者と患者間で事実が共有されないということが起こってしまいます。ですから、治療同盟を築くうえで一番大切なのは、患者さんが医療者に言いたくないこと、不都合なことを話してくれたときに、批判や非難の目を向けずに受容的な態度で接することだと思います。ただし、その時医療者のこころの中に起こる抵抗や葛藤をどう処理するかは十分訓練が必要です。

『治療同盟』を確立するための初診テクニック

石井 均先生 石井 均先生

「聴く態度」と「話の腰を折らないこと」が重要

初対面の印象は重要です。初診時は、基本的なことですが、まずはあいさつをし、自己紹介します。これをするだけでもすいぶん印象が良くなります。そして、初診、再診にかかわらず聴くことは重要ですが、特に初診時は聴く態度に注意します。
では、どのようなことを聴けばよいのでしょうか。診断・治療を行ううえで重要となる医学的情報(「いつから症状があるのか」、「どのような症状があるのか」など)はもちろんのこと、加えて、「今日、ここへ来られた理由」、「それについて、あなた自身がどのように考えているか」、「それについて、どんな不安があるか」などをお聴きします。
「そうなのか」「なるほどね」と思いながらパズルを組み立てるように聴くことは、治療同盟の確立や、患者さんの行動を変える糸口を見つけるのに役立ちます。
また、もうひとつ重要なのは、患者さんの話の腰を折らないことです。患者さんが何か話しているときに、「それは分かったから、何を食べたかだけ教えてくれませんか?」と、つい話をさえぎってしまうことがあるでしょう。言葉でいうのは簡単ですが、話の腰を折らないことはなかなか難しいのです。患者さんの話をさえぎらずに聴くことで、患者さんの病気に対する考え方や理解度、治療に対する不安などを把握することができ、関係を構築しやすくなり、以降の治療が円滑にすすむようになります。

医学的情報を得るための項目
・「いつから症状があるのか」
・「どのような症状があるのか」
治療同盟を築くための項目
・「今日、ここへ来られた理由
・「それについて、あなた自身がどのように考えているか」
・「それについて、どんな不安があるか」
当院の取り組み

石井 均先生 石井 均先生

糖尿病教室では、患者さん同士が話し合う機会を

当院では、外来が始まる前に、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士で当日来院予定の外来患者について30分程度情報共有を行っています。病状に加えて、患者さんの問題点と課題、療養指導の進捗などをそれぞれが事前に把握しておくことで、スタッフひとりひとりが当日やるべきことが明確になるため、外来がスムーズに進みます。
また、糖尿病教室における食事指導では、食事のとり方を患者さん同士が話し合う機会を設けています。以前は、「糖尿病とは」、「ご飯は何グラムにしましょう」などの講義形式で行っていたのですが、患者さんの記憶にはあまり残らないようなので、話し合う形式を取り入れました。例えば、さつまいもやトウモロコシを野菜だと思っていた患者さん、どう食べればよいかわからなかった患者さんが、食事のイメージや気づきを得られるようです。実際、「食生活について他の患者さんの指摘で、自分の勘違いに気がついた」、「他の患者さんの食生活を聞くことで、自分の食生活を見直すことができた」との声が聞かれています。

次回も引き続き石井先生より、患者さんはどんなときに行動を変えるかについて伺います。

家族も満足!糖尿病レシピ

鶏ささみ肉の野菜巻き レンジ蒸し

材料(2人分)

  • 鶏ささみ肉( 薄くたたきのばし、塩・こしょうする) … 4 枚
  • 小麦粉… 少々
  • 人参(4cm長さのせん切り)…30g
  • エリンギ(縦にさく)…2 本
  • さやいんげん(長さは3 等分にして縦半分に切る)… 6 本
  • 大豆もやし(根を取り除く)…200g
  • A

    • だし汁… 50cc
    • 酒… 小さじ1
    • めんつゆ… 大さじ1
    • ゴマ油… 小さじ1
    • ゆずこしょう… 小さじ1/3
  • 作り方

    • 1鶏ささみに小麦粉を薄くふり、人参・エリンギ・さやいんげんを等分にのせて、巻き込む。

    • 2耐熱皿に大豆もやしをのせて、1を均等な間隔でのせる。

    • 3上に混ぜ合わせたAをまわしかけて、ラップをして、7分加熱し、鶏肉を反対にしてさらに2分ほど加熱する。

    • 4鶏肉を半分に切って、大豆もやしと器に盛り合わせ、蒸し汁を上からかける。

鶏ささみ肉の野菜巻き レンジ蒸し

  • 栄養価(1人分)181kcal
  • 塩分1.5g
  • 炭水化物9.8g
  • 食物繊維4.6g

さやいんげんと人参の白和え

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大越 郷子先生

レシピ監修

大越 郷子先生

トラゼンタの有効性

食事・運動療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者さんの治療に、早期から将来までシンプルに同一用量で優れたHbA1c低下作用を示すトラゼンタを、ぜひお役立てください。

トラゼンタの優れたHbA1c低下作用

トラゼンタは、ベースラインのHbA1c値にかかわらず、優れたHbA1c低下作用が認められています。

食事療法・運動療法で血糖コントロールが不十分な経口血糖降下薬未治療の2型糖尿病患者にトラゼンタを投与した結果、1ヵ月後の早期から速やかなHbA1c低下を示しました。さらに、6ヵ月後のHbA1c変化量は、ベースラインのHbA1cが8.0%以上の患者では平均HbA1c 9.4±1.3%から1.7%低下し、8.0%未満の患者では平均HbA1c 7.0±0.5%から0.4%低下しました。

なお、観察期間中に低血糖を含む有害事象は認められませんでした。