医療サポート事例:地域医療戦略

働き方改革と医療の質改善の両方に貢献
「病院総合医」の養成は全病院の課題

済生会熊本病院
 包括診療部部長 園田幸生先生(中央)
 脳神経外科部長 山城重雄先生
 3東・3西病棟師長 右田みどりさん

済生会熊本病院 包括診療部部長 園田幸生先生(中央) 脳神経外科部長 山城重雄先生 3東・3西病棟師長 右田みどりさん

全国で病院総合医を導入する施設が増えています。済生会熊本病院の病院総合医は、多職種とタイムリーに連携をしながら、入院患者さんの体調管理や急変、相談などに、多職種協働で迅速に対応するために、各種医療チームをマネジメントする医師です。現在同院には23名の病院総合医が勤務しています。一般病棟・救急系病棟のフロアマネジャーとして、栄養管理サポートチーム(NST)・感染管理サポートチーム(ICT)・血糖管理サポートチーム・リハビリテーション管理サポートチーム・周術期管理サポートチーム等々の各種医療チームのディレクターとして、診療科横断的な診療マネジメント業務を実践する病院総合医(11名)、また診療科部長、Total Quality Management(TQM)部、管理運営部門といった経営マネジメント業務に従事する病院総合医(12名)がおり、医師の多様な働き方を率先しています。
もともとは外科医としてキャリアを積んできた済生会熊本病院の園田幸生先生は、2017年1月以降は「病院総合医」として院内で勤務し始めました。「病院総合医の養成は、高度急性期だけでなく、回復期や慢性期機能を含む全ての病院の課題」だと話す園田先生。ゆくゆくは、病院総合医が橋渡し役となり、シームレスにかかりつけ医にまでつながる地域連携をつくり上げるのが目標です。また働き方改革や医療の質に関しても、病院総合医に関するアンケートの結果から包括診療部の発足後に診療科の医師や看護師の業務改善が進み、入院患者さんの満足度も向上したことが分かりました。
病院総合医、主治医、看護師のそれぞれの立場から、済生会熊本病院での病院総合医のこれまでの歩みと効果、今後についてお聞きしました。

この記事のキーワード

病院総合医/多職種連携/医師の働き方改革/医療の質改善/高齢化に伴う患者背景の複雑化/2040年問題/地域医療連携

1.病院総合医とは

―病院総合医とは、どのような先生方でしょうか。

園田先生 明確な定義はなく、全国ではさまざまなタイプの「病院総合医」が活躍しています。代表的なのは、当院のような高度急性期型の病院総合医で、病棟をマネジメントするホスピタリストのような役割です。そのほかには、多職種のチーム医療の要となったり、経営マネジメントを行ったりするタイプ。さらに、地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟の先生方も病院総合医のような役割を担っていると思います。
当院では現在、病院総合医として23人(病院総合専修医8名含む)が勤務しています。包括診療部が立ち上がった2017年4月以降、整形外科(四肢外傷センター)を皮切りに病院総合医の病棟配置を進め、範囲を広げてきました。いわば入院患者さんのかかりつけ医として働くのが当院の病院総合医のイメージで、看護師や薬剤師、管理栄養士などと連携し、主治医に代わって患者さんの日々の診療や体調管理、相談などに対応します(図1)。

図1 包括診療部による多職種協働のチーム医療

図1 包括診療部による多職種協働のチーム医療

(資料:済生会熊本病院 園田幸生 先生ご提供)

包括診療部発足から3年近くが経ちまずが、一貫して病院総合医に求められるキーワードが「リハビリテーション・ケア」です。リハビリテーションというと理学療法のイメージが強いかもしれませんが、本来は患者さんが尊厳を持って生活できるよう、病気になる前あるいはそれ以上に身体機能を高めること。その言葉に「ケア」の概念を組み合わせたのは、痛みや褥瘡、認知症、せん妄など、リハビリテーションを妨げるさまざまな課題にタイムリーに対応することが、患者さんの社会復帰につながるからです。

2.病院総合医に対する院内の受け止め方

―包括診療部を立ち上げた背景をお聞かせください。

右田さん 包括診療部が設置された背景にはいくつか理由があると感じています。一つは、診療科の先生が専門的な治療に専念できる体制を整備して、院内の働き方改革を進めること。もう一つは、病院を取り巻く環境の変化です。入院期間の短縮が進む半面、高齢化が進展して、最近は複数の疾患を持つ患者さんが増えています。限られた時間で十分な治療を提供しなければならないのに、医師が病棟にいないままでいいのかが問題視されていました。

―脳神経外科に病院総合医が配置されたのはいつでしょうか。

山城先生 2018年4月なので、もうすぐ丸2年が経ちます。

―病院総合医が患者さんに介入することに、脳神経外科の先生方から不安や不満はありませんでしたか。

山城先生 私たちの診療科に属する医師が縦の指示系統で動くのに対し、病院総合医は、いろいろな診療科の患者さんに、横断的に介入します。脳神経外科の主治医のみが対応すると、患者さんの頭部の状態は把握できても、全身状態の評価まで十分に手が回らないことがどうしてもあります。そのため個人的には病院総合医の介入は歓迎でした。ただ、当初は主治医の知らないところで処方が変わったり、検査が追加されていたりすることへの戸惑いを訴えるケースもありました。

―先生方の受け止め方は2年の間に変わりましたか。

山城先生 かなり変わりました。脳神経外科では救急搬送や手術への対応など緊急の業務が特に多いので、それ以外の患者さんへの対応が滞りがちでした。いちばんは疼痛管理です。患者さんから痛みを訴えられても手術があるとすぐには対応できませんでしたが、今では病院総合医がタイムリーに対応してくれます。わたしは、主治医と病院総合医2人の診察を受けることに患者さんがどう反応するか注目していましたが、ごく普通に受け入れられています。

―脳神経外科の先生方は、何人ぐらいの患者さんを担当しているのでしょうか。

山城先生 わたしは現在5人程度ですが、多い医師は10人を超えます。どうしても周術期や重症の方を優先する必要があるので正直、全ての患者さんの状態を正確に把握し続けるのは難しい。病棟管理が難しいケースが最近は増えていることもあり、医師が病棟に常駐しないと厳しい時代なのかもしれません。

―看護部門ではいかがでしょうか。

右田さん 病院総合医の必要性はかなり前から院内の幹部研修で議論されていて、わたしたちは病棟に常駐する医師が必要だと感じていました。当院の入院期間は、2018年度には9日程度まで短縮され、転院や退院まで時間的な余裕がただでさえなくなっています。それに加えて、包括診療部ができるまでは、患者さんに発熱があっても主治医の手が空く夕方ごろまで薬を処方できないことがありました。

―看護師が診療の補助を行うような場合、現在は「医師の指示の下」に行うよう細かくルールが決められているケースが多いので、医師の指示がないと対応が滞ると指摘されています。

山城先生 そうです。そのため以前は、わたしたちの指示を仰ごうと手術中にも看護師から電話が入るケースがたびたびありましたが、今ではそういうことも少なくなり、手術に集中できるようになりました。

3.病院総合医の業務

―看護師と病院総合医の対応はどのように役割分担していますか。

右田みどりさん

右田さん 患者さんの雰囲気がいつもと違い、「おかしい」と感じたらすぐ病院総合医に相談するようにしています。また転退院時のご家族との調整や指導は看護師が行っていますが、痛みや不安が強い患者さんは状況を伝え、病院総合医に説明を依頼します。主治医が不在でもそのことで安心して転退院ができます。

―病院総合医として園田先生は、患者さんの全身管理や相談にはどのように対応していますか。

園田先生 診察・検査までは病院総合医が積極的に行いますが、検査結果を踏まえた治療にはワンクッション置くようにしています。例えば検尿のオーダーを看護師から依頼されたらわたしたちがまず対応します。その結果、介入がすぐ必要なのに、主治医が対応困難だったり、シフト勤務で休暇を取っていたりするようなケースには私たち病院総合医が対応し、主治医へ事後報告します。検尿を行ったらそのことを主治医に伝えるよう看護師に依頼し、わたし自身も「指示受け確認表」などに記録を残します(図2)。

図2 指示受け確認表

図2 指示受け確認表

(資料:済生会熊本病院 園田幸生 先生ご提供)

患者さんからの相談に対応する上で大切なのは、痛みや不安・不満をタイムリーに解消することです。そのため、患者さんからの訴えには「知らない」「できない」とは言わず、まず傾聴します。その結果、何かに不満をお感じのようならそのことを主治医に電話などですぐ伝え、急ぎの対応が必要ないようなら、回診の際などに患者さんから主治医に直接相談するよう提案しています。実は、患者さんの不満の多くは患者さんが知りたいことを伝えられていないことです。患者さんとの情報共有を欠かさず、不安・不満があればそれをタイムリーに解消することが安心につながります。

―患者さんへの病状の説明はどのように行うのでしょうか。

園田先生 専門領域に関する内容(治療方針等)を話すことはしませんが、一般的な症状に対しては私たち病院総合医が話をします。例えば、発熱があるなら原因は何か、主治医の記録も確認した上で、患者さんに伝えます。発熱を防ぐため何に気を付けるべきか、主治医がいったん説明しても忘れる方もいるので、わたしが毎日、反復して説明します。繰り返し説明すると、患者さん方もだんだん気を付けてくれるようになります。

4.主治医との役割分担

―主治医の先生方との役割分担を進めるため、診療行為許可リストをつくったとお聞きしています。

園田幸生先生

園田先生 これは、各診療科の主治医と連携する上で、病院総合医がどこまで踏み込むべきかを見極めて相互理解を深めるための、いわば「やってもいいこと」のたたき台です。言い方を変えれば、主治医がわたしたちに望まない診療行為を把握する狙いもあり、全診療科にまとめてもらいました。

例えば整形外科の診療行為許可リストでは、35の診療行為のうち「栄養コントロール」「疼痛コントロール」など26項目が許可され、「薬剤師からの疑義照会への対応」など9項目には原則として主治医が対応することになりました(図3)。全てに対応していたら主治医の業務は恐らく回りません。診療においては、お互いの信頼関係の元で安心・安全の役割分担をすることが大事だと考えています。

図3 診療科別診療行為許可リスト

図3 診療科別診療行為許可リスト

(資料:済生会熊本病院 園田幸生 先生ご提供)

診療行為許可リストには、病院総合医が患者さんに介入する際の目安という意味合いもありますが、これらはあくまでわたしたちが「やってもいいこと」で、「やらなくてはならないこと」ではありません。同じ診療科でも、自ら対応したい内容が主治医によって異なるので、柔軟に運用しています。

―脳神経外科の診療行為許可リストは山城先生がつくったのでしょうか。

山城先生 園田先生の案に○か×を付けてまとめました。

園田先生 各診療科部長に依頼したのは、その際、スタッフ全員にリストを確認してもらうことです。「部長が決めたことだから・・・」というわけにはいかないので、診療科の総意としてまとめてもらいました。

―脳神経外科では、どのように線引きしたのでしょうか。

山城先生 脳神経疾患の専門的な知識を伴うことにはわたしたちが対応し、「経管栄養チューブ」や「疼痛コントロール(薬剤変更や追加、用法・用量の変更)」などはお任せしています。さらに、退院や転院の可否判断も最近、新しくお願いしました。退院・転院の直前に熱が出て、様子を見るべきか判断が必要なケースがよくあるのですが、主治医が忙しいとその対応も遅れがちです。そのまま転院してしまうと患者さんだけでなく転院先にも迷惑をお掛けしかねないので、採血などの検査値を基に判断を委ねました。病院総合医が「転院困難」と判断したら、脳神経外科ではそれに従います。

園田先生 退院・転院の可否は3つのデータで判断します。直近の血液検査、画像診断の結果と身体・生活状態で、それぞれのアセスメント結果をカルテに簡潔に記載します。身体・生活状態は体温や血圧、排便の状況、食欲の有無などで、退院・転院当日の朝に確認します。ポイントは発熱の有無でしょう。たとえば前日に発熱があったのに看護師と主治医の情報共有がうまくいかず、当日も朝から主治医が急患対応に追われるようなケースでは、そのまま退院・転院して問題ないか判断できません。そこで、病院総合医が介入します。
ただ、転院の場合、「発熱あり=即中止」ではなく、たとえば尿路感染症が疑われるならそのことを本人や家族、転院先にお伝えし、認めることもあります。恐いのは、発熱があるのに採血をせず、転院後に尿路感染症が明らかになるようなケースです。これだと、「気付いていたのに転院させた」などと言われ、信用を損なうかもしれません。検査データが急激に悪化したり、患者さんの状態が思わしくなければ、退院・転院を1日延期して状況を見極めることもあります。無理に転院させて結局、再入院するようなことになれば院内の負担も増えますし、信頼を失いかねません。

5.病院総合医の配置による効果

―病院総合医の先生方が配置されて働きやすくなったということですが、どのような効果をお感じですか。

山城先生 時間外労働がどれだけ減ったかという具体的なデータはありませんが、当院のような高度急性期病院の外科系病棟の勤務医にとって、病院総合医は大きな存在だと感じています。
医療の質の面では、「痛みの評価」(NRS: Numerical Rating Scale)の変化が目安でしょう。これは、苦痛の度合いを0から10までの11段階で評価するツールで、10に近づくほど痛みが強いことを示します。脳神経外科病棟の同じ疾患で、病院総合医が介入を始める1年前と1年後とを比較すると、介入後はNRSが有意に下がり、食事の摂取量も増えたという結果が出ています。病院総合医による痛みへのタイムリーな対処が数字にあらわれていると考えます。

―看護部はいかがでしょうか。

右田さん 発熱の原因を患者さんにお伝えするにしても、医師が行うことで患者さんの安心感が増すようです。具体的なデータはありませんが、最近は急変も大幅に減少した印象です。業務の面では、看護部内で業務の整理整頓が進み、始業前と終業後の在院時間が数十分ずつ短縮しました。病院総合医を配置したおかげで、主治医を待たなくても病院総合医から指示が出るようになったことで、看護部として非常に助かっています。例えば午前中に検尿を実施できれば、主治医は結果を見るだけで指示を出せるので対応が早まります。

―地域医療連携を進める上で病院総合医の先生方はどのような役割をカバーするのでしょうか。

園田先生 それは今後の課題です。病院総合医は主治医ではないので、転院の際、診療情報提供書などにわたしたちの名前を書くことはなく、コメントを書く程度です。ただ、急性期以外の地域包括ケア病棟などに病院総合医の概念が広がれば、いずれ横のつながりができるでしょう。病院総合医同士が橋渡し役となってシームレスな地域連携をつくるのが目標です。

―包括診療部が設置されたことで、経営上の効果はありましたか。

園田先生 経営面での成果を示すデータはまだありませんが、包括診療部ができた2017年以降も当院の経営は健全を維持しています。少なくとも包括診療部は経営面のマイナス要因ではないという見方が強いです。

―最後に、全国の病院にメッセージをお願いします。

園田先生 患者さんの全身管理は、入院前は地域のかかりつけ医の先生方の役割ですが、入院後は病院の医師が対応しなくてはなりません。診療科に所属せず、病棟マネジメントを行う医師の必要性を実感している病院は恐らく多いでしょう。患者さんの病気を治し、社会復帰も支援する医師の養成は、当院のような急性期だけでなく、回復期や慢性期機能の病院も含む全病院の課題です。高齢化がピークを越える2040年以降も含め、あと40年はそうした考え方が求められる気がします。

取材の裏話・・・

インタビュアー
インタビュアー:―全国に名を知られる済生会熊本病院の事例を紹介すると、ほかの病院の皆さんに「これは超成功事例であってうちには関係ないこと」と思われそうです。
園田幸生先生
園田先生:確かに、「人材豊富な済生会熊本病院だからこそ」と受け止められるかもしれません。ただ、わたしは「プラスワンで考えないでほしい」といつも主張しています。病院総合医を新たに確保するのではなく、今いる先生方の中から病院総合医を育て、医師同士や多職種で支え合う仕組みを院内につくればいい。それには意識改革を伴います。 “専門医至上主義”の概念が病院の規模を問わず広がっていますが、病院総合医のような「多様な医師の働き方」をそろそろ受け入れる時代に来ていると考えています。
インタビュアー
インタビュアー:―これから病院総合医を目指す先生方にアドバイスはありますか。
園田幸生先生
園田先生:わたしはもともと外科医ですが、病院総合医としては、どのようなときにどう行動すればベストか、さまざまな疾患を診て、大勢の先生方に相談しながらノウハウを身に付けつつある、発展途上の段階です。病院総合医の仕事は、実際にやってみると非常に面白い。踏み込んだことのない領域の知識を学べ、できることがだんだん増え、「目からうろこ」という言葉がいちばんしっくりきます。患者さんの社会復帰を支援するため、当院の包括診療部では「リハビリテーション・ケア」に注力します。もしも新しい仲間と当院で一緒に挑戦できるなら、それも素晴らしいと思います。
インタビュアー
インタビュアー:―ところで、園田先生の働き方改革は大丈夫ですか。
園田幸生先生
園田先生:ちゃんと帰っていますよ(笑)。当院の始業は午前8時半ですが、わたしは毎朝7時半に業務を開始します。業務を早く始める分、主治医の手が空く午後4時ごろには一段落します。包括診療部には子育て中の女性医師もいますが、お子さんの発熱など家庭の事情で急に休んでも、専門診療科に所属していないので負い目を感じにくいようです。「いいとこどりだ」と言われるかもしれませんが、病院総合医がいることで医療の質と院内業務が改善しているなら、病院で働く医師全員が平等な働き方をするのではなく、このような多様な働き方があっていいのではないでしょうか。多様性が求められる時代にあって、医師の働き方にも平等(equality)より公平(equity)であることが大切であり、医師間はもちろん、他職種間でもお互いが支え合う病院となればと思っております。

【解説】―医師の働き方改革の切り札?
タスク・シフト―厚労省、推進策を検討

勤務医の時間外労働(残業)の上限が罰則付きで規制され始める2024年4月に向け、医師から他職種へのタスク・シフト(業務移管)やタスク・シェア(業務の共有)の推進策をめぐる議論が、厚生労働省内で進んでいます。

議論の舞台は、厚労省が2019年10月に立ち上げた「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会」です。医師から他職種への業務移管・共有の具体策は当初、年内に取りまとめることとされていましたが、働き方改革の大枠をめぐる別の検討会の議論が遅れており、年明け以降も話し合いを継続しています。

医師の働き方改革を確実に進めるため、厚労省は、これまで医師が行ってきた業務の他職種への移管・共有を進める方針です。推計によると、例えば放射線部門の検査に伴う静脈確保注射(造影剤注入装置を用いて造影剤を注入するための静脈路を確保する行為)を診療放射線技師に、救急現場での採血に伴う「ヘパリンロック」など一連の業務を臨床検査技師に移管できれば、医師の勤務時間をそれぞれ月に10.4時間、33.0時間程度短縮できるとみられます。ただ、それには法律や政省令など関係法令の改正が必要で、どこまで踏み込むかが焦点です。

2020年1月20日の検討会で厚労省は、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士の3職種を挙げ、それらの関係法令を改正して医師から移管・共有できた場合に効果が大きいと見込める22の業務を挙げました。

厚労省では、仮に法令を改正すれば、それぞれの職種が一連の業務を一貫して行えるようになり、移管・共有が進むとみています(図)。ただ、この日の会合で同省は、その場合も▽医療スタッフがチームとして目的や情報を共有▽業務の実施状況を適宜医師に報告―などの対応が必要だと指摘しました。

図 診療放射線技師へのタスク・シフト/シェア(イメージ)

図 診療放射線技師へのタスク・シフト/シェア(イメージ)

医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会(2020年1月20日)の資料を基に作成

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2020年3月作成