医療サポート事例:地域医療戦略

心不全増悪阻止、カギは介護・行政との連携
「垣根越える共通言語を」地域ぐるみで模索

医療法人優心会 ハートクリニック 理事長・院長/大分郡市医師会 理事 小野 隆宏 先生 大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学講座 教授 髙橋 尚彦 先生 吉賀循環器内科 院長/大分県医師会 常任理事 吉賀 攝 先生 社会医療法人敬和会 大分岡病院 院長 立川 洋一 先生

75歳以上の高齢者人口が2035年にかけて増加する見通しの大分県。
“心不全パンデミック”が間もなく始まると言われる中、患者さんの再入院を防ごうと地域の医療・介護関係者らが模索し始めています。

患者さんの状態を「見える化」して早期対応につなげようと、大阪府大阪市の北野病院などが実践している「心不全ポイント」の活用を軸に、県内の9区域ごとに事業の具体化に着手。事業の成果を客観的に評価する指標の開発も進めています。

地域ぐるみの取り組みを成功させるポイントは何か、一連の取り組みの中心的な役割を担う4人の先生方にお聞きしました。

この記事のキーワード

超高齢社会/脳卒中・循環器病対策基本法/心不全パンデミック/地域医療介護総合確保基金/心不全の再入院予防/医療介護連携/人生会議(ACP)

1.心不全を取り巻く地域の状況

―大分県全体では、75歳以上の後期高齢者人口が2035年ごろまで増え続けるとみられています(図1)。そうした中で、心不全の患者さんが増えているとお感じになりますか。

髙橋先生 明らかに増えています。心不全は従来、左室の駆出率が低下して発症するケースが大半でしたが、最近では心機能が保持されたまま心不全を発症するケースが顕著に増えています。このタイプは高血圧患者や高齢女性に特に多いので、高齢化がさらに進むと、心臓はしっかり動いているのに心不全になる方が増えるでしょう。

図1 高齢者人口と高齢化率の推移(大分県)

図1 高齢者人口と高齢化率の推移(大分県)

(資料:大分県地域医療構想の概要)

―心不全の患者さんの入院期間はどの程度でしょうか。

髙橋先生 大分大学附属病院の循環器病棟全体では、通常の患者さんは7~8日前後ですが、心不全では2~3週間程度です。

―これから心不全が増えると、急性期の病棟運営が難しくなることもあり得るのでしょうか。

立川先生 心不全の入院は確かに長引きがちですので、急性期病院が担うべきカテーテル治療や手術が制限されてしまう可能性はあります。心不全はいったん発症すると入退院を繰り返します。増悪を早期発見して再入院を防ぐには病院と開業医の連携が不可欠ですが、それだけではカバーし切れません。看護師や薬剤師、管理栄養士のほか、訪問看護師やホームヘルパーなど介護従事者といかに連携するかも非常に重要です。

―そうした中で、脳卒中・循環器病対策基本法が2019年12月に施行します*1。髙橋先生は、それをどのように受け止めていらっしゃいますか。

髙橋 尚彦 先生

髙橋先生 がん対策基本法が10年以上前に施行されたのと比べると遅過ぎるくらいでしょう。とは言え、法律に裏付けられた循環器病対策がようやく動き出すことになり、ほっとしています。日本人の死因を全国ベースで見ると、心疾患はがんに次ぐ2番目の多さで、3番目は脳血管疾患です。これらへの地域レベルでの対応が始まるのは2022年ごろなので具体的なことはまだ決まっていませんが、いずれにせよ県を挙げて対応していく必要があるでしょう。

*1 脳卒中・循環器病対策基本法は2019年12月1日に施行されました。

2.大分県心不全包括ケアカンファレンスの概要

―それに先立ち、大分県心不全包括ケアカンファレンスが2019年4月に立ち上がったとお聞きしています。

立川先生 循環器の医師が中心になって、心不全の包括ケアに取り組む体制を地域ごとに整備できないか、髙橋先生と相談して県内の先生方にお声掛けしてきました。その結果、多くの賛同をいただいたので各医師会に相談すると、「ぜひ事業展開しよう」ということになったのです(図2,3)。現在は、県内の20病院のスタッフや開業医、多職種の計70人ほどが参加してくださっています。これまでに、「大分地区」や「別府地区」など9つの地域ごとに中核病院と医師会の先生方一人ずつに代表をお願いし、そのお二人をサポートしていただく看護師や薬剤師、理学療法士などの人選も決めました。それをベースに、大分県医師会の吉賀先生と大分郡市医師会の小野先生と相談しながら具体的な仕組みづくりを進めている段階です。

図2 大分県心不全包括ケアカンファレンスが目指す取り組み

図2 大分県心不全包括ケアカンファレンスが目指す取り組み

(資料:大分岡病院 立川 洋一先生 ご提供)

図3 大分県心不全包括ケアカンファレンスの仕組み

図3 大分県心不全包括ケアカンファレンスの仕組み

(資料:大分岡病院 立川 洋一先生 ご提供)

先進的な地域でのノウハウを学ぶため、2019年4月に講演会を開き、第2回を11月に開催しました。いずれの講演会にも、県内各地の医師や看護師、理学療法士、社会福祉士など100人ほどが参加してくださいました。

今後、事業として展開するには資金が必要です。そこで、地域医療介護総合確保基金の交付を県に申請しました。内示があるのはまだ先ですが、地区ごとの事業の概要を医療や介護従事者に説明し、ご意見を伺いながら活動内容を検討しようと思います。

吉賀先生 ただ、地域医療介護総合確保基金のスキームにも限界があり、2年目以降の維持費をカバーできないのが悩みどころです。例えばICT(情報通信技術)を使った連携体制の整備事業では通信機器を定期的に更新しなくてはなりませんが、そのための補助は出ません。講演会を開く場合も同じです。初年度以外は、自分たちで経費を捻出するしかないのです。そのため、心不全包括ケアカンファレンスの関連事業も、将来は自立できるように制度設計しないと尻すぼみになりかねません。とは言え、枠組みが複雑過ぎたり、大き過ぎる負担を求めたりすれば皆さんはついてきてくれませんし、兼ね合いの難しさを感じています。

3.大分県心不全包括ケアカンファレンス発足までの経緯

―大分県心不全包括ケアカンファレンスを立ち上げるきっかけは何だったのでしょうか。

立川 洋一 先生

立川先生 髙橋先生がおっしゃったように、心不全の患者さんが大分県内でも増えていますし、“心不全パンデミック”が間もなく始まると言われています。そうした中、急性期病院では入院期間を短くする必要もありますし、再入院を防いで、患者さんのQOLを高めなくてはなりません。

再入院を防ぐにはどう対応すべきか、当初は大分岡病院単独で検討していましたが、急性期病院だけでそれを実現させるのは困難です。多職種と協働し、地域全体で患者さんを包括的にケアする連携の整備が不可欠だと強く感じていました。髙橋先生にご相談したのはそのためです。

―県医師会としてはどのように受け止めていますか。

吉賀先生 こうした事業を成功させる最大のポイントは、行政をいかに巻き込むかでしょう。大分県では糖尿病や慢性腎臓病(CKD)の重症化予防などには熱心ですが、心不全に関する具体的な動きはまだありません。現場での実績がまずあって、それをサポートするのが行政の役割だからでしょう。そのため、草の根的な取り組みを地域ごとに進め、枠組みを示せるようにするのが第一歩です。ただ、「自分も参加している」という意識が行政側になければ及び腰になることが多いので、県や市町村の担当者をわたしたちの会合にお呼びして、何をやろうとしているのかを見ていただく必要がある。そうしたパイプづくりが地域の医師会の役割だと考えています。

―吉賀先生がいらっしゃる別府地区では、心不全のケアにいち早く取り組んでいるとお聞きしています。

吉賀 攝 先生

吉賀先生 北野病院(大阪市)などが実践している「心不全ポイント」の概念*2を共有して、患者さんを循環させる体制を整備しようというのが別府地区での取り組みです。オリジナルの「心不全ポイント」と全く同じ枠組みにするか、それともわたしたちなりにアレンジするか、2019年から検討を始めました。患者さんの状態が悪化したら別府市内の3つの中核病院にすぐ紹介できるようにするのが目標です。

われわれ循環器の医師にとって心不全は、特段の警戒が必要な疾患ではありません。その対応に慣れているためですが、例えば消化器科など心不全とはなじみの薄い診療科の先生にとっては事情が異なり、いつ、どのタイミングで中核病院に紹介するべきかの判断指標が必要です。「心不全ポイント」は、体重の急激な増加や自覚症状の有無などを点数化することで心不全の状態を評価し、合計点数が一定以上になったらまずはかかりつけ医へ、それから基幹病院へと受診を促す仕組みです。客観的な評価が可能なので、これをうまく活用すれば、情報共有や早期対応の円滑化が期待できるでしょう。

*2 北野病院の取り組みの詳細は「心不全の自覚症状や体重変化を点数化して共有 医療と介護を橋渡しする2つのツール」の記事をご覧ください。

4.医療・介護をまたぐ地域連携が必要な理由

―郡市医師会としてはどのように受け止めていますか。

小野先生 具体的な取り組みが始まるのはこれからですが、高齢化がさらに進むと、心不全のリスクを持つ患者さんが多くなり、しかも複数の疾患を併発するケースが増えると言われています。特に、難しいのは認知症の患者さんです。認知機能の低下により、服薬や食事などのセルフコントロールは難しくなります。立川先生がおっしゃったように、訪問看護師やホームヘルパーなど、患者さんに近い介護従事者との連携が必要なのはそのためです。

かかりつけ医の役割も重要です。循環器の医師だけで心不全をカバーし続けるのは難しいので、糖尿病やCKDと同じように医療機関が垣根を越えて連携し、診療科を問わず全てのかかりつけ医に、ある程度の対応が求められます。そのための旗振り役がわたしたち地域医師会の役割だと考えています。

―これからは医療や介護の垣根を越え、地域で心不全に対応することが求められるということですね。

立川先生 そうです。そのためには、医療と介護に共通の言語やツールが必要です。例えば開業医の先生方からすれば、連携先の病院がそれぞれ異なるツールを使っていたら、心不全の患者さんにどう対応すべきか混乱してしまいます。しかし、地域にコンセンサスがあればそうした混乱を避けられるでしょう。

吉賀先生 心不全の悪化を防ぐ上でカギを握るのは、むしろ介護従事者ではないかと感じます。介護施設に入所されている人の心不全の兆候を早期に把握できれば、医療に正しくつなげることができるでしょう。わたしたちがカバーする患者さんは高齢者がほとんどで、小野先生がおっしゃるように認知症を持つ方も増えています。患者さんの日常生活を管理する上でかかりつけ医が注意すべきなのは、まず服薬を確実にすること。それから塩分摂取の制限や運動への配慮などです。心不全の悪化を防ぐ上で絶対に外せない薬もあるので、薬が残っていたり塩分の摂取制限を守らず食事をしていたり、前の週から体重が3キロ以上増えていたりすれば知らせてほしいと、訪問看護師にお願いしています。

小野 隆宏 先生

小野先生 認知症がある患者さんには、わたしも訪問看護を積極的に利用するようにしています。心不全では多剤服用になりがちであり、有害事象の出現に十分注意が必要です。一方で、心不全治療の基礎薬であるβ遮断薬やACE阻害薬を血圧コントロールの薬だと思い込んで、「血圧は安定しているから」と服用をやめてしまうケースがあります。それによって心不全が悪化するのを防ぐには、訪問看護師に協力を仰ぎ服薬管理を徹底させる必要があります。

吉賀先生 わたしはこれまで、訪問看護師に患者さんを二人ほど助けられています。最近も、体重が一気に5キロ近く増えたと訪問看護師から連絡がありました。事情をお聞きすると、案の定「血圧が安定しているから」と利尿剤の服用を中止していました。体重の増加にもし気付いてくれなかったら駄目だったかもしれません。

5.大分県心不全包括ケアカンファレンスでの教育の位置付け

―心不全の再入院を防ぐには、医療や介護従事者への教育が重要だといわれます。

髙橋先生 大学病院には、慢性心不全看護の認定看護師もいるので、そうしたスタッフの知識を共有するようにしています。ただ大学病院では、植込型補助人工心臓など高度な医療を必要とするなど重症な患者さんが中心で、比較的安定した慢性心不全の高齢者をカバーする開業医の先生方とは役割が異なるかもしれません。

立川先生 教育こそが心不全地域包括ケアカンファレンスの中核をなす事業です。そのため事業計画には、9つの地区ごとに勉強会を開けるようにすると記載しました。それだけに、勉強会で講演できるだけの知識を持つ医師や看護師、介護従事者を急いで養成しなくてはなりません。大阪の「心不全ポイント」は非常に分かりやすいので、知識やスキルの底上げに使いたいと考えています。

吉賀先生 訪問看護師の役割は大切だと先ほど話しましたが、暑い時期に水分をどんどん取るよう患者さんに注意喚起されることがあります。熱中症になるのを防ぐためでしょうが、水分を取り過ぎて体内に貯留すると心不全の悪化が避けられません。そういう場面では、水分の摂取制限がなぜ必要か、理由を説明して適切な対応をお願いしています。ただ、これは教育というよりむしろ依頼です。

立川先生 やはり患者さんに一番近いところにいるのが介護従事者ですから、そういう方が知識を持っているというのは非常に大きいですね。

―回復期病院との連携はどうでしょうか。

立川先生 急性期の病院から直接ご自宅に戻れる患者さんばかりではありませんから、回復期病院との連携は非常に大切です。そのため、大分県心不全包括ケアカンファレンスへの参加を呼び掛けていますが、県内には心臓リハビリテーションを行っている回復期の病院はほとんどありません。そこをカバーできる病院が増えることが理想です。

吉賀先生 心臓リハビリテーションは診療報酬の算定要件が厳し過ぎて算定が困難な医療機関もあるようです。そうした点が見直されれば、一気に広がるかもしれません。

6.大分県心不全包括ケアカンファレンスの成果の評価方法

―大分県心不全包括ケアカンファレンスの事業では、連携の成果を図る指標を開発するとお聞きしています。

立川先生 「心不全の再入院率の維持・低下」と「再入院までの期間の延伸」を中核病院ごとに可視化して成果を評価する方向で検討しています(図4)。わたしたち大分岡病院での再入院率は現在、15~20%ほど。各病院にDPCデータから再入院率を出していただき、高齢化が進んでもそれを維持するか、低下させるのが目標です。ただ、退院元とは別の病院に患者さんが再入院するケースでは正確なデータを取るのは困難でしょうし、再入院率にはデータの取り方によって差が出るはずです。そのため現段階では、「再入院率」とは何かを明確に定義付けて、簡易的な方法を取るのがベターだと考えています。

図4 大分県心不全包括ケアカンファレンスにおける質の評価

図4 大分県心不全包括ケアカンファレンスにおける質の評価

(資料:大分岡病院 立川 洋一先生 ご提供)

髙橋先生 行政に相談すると、「事業によってアウトカム指標が改善したという実績を示してほしい」ということでした。そのためにも、客観的なデータの収集が課題です。最近では、医療機関や介護施設、調剤薬局などが患者さんの治療経過や検査データを共有する情報連携が県全域に広がりつつあるので、そうした枠組みも使って実績を可視化できないかと考えています。

小野 隆宏 先生 髙橋 尚彦 先生 吉賀 攝 先生 立川 洋一 先生

取材の裏話・・・

インタビュアー
インタビュアー:―末期心不全の患者さんにはどのように対応すべきでしょうか。
小野 隆宏 先生
小野先生:在宅医療では、人生の最終段階の治療方針を事前に話し合うアドバンス・ケア・プランニング (ACP)の実践が特に重要だと思います。がんや認知症、老衰などとは違い、心不全では寛解と増悪を繰り返しながら身体機能が徐々に低下します。そのため、どこからが人生の最終段階なのか、タイミングの見極めが非常に難しいのですが、終末期ケアの適応になる「ステージD」になる前にはACPをスタートさせ、患者さんの人生観や価値観を共有する必要があると思います。
インタビュアー
インタビュアー:―ACPを実践する上ではどのようなことが課題ですか。
小野 隆宏 先生
小野先生:わたし自身も経験がありますが、タイミングを誤って切り出すと、「自分は末期なのか」と患者さんを傷付けかねません。
吉賀 攝 先生
吉賀先生:知らない先生が突然やってきて「これからACPを始めます」と切り出す対応はちょっと考えにくい。それだけにACPでは、患者さんと十分にコミュニケーションを重ねるわれわれかかりつけ医の役割が特に問われるでしょう。書類にサインしていただき、苦情を回避するのがACPの目的だと思われがちですが、患者さんをそういう方向に誘導するのはとても悲しい。そうではなく、患者さんやご家族との信頼関係を土台に話し合いを進めるのが基本だと思います。
インタビュアー
インタビュアー:―急性期病院としてはいかがでしょうか。
髙橋 尚彦 先生
髙橋先生:大学病院だとなかなか難しいことですが、患者さん一人一人の健康寿命の延伸と、国の医療費削減の両立ができればベストでしょう。そのためにはやはり、話し合いが非常に重要だと思います。
立川 洋一
立川先生:たとえ結論が出なくても、治療方針を何回も話し合ううちに患者さんの価値観は共有できるはずです。ただ、われわれ急性期病院の医師たちは、ACPにどう対応すべきかすごく悩んで試行錯誤しています。
小野 隆宏 先生
小野先生:本来はわたしたちかかりつけ医があらかじめ行っておくべきなのでしょう。そうすれば、末期心不全の患者さんが救急病院に搬送されても情報共有できます。それがないために救急現場でいきなり実践を迫られる場面もあるかもしれませんが、救急の先生方が突然、ACPを行うのは難しいでしょう。
立川 洋一
立川先生:急性期病院は、患者さんが退院した段階で「ACPを進めていただきたい」と先生方にお願いすべきなのかもしれません。かかりつけの先生方とのACPのあるべき姿を共有できる話し合いの場をいずれ設けられたら良いと思います。

(2019年11月6日のインタビューより)

【解説】外来緩和ケア管理料の対象に「末期心不全」
―2020年度診療報酬改定で対象拡大へ

―厚生労働省 中医協の議論などをもとに㈱医薬情報ネットが作成―

末期心不全の外来診療が2020年度の診療報酬改定で後押しされそうです。

厚生労働省は2019年10月9日、現在はがんの患者に限定されている外来緩和ケア管理料の算定対象を、末期心不全の患者に拡大する見直し案を中央社会保険医療協議会・総会に示し、大筋で了承されました。

2018年度の診療報酬改定では、一定の業務経験がある医師や看護師らの緩和ケアチームが一般病棟の入院患者を診療した場合に算定する「緩和ケア診療加算」の対象に、末期心不全が追加されました。しかし、外来緩和ケア管理料など入院外での緩和ケアを評価する診療報酬の対象は、引き続きがんに限定され、末期心不全では算定できません。

そうした中、入院外での緩和ケアを評価する診療報酬の対象も末期心不全に拡大し、入院と歩調を合わせる方向で検討します。厚生労働省はこの日、入院外での緩和ケアを評価する診療報酬として、外来緩和ケア管理料のほかに、「がん性疼痛緩和指導管理料」「がん患者指導管理料」なども挙げました(表)。

慢性心不全など末期の心疾患では、呼吸困難(いつも首を絞められているような)や全身倦怠感(身の置き所がない)、不安といった身体的・精神心理的な苦痛が、がんと共通して頻度が高いことが分かっています。

循環器や緩和ケア医療の専門家らによる省内のワーキンググループは2018年4月に、医師や看護師、薬剤師など拠点病院の多職種による緩和ケアチームが、かかりつけ医など地域の医療機関と連携し、患者の苦痛を和らげる枠組みを提言しました。

表 緩和ケアに係る診療報酬上の評価について(抜粋)

表 緩和ケアに係る診療報酬上の評価について(抜粋)

(出典:中央社会保険医療協議会 総会(2019年10月9日)資料総-1「個別事項(その3)」を基に作成)

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2019年12月作成