主要領域別情報 糖尿病糖尿病疾患情報ライブラリー
我が国の2型糖尿病患者さんの現状の課題と早期治療の重要性
(糖尿病データマネジメント研究会<JDDM>データ、滋賀県医師会糖尿病実態調査)

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増え続ける肥満糖尿病患者さんの現状の課題と積極的な治療介入の重要性

前川聡氏(滋賀医科大学 内科学講座 糖尿病内分泌・腎臓内科教授)

監修:前川聡氏(滋賀医科大学 内科学講座 糖尿病内分泌・腎臓内科教授)
糖尿病は“Common Disease”であり、よく遭遇する疾患です。2016年の厚生労働省の国民健康・栄養調査によると糖尿病予備群は減少したものの、糖尿病患者が1000万人と増加しており、特に肥満化と高齢化の傾向が見て取れます。この傾向は糖尿病治療の実態の把握と改善を目的し、多施設共同研究として、ベンチマーク研究やコホート研究などを行っている糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)においても同様です。今回はJDDMの代表理事でおられます、滋賀医科大学 糖尿病内分泌・腎臓内科教授の、前川聡先生より我が国における糖尿病患者さんの現状と課題をお示しいただき、先生方が日常診療で気を付ける点について解説いただきます。

糖尿病における高度肥満の増加

年代別の肥満糖尿病患者の増加傾向を見た2012年度の滋賀県医師会糖尿病実態調査では、40歳未満から50代の若年糖尿病患者において肥満度が全体的に高く、特にBMI30以上あるいはBMI35以上の高度肥満が増加傾向にあることがわかります。

表 糖尿病における高度肥満の増加

若年糖尿病における肥満の影響(65歳未満)

特に若年肥満糖尿病における傾向としては、血糖管理が不良である点、また血圧, 脂質異常を伴うメタボ型の糖尿病を特徴としています。さらに、多薬剤による薬物介入にも関わらず管理が不良であるといえます。

表 若年糖尿病における肥満の影響(65歳未満)

前川聡先生解説コメント

肥満(前期高齢者の肥満症例)糖尿病患者に対する早期治療の重要性

肥満糖尿病においては、特に食事・運動療法などの生活習慣への介入が必要です。また、薬物療法においては低血糖をきたさない、より安全な強化療法が必要となりますし、アドヒアランスがよく継続可能で行動変容を来しうるような治療も求められます。肥満糖尿病患者は多薬剤による薬物介入にも関わらずイベントリスク(高血圧、脂質異常、高血糖)が高いことから、血糖コントロールに留まらない血管合併症を意識した積極的な治療を行う必要があります。
糖尿病の治療を行うに当たり、最近ではSGLT2阻害薬も選択肢の1つになります。

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