医療サポート事例:地域医療戦略

地域を支える大学病院
人材養成と運営戦略の妙

東北医科薬科大学病院
病院長 近藤 丘 先生
薬剤部長 渡邊 善照 先生

  • 東北医科薬科大学病院 病院長 近藤 丘 先生
  • 東北医科薬科大学病院 薬剤部長 渡邊 善照 先生

東北医科薬科大学(宮城県仙台市)は2016年4月、日本では37年ぶりとなる医学部開設を果たし、東北薬科大学から東北医科薬科大学へと生まれ変わりました。それに伴い、薬科大学の附属病院は医育機関としての役割が加わり、東北医科薬科大学病院としてスタートを切りました。
同院は大学病院としての医療、教育、研究の3つの柱に加え、東日本大震災からの復興や東北地方の医師不足解消という重積をも担っています。地域の中核病院としての役割を果たしながら、東北地方全体の医療を支えていくための人材養成および運営戦略の策定、フォーミュラリーの取り組みなどについて、近藤丘病院長と渡邊善照薬剤部長にお話をお聞きしました。

この記事のキーワード

大学病院の開設/地域医療を担う医師養成/サテライトセンター/ネットワーク病院/多職種連携教育/地域医療支援/診療看護師/薬薬連携/フォーミュラリー/後発医薬品の使用推進/医薬品適正使用

1.大学病院の設立背景と新たな役割

A. 医科薬科大学病院の使命

──まず、東北医科薬科大学病院に求められている役割についてお話しいただけますか。

近藤先生:医学部新設にあたっての設置理念にもあるように、ここ東北地方では医師不足が深刻なため、この地方に定着し、地域医療を担っていく医師を育成していくということが挙げられます。もちろん、大学病院として高度先進医療を担う人材育成も必要ですが、当院はどちらかというと地域医療を担う医師の育成にウエートを置いています。

──37年ぶりの医学部創設ということですが、医学部や大学病院の開設でご苦労された点は?

東北医科薬科大学病院 病院長 近藤 丘 先生
近藤 丘 先生

近藤先生:文部科学省からの指導はあったものの本当に何もないところからのスタートで、他大学の運営方法などを参考にするなど手探り状態で準備したということが一つです。もう一つは、医学部の新設にはどちらかというと反対意見のほうが多かったことです。これ以上医師を増やしてどうするのか、また、医学部をつくることで地域の医師が教員として引き抜かれ、かえって地域医療の崩壊を招くのではないかといった声もありました。言ってみれば、逆風のなかでの立ち上げだったのです。

──開設から2年半余りが経ち、その逆風もだいぶおさまってきたのではないでしょうか。

近藤先生:医学部、大学病院の開設にあたっては、東北地方の他大学や医師会、行政の代表者から成る協議会をつくり、そこでの意見を参考に設立・運営していくという条件が課せられました。反対論調でなかなか厳しい要求もありましたが、当初あった、医師の引き抜きによる医師不足といった懸念も回避できていると思います。

B. 地域に定着する医師養成を目指して

──地域に定着する医師を育てていくために、どのような方針で取り組んでいるのでしょうか。

近藤先生:学部教育において、1~6年生まで一貫して訪問看護や介護など、地域を見据えた医療・介護全体について学ぶ仕組みを取り入れています。これは、他大学の医学教育とは異なる特徴だと思います。

──地域医療を学ぶために、医学生の実習も工夫されているようですね。

近藤先生:県内の登米市民病院と石巻市立病院にそれぞれ地域医療教育サテライトセンターを開設し、そのほかにもネットワーク病院を東北地方全体につくりました(図1)。大学病院での実習に加え、ネットワーク病院とサテライトセンターを中心に実習に行かせていますが、こうした取り組みを通して地域医療の多様性や課題に触れてもらい、地域医療を志す医師を輩出していきたいと思っています。そして卒業後には、1人でも多くの医師が東北地方で臨床研修を受けてもらうような流れをつくっていけたらと考えています(図2)。

図1 地域医療ネットワーク病院

図1 地域医療ネットワーク病院

(東北医科薬科大学HP http://www.tohoku-mpu.ac.jp/medicine/contents/network/ より)

図2 地域滞在型の臨床実習

図2 地域滞在型の臨床実習

(東北医科薬科大学HP http://www.tohoku-mpu.ac.jp/medicine/contents/network/ より)

──東北医科薬科大学病院での臨床研修の状況はいかがですか。

近藤先生:今の病院になる前は、臨床研修を行ううえで重要な小児科や産婦人科などの診療科がなかったこともあり、実績はほぼありませんでした。しかし、2017年度のマッチングで2018年4月からは7名の初期臨床研修医を迎えることができました。これも医科薬科大学病院となって大きく変わった点です。

C.医学部と薬学部の連携

──現在は他大学からの受け入れのみですが、今後は東北医科薬科大学の卒業生を加えていくということですね。

近藤先生:そうです。あとは、もともと薬科大学ですので、学部教育の段階から薬学部の学生と一緒に学ぶ機会を設け、地域医療と同時にチーム医療の素養も磨いていくという取り組みも行っています。

渡邊先生:当院では現在、宮城大学看護部の学生が実習に来ており、当院で実習中の薬学部生の教育と連携を図っています。薬学6年制教育の一つである多職種連携教育の一環ですが、現在の医学部生が高学年になったら、それを加えて3職種共同で教育できる体制にしていくことも考えています。

──早い段階から医学部と薬学部が交流を図ることによって、共通の目標や問題意識が持てるようになりますね

近藤先生:地域医療を担う医師は他職種の職能はもちろん、医療・介護を取り巻く現状や課題を把握していなければ、いざ地域医療の現場に立ったときになかなか力を発揮できないと思います。それを座学だけでなく、他職種との交流のなかで学んでもらいたいですね。

2.大学病院が展開する地域医療戦略

A.地域医療総合支援センターの創設

──病院経営や地域医療の課題を踏まえ、東北医科薬科大学病院の機能や役割についてどのように考えておられますか。

近藤先生:大学病院になったからといって、途端に先進的な医療しかやらないというわけにはいきません。大学病院としては、救急も三次救急だけでなく、一次、二次もすべて診ていますが、この地域の病院であることに変わりはなく、一般的な診療にも力を入れていかなければなりません。むしろそういうものを中心にしなければならないと思っています。地域医療を担う人材を育成していくためにも、common diseaseといわれている一般的な疾患をきちんと診ることができる医師を育てていこうと思っています。

──地域医療支援病院として地域医療の底上げの役目も担っているということですね。

近藤先生:県内の多くの地域では、日常診療や手術、土日の日直・当直にしても医師が不足しています。そういった地域の病院には当院から医師を派遣していますが、その手続きをワンストップで行う地域医療総合支援センターを創設しました。地域の病院、診療所から要請がある場合には、同センターから病院の各診療科につなぎ、医師を派遣するという形にしています。

──窓口を一本化することでどのようなメリットがありますか。

近藤先生:多くの大学病院は、それぞれの診療科が昔から結びついている病院と連携していますが、それではどの科がどこにどれだけ医師を派遣しているのかを把握するのが困難です。窓口の一本化により医師派遣を含めた地域との連携状況や地域のニーズ、課題が見えてきますし、われわれが行っていることが地域にどれだけ役立っているのかも評価しやすいでしょう。非常に透明性が高く、わかりやすい仕組みができたと思っています。

B. 診療看護師の活用

──他にも地域医療の活性化に向けた戦略や構想などがありましたらお教えください。

近藤先生:当院には、特定行為研修を修了した診療看護師(NP:Nurse Practitioner)が数名いますが、限られた医師数で地域医療をカバーしていくために、そうしたNPを地域に派遣することを考えています。ただでさえ地方は医師が不足しているうえに、例えば在宅医療を行う場合も、訪問先が点在しているため移動するだけでも大変な労力と時間がかかり、さらなる非効率を招いています。そういうところに医師に代わってNPが活躍できるのではないでしょうか。現在、当院の総合診療科の医師と1名のNPがモデル地域の県北部の登米に赴いて地ならしを行っています。

──NPの養成は進んでいますか。

近藤先生:現在、登米の訪問看護センターの訪問看護師1名と、当院の看護師5~6名が資格取得に向けて大学院で学んでいます。彼女たちが卒業する2年後を目途に、少しずつ地域を拡大していく計画です。
特定行為については厚生労働省ももともと地域医療で活用していくという構想でしたが、現実はどちらかというと術後管理や救急の補助など院内業務が主体となっており、組織だって地域医療にNPを活用していくという動きは多くはありません。その先鞭をつけられたらと思います。

──地域医療のタスク・シフティングを進めていくという考え方ですね。

近藤先生:そういうことになります。さらにiPadなどを使ってリアルタイムで画像を送受信するなどICTもフルに活用していきます。医療資源の限られた地方ほどそういうものを効果的に使うシステマティックな医療にしていかなければ今後の地域医療は成り立たなくなると思いますし、そこにNPの力が加われば、医療の質も十分担保できると考えています。

──薬剤師を絡めた連携も進んでいるのでしょうか。

東北医科薬科大学病院 病院長 近藤 丘 先生、東北医科薬科大学病院 薬剤部長 渡邊 善照 先生

渡邊先生:薬薬連携を広げる一環として、周辺の薬局薬剤師と病院薬剤師が月1回程度のペースで集まり研修会を開催しています。医学部の教授や各診療科の医師が講師を務め、医学的な知見を薬剤師に得てもらう狙いです。これは、2017年8月からの取り組みですが、組織的に薬薬連携等による地域医療への貢献を目指しています。病院薬剤師が医師や薬局薬剤師と目線を合わせていくことは連携を行ううえで非常に重要であり、地域医療の活性化につながると期待しています(図3)。

図3 東北医科薬科大学病院薬剤部 地域医療薬剤師連携活動研修会

図3 東北医科薬科大学病院薬剤部 地域医療薬剤師連携活動研修会

(資料:渡邊 善照 先生 ご提供)

3.フォーミュラリーへの取り組み

A. 導入の背景

──近年、薬剤師には病院経営への貢献も求められていますが、どのような取り組みを行っていますか。

渡邊先生:薬剤部としては診療報酬の加算がきちんと算定できるように種々の体制を整備しています。後発医薬品については数量シェア目標値が80%に引き上がったことに伴い、2018年度の診療報酬改定では、後発医薬品使用体制加算の最上位の区分が数量割合で85%以上と算定要件のハードルが上がりました。当院ではすでに80%は達成していますが、さらに85%をクリアするために後発医薬品への切り替えを一層進めていかなければなりません。また、当院では診療科の新設による採用医薬品の増加で薬剤費が膨らみ、それを節減していかなければならないという事情もありました。その方策の一つとして医薬品の使用指針であるフォーミュラリーを導入したのです。

B. 採用薬の評価方針

──原則、後発医薬品ファーストで使用方針を定めるということでしょうか。

東北医科薬科大学病院 薬剤部長 渡邊 善照 先生
渡邊 善照 先生

渡邊先生:現在行われている多くのフォーミュラリーは、後発医薬品の使用推進という医療経済面が重視されています。当院の場合もそういった側面を期待して導入したことも事実ですが、そもそもフォーミュラリーは、医薬品の経済性だけでなく、有効性・安全性を含めトータルに評価して採用を決めていくという適正使用を進めるためのツールです。それが結局、医療の質を担保することになりますし、患者さんのメリットにもつながるため、そのようなスタンスでフォーミュラリーを導入しました。

──具体的にはそれをどう実現させたのでしょうか。

渡邊先生:最終的には患者さんに使っていただけるかどうかというニーズも考慮して、場合によって採用薬は後発医薬品と先発品を併記する形にしました。フォーミュラリーの対象薬としてまず骨粗鬆症治療薬を選び、一日一回服用の後発医薬品を第一推奨薬としてリストに挙げたのですが、月1回の服用で済む先発品があり、医師から「良好な服薬アドヒアランスを維持するという視点での推奨薬もあったほうがいいのではないか」との指摘をいただいたとことを受けての対応です。継続して服用していただくことが最も重要ですので、剤形や服用回数などから服薬アドヒアランスを維持できるものがあれば先発品も残していく方針です。

──医師からの反発などはありませんでしたか。

渡邊先生:これは薬剤部が先走って行った取り組みでは決してなく、病院長が主宰する病院全体の業務運営会議という場で管理者や各診療科の先生方に承認をいただくという手続きを踏んで行いました。その前段階では「フォーミュラリーとは何か」や、その必要性を説明するなど、1年ほどかけて合意形成を確かなものにしました。
また、採用薬の絞り込みにあたっては、薬事委員会(現委員長:薬剤部長)の中にフォーミュラリーを検討する小委員会を組織し、薬剤部がデータベースをもとに作成したリスト案について諮ります。最終案を薬事委員会で審議し、フォーミュラリーリストを決定します(図4)。リスト案は、例えば骨粗鬆症治療薬であれば整形外科の各医師にヒアリングし、アドバイスをいただいて作成したものを小委員会に上げていますので、これまで採用薬について問題は起こっていません。逆に「後発医薬品ありき」で進めていっては上手くいかないと思います。

図4 東北医科薬科大学病院における院内フォーミュラリー実施に関する組織・手順

図4 東北医科薬科大学病院における院内フォーミュラリー実施に関する組織・手順

(資料:渡邊 善照 先生 ご提供)

C. 地域フォーミュラリーに向けて

──今後、フォーミュラリーはどのように展開されていくご予定ですか。

渡邊先生:ビスホスホネート(BP)製剤に続き、H2受容体拮抗薬とロイコトリエン受容体拮抗薬が導入済みです。2018年11月以降は抗ヒスタミン薬や睡眠薬、生活習慣病治療薬などに着手予定です。特に抗ヒスタミン薬は多くの診療科でいろいろな銘柄が使用されており、このように交通整理が必要となるような医薬品を優先的に検討していく予定です。

──薬薬連携にも力を入れていくと先ほどお話がありましたが、将来的には地域フォーミュラリーに拡大していくお考えはあるのでしょうか。

渡邊先生:先ほどお話した薬局薬剤師さんとの研修会で、実は地域フォーミュラリーを考えていきませんかという投げかけはしています。まずは、病院周辺の薬局とトライアル的に進めてみようと思っています。ただ、院内のフォーミュラリーもまだ始まって半年ほどですので、ある程度こちらが軌道に乗ってからですね。
薬局ごとのご判断も異なると思いますが、地域フォーミュラリーが進めば、薬局にとっては無駄な在庫を抱えないで済みます。後発医薬品の数量シェアが目標を達成しつつあるなか、国はフォーミュラリーに照準をあててきたようなところもありますので、院内外で今後進めていかなければならないと考えています。

──地域の先生方との話し合いも必要ですね。

渡邊先生:医師会等とフォーミュラリーを進めていくのがよいかどうかという段階から協議を始めなければなりませんが、そのハードルが一番高い。そこは院内の先生方と同様、適正使用の推進というフォーミュラリーの原点を訴えていくことからだと思います。

4.今後の展開~先端医療との2トラック構想

──最後に病院全体として今後予定している取り組みなどがありましたらお願いします。

近藤先生:現在、病院の増改築工事を行っていますが、そのなかで救急や手術、内視鏡の件数を増やしていくなど、地域で担う医療をより拡大していくというのが一つです。
それと、今日は地域医療を中心にお話しましたが、やはり大学病院ですので先端的な医療にも磨きをかけていかなければ研修医や専攻医が集まりません。幸い病院開設時に最先端の医療機器も導入されていますので、今、医学部生で最高学年の3年生が卒業するまでの間に、より新しい医療に対応できる病院にしていくことも重要です。その2点を念頭に、今後の病院づくりを進めていきたいと思います。

東北医科薬科大学病院 病院長 近藤 丘 先生、東北医科薬科大学病院 薬剤部長 渡邊 善照 先生

取材の裏話・・・

インタビュアー
インタビュアー:東北医科薬科大学はこの本院のほか、若林病院という附属病院もお持ちですね。
東北医科薬科大学病院 病院長 近藤 丘 先生
近藤先生:NTT東日本東北病院を本院の開設と同じ時期に譲渡してもらい、若林病院として運営しています。
インタビュアー
インタビュアー:どのような背景から譲渡に至ったのでしょうか。
東北医科薬科大学病院 病院長 近藤 丘 先生
近藤先生:大学病院の本院は医学部と一緒になければならないというのが、文科省の方針です。本院の規模はどれくらいかという明確な基準はありませんが、少なくとも600床程度は必要とされています。確かに30を超える診療科を有し、学生を教育していくにはある程度のベッド数は確保しておかなければなりません。しかし、当院の病床は466床しかなく、199床の若林病院を譲ってもらったという経緯です。
インタビュアー
インタビュアー:事業計画には本院と若林病院の機能分化等も明記されていますが、将来的に病床を統合・再編していくということでしょうか。
東北医科薬科大学病院 病院長 近藤 丘 先生
近藤先生:そういうことです。一気にではないですが来年度、若林病院のほうから80床を移して本院を550床程度にしていく予定です。並行して若林病院を回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟を中心にして機能分化を図っていきます。
インタビュアー
インタビュアー:地域医療構想で言うと、本院を高度急性期と急性期、若林病院を回復期にしていくということですね。
東北医科薬科大学病院 病院長 近藤 丘 先生
近藤先生:ただ、ずっとそういう方針なのかと言われるとわかりません。将来的に病床数を増やす余地があれば、若林地区には大きな病院がありませんので、急性期の機能をあらためて強化していくこともありえます。その辺は医療政策と地域ニーズ、そして医学部の人材の充実度などを睨みながら流動的に考えています。

(平成30年10月1日のインタビューより)

【解説】地域フォーミュラリー拡大の予感

―厚生労働省 中医協の議論などをもとに㈱医薬情報ネットが作成―

政府は『骨太方針2018』で「生活習慣病治療薬の費用面も含めた適正な処方の在り方の検討」として、有効で経済的な医薬品推奨リスト、フォーミュラリーの導入を明記しました。これは『骨太方針2015』から4年連続のことであり、同政策に対する国の並々ならぬ決意が感じ取れます。
背景の一つには、後発医薬品の数量シェアは順調に伸びている半面、薬剤費に占める割合は、長期収載品等に押されて14%にとどまっていることが挙げられます(図)。現状では日医などが指摘しているように、後発医薬品の使用促進における薬剤費の削減効果は限定的と言わざるを得ません。
薬剤費削減の次の切り札として、病院ごとのフォーミュラリーの導入・推進が期待されているわけです。中医協でも2017年、先行する大学病院の事例が紹介されましたが、それによると「原則として後発医薬品を中心に2剤までを採用」「有効性や安全性に差がなければ新薬の採用は認めない」など基本的には後発医薬品をベースとした内容となっています。これに続く事例をみてもやはり後発医薬品のさらなる使用促進を目的とするものが少なくありません。
一方、病院ごとのフォーミュラリーが徐々に広がりを見せるなか、協会けんぽ静岡支部や地域医療連携推進法人尾三会など地域フォーミュラリーの策定を表明する団体や法人も現れてきました。地域内での薬物治療の標準化や医療費の適正化を図っていくのが狙いです。ただし、地域共通となると後発医薬品中心の推奨リスト策定は困難になることが予想されます。東北医科薬科大学病院のフォーミュラリー策定は、後発医薬品一辺倒だったフォーミュラリーに、アドヒアランス維持の面も考慮した、用法や剤形、患者さんのニーズなど新たな視点が盛り込まれていく転機になるかもしれません。

図 医薬品の種類ごとの品目数・薬剤費の内訳

(社会保障審議会医療保険部会(平成29年5月17日)資料1-2 より)

PC
2018年11月作成