主要領域別情報 糖尿病糖尿病疾患情報ライブラリー
我が国の2型糖尿病患者さんの現状の課題と早期治療の重要性
(糖尿病データマネジメント研究会<JDDM>データ、滋賀県医師会糖尿病実態調査)

<< 主要領域別情報:糖尿病へ戻る

データから見る日本の糖尿病患者さんの実情

前川聡氏(滋賀医科大学 内科学講座 糖尿病内分泌・腎臓内科教授)

監修:前川聡氏(滋賀医科大学 内科学講座 糖尿病内分泌・腎臓内科教授)
糖尿病は“Common Disease”であり、よく遭遇する疾患です。2016年の厚生労働省の国民健康・栄養調査によると糖尿病予備群は減少したものの、糖尿病患者が1000万人と増加しており、特に肥満化と高齢化の傾向が見て取れます。この傾向は糖尿病治療の実態の把握と改善を目的し、多施設共同研究として、ベンチマーク研究やコホート研究などを行っている糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)においても同様です。今回はJDDMの代表理事でおられます、滋賀医科大学 糖尿病内分泌・腎臓内科教授の、前川聡先生より我が国における糖尿病患者さんの現状と課題をお示しいただき、先生方が日常診療で気を付ける点について解説いただきます。

平均HbA1c推移

糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)が実施した調査では2型糖尿病群において平均HbA1c値は2009年以降改善し、2013年度の調査結果では、2002 年の調査開始以降初めて目標値である7%を下回り、その後も7%前後で推移しています。これはインクレチン関連薬、特にDPP-4阻害薬の発売が血糖管理の改善に大きな役割を果たしたといえます。

表 平均HbA1c推移

平均BMI推移

登録患者の平均BMI推移をみますと、2型糖尿病群においては、BMIが増加傾向を示し、2013年には25(Kg/㎡)になりましたが、2014年にSGLT2阻害薬が発売され、若干低下傾向を示すようになりました。しかしながら、糖尿病患者における肥満傾向は明らかであり、早期治療加入を行うことが重要です。

表 糖尿病患者の平均BMI推移

平均年齢の推移

また、平均年齢は2002年の62.67歳から、2016年には66.33歳と増加しており、糖尿病患者の高齢化が進んでいることがわかります。

表 平均年齢の推移

過去の大規模臨床試験

過去実施された血糖降下試験にて、厳格な血糖管理は細小血管障害のリスクを減少されることが証明されております。一方で厳格な血糖管理は低血糖を引き起こすリスクから大血管障害への影響については試験により結果が異なります。

表 血糖降下試験では、縮小血管症に対するベネフィットは認められたものの、心血管イベントに対する結果は混在していた

前川聡先生解説コメント

上記データからも明らかなように、糖尿病においては肥満と高齢化が大きな問題となっています。糖尿病の治療目標を達成する上で、血糖コントロールに留まらない将来の血管障害を起こさない治療を進めることが重要です。近年、治療薬の選択肢も増えており、食事・運動療法と併せた、早期からの積極的な治療介入を行っていくこと必要があります。

<< 主要領域別情報:糖尿病へ戻る